インタビュー概要

2021年3月に大学卒業。男性。高校生の頃から、いわゆる大手企業への就職を志しており、理系科目が好きだったので理工学部で工学系の勉強をしていた。
新卒で大手重工メーカーにプラント設備管理職で入社するが、全国各地に展開するプラントへの転勤があり、転勤族としての働き方に馴染めないことを実感。最初の配属が地元から離れた現場になったことから、職場でも私生活でも頼れる人ができずに、休職に入ってしまった。その後、復職はしたものの、「迎え入れられている」ということを実感できずに、退職を決めた。
現在は地元に戻り、転勤がない企業に就職。1社目の企業えは何もできずに終わってしまったと考えているので、まずは社会人としての基礎作りに務めている。

退職者情報

職種プラント設備管理職
最終学歴私立大学
きっかけ転勤族と言われるような勤務形態
決め手休職から復職した際に「迎え入れられている」と実感しなかったこと

退職企業情報

業界重工メーカー
規模大企業
上場有無上場(プライム)

インタビュー

大手企業で働くことを志していた学生時代

インタビュー 野村
インタビュー 野村
本日はよろしくお願いいたします!まずは、学生時代のことを教えてください。
理系の科目が好きだったのと、就職を考えても理系の方が良いと思ったので、大学では理系の勉強をしようと考えていました。理工学部に進学して、工学系の勉強をしていました。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
大学進学前から就職について考えていたんですか?
はい、仕事のイメージはなかったのですが、大きい企業で働くことを考えていました。その中でも、理系の学びを活かした仕事ができたらいいなと考えていました。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
仕事をイメージして大学に進学したのは、計画性がありますね!併せて、就活の様子も聞かせてください。
周りが就活を始める3年生のタイミングで就活を始めましたが、インターンシップなどのイベントには参加しませんでした。入社した企業の他にも、『大手』と言われる企業を中心に受けていました。ほとんどが、名前を聞けばイメージできるような企業です。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
高校生の時に掲げていた「大手で働く」ということを徹底されていたんですね。どのような職種で受けていたのですか?
企業によって、受ける職種は違いました。ただ、理系で工学系の勉強をしていたので、大学での勉強が活かせる仕事を探していました。前職では、総合職で入社したのですが、プラント管理部門への配属となりました。
ご本人
ご本人

慣れない土地での生活によって精神的にふさぎ込む日々

インタビュー 野村
インタビュー 野村
前職に入社を決めた理由を教えてください。
大手の企業に関しては、入社した企業からしか内定をもらえませんでした。
滑り止めのようなイメージで受けた会社は他にあって、中小企業の2社から内定をもらっていましたが、大手に行こうと思っていたので意思決定はスムーズでした。入社の決め手は、とにかく『大手』ということです。
『大手』にこだわるのは、給与面、福利厚生、待遇面が優れていると思っているからです。それ以外の部分は、実際に働いてみないとわからないと思っていたので、気にしていませんでした。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
迷いなく大手企業への入社を決めたんですね。入社してから退職するまでの流れを教えてください!
2021年4月に入社して、2022年5月に会社を辞めています。退職理由が、精神的に参ってしまったということなので、正直なところ、休職に入った時から退職するまでの期間のことを詳しく覚えてないんです。覚えてる範囲での話になってしまいますが・・・。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
そうですよね・・・。思い出せる範囲、かつ、話せる範囲で大丈夫です。
ありがとうございます。入社後の研修は1ヶ月くらいありました。配属後は同期がそれぞれ全国の現場に行くことになるので、研修中は同期と交流する時間も多くありました。
しかし、プラントの設備管理部門での仕事は、転勤が非常に多くなるのと、転勤の範囲が全国であるということで、会社や仕事に馴染めないと考えるようになってしまいました。
また、地元から離れて現場宿舎に住む生活になったので、精神的にふさぎ込んでしまいました。入社して8ヶ月くらいが経った頃、仕事に行けなくなってしまい、休職という状態になってしまいました。病院に通って治療をしたことで、復職することはできたのですが、やはり行くのが困難な状況になり、退職に至りました。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
休職になった原因としては、環境に馴染めなかったことが大きかったんですね。
そうですね。全国転勤を受け入れられなかったということもありますが、上司の方も厳しい方で、人間関係でも良好な関係を構築することができませんでした。労務の方と話しながら、約2ヶ月間の休職を取得しました。休職せずに辞めることも選択できたのですが、自分の意思で入った会社なので、できることなら働き続けたいと思っていました。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
高校生の頃から大手企業で働きたいと思っていたので、早期で辞めるなんて思ってもいませんでしたよね・・・。配属先の年齢構成などを教えてください。
現場がプラントなので、50名くらいはいました。若い年齢層の社員も多くて、30~40代が最も多かったです。厳しい上司の方は部門長でした。直接マネジメントを受けることはほとんどありませんでしたが、見かけて挨拶をするくらいの中でも厳しさを感じていました。年齢の近い先輩も多かったので、自分が一歩踏み出していれば頼れたのかもしれません。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
その一歩の踏み出しが難しかったんですね。ちなみに、転勤はどのくらいの頻度で発生するものなんですか?
私は1個目の現場で退職を迎えることになりましたが、現場が終わるタイミングで転勤が発生します。私も入社後は、現場宿舎に入って過ごしていました。仕事でも私生活でも生活の距離は近かったのですが、なかなかコミュニケーションを取ることができませんでした。
ご本人
ご本人

