インタビュー概要

私立大学の卒業。男性。法律を学びながら、アルバイトと趣味の旅行に熱中していた学生時代を過ごしていた。アルバイトの経験から、仕事を通してインセンティブをもらうことがやりがいに繋がり、社会人になってもインセンティブをもらえる仕事をしたいと思うようになった。
大手証券会社への就職を志していたが、うまくいかず、金融関係という繋がりから銀行に入社。コンプライアンス違反を経験したことが退職のきっかけになったが、企業体質が自身に合わなかったこともあり、退職。
現在は建設会社の人事として、採用業務に従事している。採用という仕事に自分が合うかわからないが、「まずは採用という仕事で成果を出していこう」と奮起している現状。

退職者情報

職種営業
最終学歴私立大学
きっかけコンプライアンス違反
決め手成果主義ではなく減点主義の風潮があったこと

退職企業情報

業界銀行
規模地方の大手
上場有無親会社が上場(プライム)

インタビュー

思うように進まなかった就職活動

インタビュアー
インタビュアー
本日はよろしくお願いいたします!まず、学生時代について聞かせてください。どのようなことに注力して過ごしていましたか?
大学では法律を専攻していて、アルバイトをしながら趣味の旅行に夢中になっていました。アルバイトは、クレジットカードの勧誘業務をやっていました。旅行に関しては、国内外問わず、食べるのも飲むのも好きなので、友人や彼女と一緒にいろいろな場所に行っていました。海外は4か国くらいに行って、特に国内旅行が好きだったので、北海道から沖縄まで各地を巡りました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
就職活動はどんな風に進めていたんですか?
元々は証券会社に行きたいと思っていました。営業職で給与水準が高く、インセンティブがあるとなると、身近にあったのが証券会社だったんです。ただ、証券会社の選考はうまくいかずに、希望している会社は全て落ちてしまいました。大手どころの証券会社は全部受けて、ネット証券も受けたんですが、うまくいかなかったですね。その後、金融業界という関連で銀行を受けており、ご縁があって地方銀行に内定を頂きました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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大手の地方銀行ということもあって、親御さんからすると一安心という気持ちだったのではないですか?
そうですね、親に報告した時は「良かったね」と言ってくれました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
インセンティブというのは、働く上で重視したい要素だったんですか?
学生の特に、インセンティブがあるアルバイトと、インセンティブがないアルバイトをやっていたんです。その中で、インセンティブがあるアルバイトの方が楽しさを感じながら働けていたので、社会人として働く上でも重視したいなと思いました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
勝手なイメージですが、証券会社よりも銀行の方が選考の難易度が高い気がするのですが、証券会社を受けていて合わなかった感覚などはありましたか?
面接官の方からすると、私のタイプは違うと思われることがあったんだと思います。選考を進むに連れて、パーソナリティな部分も深掘りされましたし、そこで「合わない」と判断されたんだろうなと。思い当たる節はありますね。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
ちなみに・・・、『思い当たる節』について、話せる範囲で大丈夫なので教えていただけますか?
例えば、「チームワークが得意です」という話をした時に、いくつかエピソードを準備しておいたんですけど、「他には?」「他には?」「他には?」と違うエピソードを求められて、詰まってしまうことがありました。あとは、「会社としてはこういう人材を求めてるんだけど、エピソードある?」と問われた時に、話すエピソードがなかったのも落ちた要因かなと思います。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
入社した銀行の選考ではそんなことはなかったんですね。
そうですね、そこまで深掘りされることもなく、内定を頂けました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
インターンシップには参加されたんですか?
入社した銀行のインターンシップには参加しましたし、各社証券会社のインターンシップにも参加しました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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インターンシップの時点で証券会社や銀行などの金融系の会社に絞っていたんでね。
おっしゃる通りです。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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インターンシップにもいろいろ種類があったと思うのですが、どのようなインターンシップに参加されたんですか?
一番長かったもので言うと、入社した銀行のインターンシップで、2泊3日のプログラムでした。それ以外はほとんどがワンデーのインターンシップでした。2泊3日のインターンシップは、その銀行の研修センターで実施されたものでした。泊まりのインターンシップなんて、ビックリしましたね。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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どんなことをやったんですか?
支店訪問や取引先訪問のコンテンツをやった後に、メインのコンテンツとしてロープレを実施しました。「もしあなたが銀行員だったら、この中小企業にどう営業するのか?」というロープレを、4~5人のグループで考えるという内容で、実務に関わる本格的な内容だったと記憶しています。
ご本人
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インタビュアー
インタビュアー
他の地方銀行の選考は受けたんですか?
インターンシップには参加したのですが、本選考にはエントリーしませんでした。
ご本人
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妥協で決めた一社目への入社

