第一志望入社は3年以内に辞めない?早期離職率と第一志望入社率の関係

四国生産性本部 人財育成研究会で若手社員の定着について講演をさせていただきました

厚生労働省が最新データ発表 大卒新卒者の3年以内離職率は32.2%

電通へ深夜残業しないとできない仕事を要求した会社も公表すれば、長時間労働は減らせる。

新卒社員が3年で辞めるのは悪いことなのか?

2012年に早期離職防止コンサルティングを始めたときには「早期離職対策なんてことにお金をかけたくない」と言われることも多かったですが、人手不足が本格化する昨今、早期離職対策についての講演やセミナーを依頼されることも多くなりました。

早期離職が起きている原因は個人や企業の状況によって様々なので「これさえやれば絶対に大丈夫」というものはないと思っていますが、多くの企業で見直すべきポイントの3つをご紹介します。

 

採用の見直し

 

採用の見直しというと「いかに辞めない人間を採るか」に腐心する方がいますが、個人的にはあまり好きではありません。ここでいう採用の見直しというのは、主に以下の3つです。

 

・会社全体で採用したい人材を明確に具体的にする

・母集団形成という考え方からの脱却

・採用過程での魅力の訴求

 

採用したい人材の明確化は言葉にすると簡単ですが、実際にはできていないケースが多いです。例えば、社長、人事部長、営業部長、人事、現場の社員など立場によって欲しい人材が違うことは少なくありません。また「明るく元気な人」「主体性のある人」など抽象的な言葉の定義しかない場合も明確化できているとは言えません。面接で聞く内容を決めることにもつながりますが、どんな思考のタイプでどんな価値観を持っている人なのか、具体的にその思考や価値観に基づいてどんな行動をしてきて人なのか、将来何をしたい人なのかを“会社全体を巻き込んで”考える必要があります。

 

ナビサイトなどからとにかく多くの応募を集めようとお金をかける企業がありますが、近年、採用がうまく行っている会社は応募者をたくさん集める=母集団形成という考え方からは離れつつあります。多くの応募者を集めるよりも、自社への志望度が高い、または自社での活躍の可能性が高い学生に絞ってアプローチをかけています。そのためにはスカウト型の採用ツールを活用したり、SNSで発信したり、インターンシップを充実させたり、大学とのパイプをつくったりなど積極的な動きが必要です。求人情報を掲載して露出度を増やせば応募が来るという考えは捨てた方がいいでしょう。

 

内定は出せるけど、内定者の辞退が多いという会社もあります。中には内定辞退率100%なんて会社も実在します。2018年卒は学生の約65%が複数社の内定を得ているそうです。内定者へのフォローも重要ですが、採用途中の面接などで「この会社に入ったらおもしろそうだな」と思ってもらえる工夫も重要です。一次面接通過者には一人ひとりに現役社員をリクルーターとしてつける会社もあります。また、最終面接の前に社員との座談会や飲み会を企画している会社もあります。人手不足の時代、採用面接は企業が人を選ぶ場ではなく、企業が選ばれる場でもあるのです。

 

 

新入社員教育の見直し

 

せっかく採用した人材をどう育てるのかも非常に重要です。ここでは研修とOJTの二つの観点から以下の見直しをおすすめします。

 

・会社の中長期計画に即した研修プログラムを選ぶ

・OJTに丸投げしない

 

多くの会社では新入社員に対してなんらかの研修をしていると思います。自社内で内製化している場合もあれば、外部へ依頼していることもあると思います。どちらの場合にせよ、大切なのは自社で活躍するためにはどんな能力が必要なのか、将来どんな能力が重要になるのかを考えて研修を行うことです。例えば、社長の講話を2時間聞く研修はなんの目的でやっているのでしょうか。その研修をやることで新入社員に行動やマインドはどう変化するのでしょうか。

 

研修後はOJTで教育していく会社が多いと思いますが、OJTがうまく機能していないと感じる会社も多いのではないでしょうか。会社によってはOJT担当者の業務がパンクしてしまっているケースもあります。OJTは人材教育において非常に重要です。重要だからこそOJT担当者に指導を丸投げするのではなく、職場全体で教育をサポートすることが大切です。例えば、日報へのフィードバックをOJT担当者だけでなく職場の上司や先輩が曜日ごとに担当すればOJT担当者の負担は減り、新入社員からすればOJT担当者以外の職場の人とのコミュニケーションも増えます。上司や人事からのOJT担当者へのサポートも人材育成のうえでは非常に重要です。

 

 

管理職・育成担当者教育の見直し

最近、ご依頼いただくことが増えているのが新入社員を受け入れるにあたっての管理職への研修や育成担当者・OJT担当者向けの研修です。大手企業であれば以前から取り組んでいた企業も多いかもしれませんが、中小企業ではあまり行われてこなかったのが育成担当者研修だと思います。これから実施を検討している方は、最近は研修会社もOJT担当者研修は力を入れているみたいなので、インターネットで検索して資料請求してみるといいでしょう。

先日のブログ「OJT担当者向け研修を行うときの5つのポイント」で気を付けるべきポイントについても書いていますので、是非参考にしてみてください。

 

私が管理職・育成担当者向けの研修を担当する中で、多くの方が苦手意識を持っているのは大きく以下の3つだと感じます。

 

・育成目標設定

・具体的な指導方法の策定

・新入社員へのフィードバック

 

育成目標を書いてもらうと「一人前にする」と書く方がけっこうな割合でいます。職場で一人前の定義があればいいのですが、ほとんどの場合一人前の定義もバラバラです。また「その目標にした理由は?」と聞くと答えられない方も多いです。本来、育成目標は会社の理念、中長期目標、今期目標、職場の目標などから設定されるべきなのですが、その考え方がすっぽり抜け落ちてしまっています。

 

育成目標があいまいだと具体的な指導方法もあいまいです。指導方法に「マニュアルをつかって教える」と書く方も多いのですが、私はそういう方々には研修で「『数Ⅱの教科書をつかって微分・積分を教える』と言っているのと同じですよ」とお伝えしています。実際のOJTは突発業務も多く、体系的に順序立てて教えるのが難しいですが、新人がつまずきやすいポイントや重要性の高い仕事、覚えるべき優先順位などを整理しておくだけでも具体的な指導案のレベルは格段に上がります。

 

新入社員へのフィードバックもみなさん苦手としています。フィードバックは座学でポイントを学ぶのも重要ですが、実践してみて自分のフィードバックのやり方について周囲からフィードバックを受けるのが上達への近道です。私が研修を行う場合はシミュレーションシートを用意し、二人一組でOJT担当役と新入社員役になってそれぞれフィードバックをしてもらいます。時間に余裕があれば三人一組にして一人は客観的にフィードバックを観察してもらい、後ほどOJT担当役にフィードバックしてもらうこともあります。

 

 

早期離職対策はPDCAを回し続けることが大切

 

若手社員の早期離職に悩んでいる会社は少なくないと思います。なかには早期離職以前に新卒採用がうまくいっていない会社もあるのではないでしょうか。

採用にしろ育成にしろ、人が関わる領域で必勝法はありません。愚直に少しずつPDCAサイクルを回し、自社に最適な方法を探すために今回の3つの視点で是非見直しをしてみてください。

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