インタビュー概要

2017年3月早稲田大学卒業。男性。大学時代は地域おこしのボランティアサークルで活動していた。就職活動は当初から地方公務員一本で活動。公務員Ⅰ種で入職し公立高校の事務員に配属。チューターの「君は仕事から逃げすぎ」の一言で退職を決意。在職8か月。地方の団体職員を経て現在は無職。

退職者情報

職種地方公務員(学校事務)
最終学歴早稲田大学
きっかけOJT担当者との相性
決め手先輩社員の言葉

退職企業情報

業界公務員
規模
上場有無

インタビュー

インタビュアー
インタビュアー
まずは、学生時代について教えてください。
特に力を入れていたことはありますか?
地域おこしの活動を行うサークルに所属していました。実際に地方に行って、地方に住む人や子どもたちとも交流して、当時から地方に関わる仕事がしたいと思っていました。3年生の秋からダブルスクールで公務員試験の勉強をはじめました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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3年生の段階で公務員志望と決めていたんですね。そうすると、就職活動は公務員一本だったのでしょうか?それとも民間企業も受けましたか?
最初は国家公務員Ⅰ種も考えたのですが、勉強を始めたのが遅く、地域により身近な立場で仕事をしたいとも思い、地方公務員を第一志望にしました。地域に関わるなら公務員しかないと漠然と思い込んでいたことと、面接に自信がなかったこともあり民間企業は受けませんでした。今思うと消極的な選択での公務員志望でした。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
民間企業は受けなかったんですね。
公務員の試験は複数の自治体などを受けたのでしょうか?
関東の2つの自治体の公務員試験に合格しましたが、早く就職活動を終えたかったことや、都市としての規模の違いもあり、先に内々定をもらったところに決めました。今思うと周囲の雰囲気に流されて決断が揺らいでしまったかなとも思います。
ご本人
ご本人

配属先でのOJT担当者との相性は最悪

インタビュアー
インタビュアー
地方公務員も入職後に研修などはあるのでしょうか?
1週間くらい全体での集合研修が終わったあとは基本的に現場でのOJTで、時折集合研修がありました。自分の場合は公立高校の事務員だったので学校内での事務作業について先輩から教えてもらいました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
いわゆるOJTですね。
現場での指導はどのような内容だったか教えてください。
配属先では若手の先輩がチューターという形で新人一人ひとりにつくのですが、チューターとの相性が最悪でした。いわゆるワーカホリックの人だと思います。仕事のできる人でしたが、自分はそこまで飲み込みが早くないので、チューターのスピードにはついていけなくて、そのうち「できない奴」とレッテルを張られてしまったのだと思います。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
配属直後に「できない奴」のレッテルを張られると厳しいですね。

具体的な指導方法はどんなものでしたか?

 

指導の仕方も「俺は去年こうやったんだから、お前も同じやり方でやれ」と言われるのですが、処理能力が違うので同じやり方だとうまくいかないこともありました。

管理職は実務に疎かったので、私へのOJTはチューターに一任されていました。事務室での仕事は担当毎のタテ割りで業務量も多く、各人が自分のタスクに追われ、他の人を手伝う余裕もない状況でした。

ご本人
ご本人

頑張ろうと思った矢先の「君は仕事から逃げすぎ」で退職決意

インタビュアー
インタビュアー
OJTの段階でつらい状態だったと思うのですが、辞めようと思ったきっかけはなんでしたか?
覚えている限りだと二つあります。

一つは5月の末に大学の公務員志望の後輩に呼ばれて仕事のことを話した時、話していても全然楽しくなくて、「もしかしたら仕事を楽しめていないのかも」と思いました。

もう一つは、6月に『ちょっと今から仕事辞めてくる」という映画を見たときに号泣してしまったことです。そのときに地方移住前提で転職活動をしようと思いました。

ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
映画の内容がご自身と重なったのかもしれないですね。

退職を決意したときのことを教えてください。

10月に仮採用から本採用になり、管理職から叱咤激励を受け、気持ちを切り替えて仕事を頑張っていました。

その矢先にチューターから「君は仕事から逃げすぎ」と言われ、どれだけ頑張ってもここの期待には応えられないのだと感じ、辞めようと思いました。その出来事が金曜日だったので、翌週に上司に「辞めます」と伝えました。

ご本人
ご本人

公務員へのイメージと現実とのギャップ

インタビュアー
インタビュアー
実際に公務員として働いてみて、学生時代に抱いていたイメージとのギャップはありましたか?
就活生に説明していたり、見せたりしている世界と実際の現場はやはり違うと思います。例えば地方公務員でも他の地域と関われるし、国や海外との交流もあると説明会では言っていたけど、実際にはそうした華やかな仕事は全体のごく一部に過ぎず、業務も形式的で担当者の裁量はさほどありません。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
ギャップがあるのは民間企業も公務員も似た部分があるかもしれませんね。

退職してから今までの流れを教えていただいてもよろしいですか?

11月末に退職して、1か月間は無職でしたが翌年の1月から東北の地域振興を行う社団法人の団体職員として働きはじめました。

もともと地域振興はやりたいと思っていたし、地方移住前提の転職活動はしていました。ただ、その社団法人も半年で辞めました。社団法人では事業の企画・運営を担当するのが自分ともう一人の二人だったのですが、その人との相性が悪く、最後には仕事を回してもらえず無視されているような状態でした。

体調を崩し、適応障害と診断されて辞めました。今も心療内科への通院は続けています。

ご本人
ご本人

学生や就活生に伝えたい「本音を大切に」そして「冷静に」

インタビュアー
インタビュアー
今は一旦静養する期間ですね。

次にやってみたいことや、これからやってみたいことはありますか?

やはり地方に関わる仕事がしたいと思っているので、地域おこし協力隊に応募したいと思っています。大学のサークルの時に行っていた地域での協力隊です。随時募集をしている地域なので、すでに連絡も取っています。
1~2か月くらいの間に次の仕事を決めたいなと思っています。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
すでに行動を起こされているんですね。良い結果がでることを願っています。

早期離職に対して何か思うことはありますか?

個々の事情にもよりますが、企業・個人の両者にとって良いことではないと思います。

無理して続ける必要はないけれど、できるなら早期離職しない方が企業にとっても個人にとってもいいと思います。

企業にとっては採用や育成の費用が無駄になってしまうし、個人にとってはキャリアが積みあがっていかないので。

ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
キャリアという言葉が出ましたが、キャリア形成という観点で、学生時代の自分に今の自分から何か伝えるとしたら、何か伝えたいことはありますか?

一つは周囲に流されずに自分の本音を大切にしてほしいと思います。地方公務員の内定はもう一つ別のところからも出ていたのに、周囲の雰囲気に流されてしまったので。

もう一つは冷静になれということです。冷静になって視野を広げ、色々な情報を集めてから自分がどうしたいのか、どういう道に進めば良いのかを判断してほしいなと思います。

ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
「本音を大事に」と「冷静に」どちらも大切ですね。

最後の質問です。辞めたことを後悔することはありますか?

後悔は一切ないですね
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
後悔がないという言葉を聞けて少しホッとしました。

本日はありがとうございました。