人間関係で苦労したのは予想外だった

インタビュー 野村
インタビュー 野村
辞めることを考えるきっかけは勤務形態だったと思うんですが、決め手はどんな要素だったんですか?
決め手としては、自分が復職した時に思うように仕事ができてなかったことと、人間関係も良好にならなかったことが挙げられます。温かく迎え入れられてない雰囲気がありました。それは、言葉で直接的に出てくるものではなくて、雰囲気として感じたんです。その時に、「これ以上は無理だな」と思いました。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
インタビュー 野村
「ここに居ていいんだ」と感じられることは、非常に大事ですよね。ちなみに、どういう状況であれば辞めなかったと思いますか?
何かあれば気軽に頼れる、そんなコミュニティみたいな場所があれば良かったと思います。会社だけじゃなくて、私生活でもそのようなコミュニティを構築できたら、状況は変わっていたのかなと。実際は、ストレスを発散させたりコントロールできる場所が全くありませんでした。
職場だけでなく、休日でも頼れる友達がいない状況だったので、とてもしんどかったです。休みの日は何もすることがなくて、買い物に行くくらいでした。どういう行動を起こしたら良いのかわからず、今でも「当時の自分は何をしたら良かったのか?」ということを考えても、答えが出ません。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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確かに、私生活に頼れる友達がいたら状況は変わったかもしれないですね。前職に入社して良かったと思いますか?
個人的には、良かったとは言えません。『大手』という要素だけじゃなくて、働き方や労働環境を踏まえて入社すれば良かったと思いますが、入社前にそれらの要素を自分事として考えられたかどうかは、今でも疑問です。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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入社してからじゃないと体感できない要素はあるとして、就活の時にどういう視点を持てていれば良かったと思いますか?
自己分析を通して自分の性格は理解していたつもりでしたが、働いてみて初めてわかった性格もありました。それは、仕事をしてからじゃないと気付けない要素でした。仕事内容のデメリットも、働いてみての結果論だと思うので、学生時代に知っていたとしてもデメリットとして捉えていなかったと思います。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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そう考えると、実際に働いてみて感じることが多かったということですね。
そうですね。短期間で辞めたいと思って入社したわけではないので、実際に働いてみて、入社前では予想できなかったことが立て続けに起こった感じです。人間関係を構築する難しさは、とても予想外でした。学生時代の人間関係の作り方と、全然違った感じがしました。先輩方ともうまく話せなかったですし、何もハマらなかった印象があります。このような経験は、これまでの人生ではしたことがありませんでした。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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人間関係で会社を辞める人が多い時代ですが、人間関係で苦労しない人生を送っていたら、「働き始めてから苦労する」なんて思わないですもんね。どういう難しさがありましたか?
自分よりも社歴が長い人ばかりなので、付き合い方が難しかったです。話のキッカケの作り方と言いますか・・・。何もできない状況に耐えられず、辞めることになりました。人間関係の部分はとても苦労して、つらいことも多かったので、覚えていることが少ないというのが正直なところです。
ご本人
ご本人

新しい環境に馴染んで社会人のベースを作りたい

インタビュー 野村
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未来について少し聞かせてください!まずは、会社を辞めてからの歩みについて教えてください。
会社を辞めて3ヶ月間くらいは、何もしない空白の期間を設けました。その後、転職活動を再開して、今は、プラントで扱う部品を製造する会社で設計の仕事をしています。
大手企業ではないですが、転勤がある会社は自分に合わないと1社目で認識したので、転勤がない会社を選んで入社しました。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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1社目で認識したことを転職活動に活かしたんですね!どのように会社を探したんですか?
学生時代と同じで、求人媒体を使って受ける会社を探しました。転勤がないことと、家から通いやすい会社を選んで、選考に進みました。休職を経験しているということもあるので、落ち着いて通える環境を意識しました。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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お話を聞いていると、1社目の経験を通して自己理解が深まっているなと感じました。自分に合うような会社に転職されたと思いますが、今後の展望についても教えてください。
まずはコツコツと働いて、社会人として働き続けているという実績を作りたいです。それが、今の自分にできる唯一のことだと思っているので。1社目では何もできずに終わってしまい、挫折した感じがありました。何もしていないし、何もできていないので、社会人として働いていくというのが目標です。今は気持ち的にも精一杯ですし、それ以上のことは考えないようにしています。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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新しい職場で働き始めてから、ご自身で感じる変化はありますか?
以前と比較しても、前向きに会社に行けています。そして、社会人としてのベースも身に付いてきていると感じます。退職の決め手になった人間関係と勤務形態については、特に苦労することなく過ごせていますし、自分のペースの中で人とコミュニケーションを取りながら働いています。何よりも、地元に戻ったことが大きいです。私生活で頼る友人も多いので、今のところはストレスを感じることなく過ごせています。今の会社では、CADを使った仕事をしています。前職ではやっていなかった仕事ですが、CADは学生時代に扱っていたツールなので、問題なく馴染めていると思います。
ご本人
ご本人
インタビュー 野村
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私生活で頼れる友人が近くにいて、ストレスなく過ごせているのは仕事にも良い影響を与えますね!本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!