インタビュアー
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そうなんですね。他の会社にも内定をもらっていた状況の中で、入社の決め手はどんな要素だったんですか?
就活を進める中で、「証券会社に行くならココかココかココか」という感じでピックアップしていたのですが、全て落ちてしまいました。そのタイミングで、入社した銀行から内定をもらったので、給与水準や休日数を踏まえたり、四季報などで平均年収なども確認した上で、他の証券会社も良いけど銀行に入ってみようかなと思いました。個人的には、妥協で決めた感覚でした。「ずっとこの会社にいるわけではないから、一旦は銀行に入社してみようかな」と思ったのが正直なところです。本当は良くないんですけど、転職を視野に入れながらの就活だったので。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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転職を視野に入れているというのは、希望している証券会社を受けている時からそうだったんですか?
いえ、第一志望群の証券会社に落ちた後に就活の軸がブレてしまって、「条件が良ければどこでもいいかな」「嫌になったら辞めればいいし」と思うようになりました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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入社前には研修はあったんですか?
ありました。銀行なので、入社後に資格を取得しないといけなかったんです。受検のタイミングは4月1日以降でしたが、2月とか3月の入社前の時点で、資格の勉強法などの指導がありました。
ご本人
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インタビュアー
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銀行は資格を取得しないといけないですもんね。
そうですね、それは銀行ならではですよね。
ご本人
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インタビュアー
インタビュアー
入社式の直前にコロナが広まったと思うんですが、入社後の研修などはオンラインだったんですか?
本来であればグループ会社が全て集まって、合同の入社式をやる予定だったのですが、会社ごとで会場に集まり、リモートで繋ぐハイブリッド式で入社式をやりました。入社後の支店での業務は出社でしたが、研修はリモートで実施していました。
ご本人
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インタビュアー
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銀行は結構ガッツリと研修を実施するイメージがありますが・・・
配属自体はゴールデンウイークの後でしたね。ゴールデンウイーク前に配属が決まって、一度挨拶をして、ゴールデンウイークが明けたら配属先に出社するという流れでした。研修の最初はビジネスマナーで、手書きの手紙の書き方やお金の数え方から始めました。銀行グループの概要、融資業務の解説とロープレには最も時間をかけていて、地域性の違いも学びました。研修はオンラインだったので、お金の数え方に関しては紙が送られてきて、指裁きなどは自宅で練習していました。オンラインに慣れていなかったので、戸惑いながら研修を受けていましたね。
ご本人
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インタビュアー
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配属されてからの業務内容について教えてください。
融資などの営業配属だったので、支店で事務業務を覚えつつ、6月からは先輩に同行して営業をスタートさせました。営業先としては製造業が多かったですね。子会社の証券会社があったので、「投資信託をうちの子会社で買いませんか?」という営業も主力業務としてやっていました。
ご本人
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インタビュアー
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先輩への同行が6月から始まって、どれくらいの期間で担当を持つようになったんですか?
9月上旬くらいからは、1人で営業先に行くようになりました。「1年目は先輩についていく」という会社の方針があったのですが、支店の方針で早めに担当を持つことになりました。会社的には数字目標を与えられるタイミングではなかったのですが、支店としては早めに担当を持たせる方針だったので、数字目標も与えられていました。
ご本人
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インタビュアー
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支店によって方針が違ったんですね。
そうですね、方針は支店によってバラバラでしたね。
ご本人
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インタビュアー
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残業時間とかはどうでしたか?
1年目の残業は月に10時間くらいで、少ないと思っていたんですが、2年目以降は月に30時間を超えないくらいでした。「30時間を超えてはいけない」というルールがあったので、正式な時間では30時間を超えていなかったですが、実際はほぼ毎月、30時間以上の残業をしていました。いつも20時くらいまで残っていましたが、土日出勤は一度もなかったですし、「〇曜日は定時に帰りましょう」という週もあったので、その日は定時で帰っていました。
ご本人
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優先したい条件にこだわった転職活動

インタビュアー
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2年5ヶ月くらい務めていたと思うのですが、退職のキッカケはどんなものだったんですか?
コンプライアンス違反をしてしまったんです。法令に沿っていくと、書類をもらってからでないと提案してはいけないものを、書類をもらわずに提案してしまったんです。お客様からの電話問い合わせの履歴は全部残るので、「この内容をなんでお客様が知ってるの?」ということになってしまいました。お客様に損があるわけではないので、自分としてはそこまで重要ではないと思っていたのですが、一度そういうことをやってしまうと、先輩・上司・人事の目が厳しくなっていくんですよね。やってはいけないことをやったのは自分なのですが、プラスを評価する会社・業界ではなくて、マイナスを見ていく会社・業界だと感じました。なので、自分としては「ここに居続けるのは厳しいな」と思ってしまったんです。
ご本人
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インタビュアー
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コンプライアンス違反が発覚してからの流れを教えていただけますか?
懲戒処分に至ることはなかったのですが、自分の判断で退職を決めました。コンプライアンス違反をしてしまったのが3月頃で、退職したのが8月頃です。コンプライアンス違反をしてから1週間くらいはきつかったですが、人事異動もあって、「周りからの目が多少厳しくなったかな」という程度の感覚でした。そこまでひどい扱いを受けたわけではないです。
ご本人
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インタビュアー
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退職の決め手は何だったんですか?
転職先が見つかったことと、元々モチベーションが高かったわけじゃなかったので、成果主義よりもマイナスがないことを良しとする風潮が嫌だなと思っていたのが爆発した感じです。それが、8月のタイミングだったということです。
ご本人
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インタビュアー
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転職活動はいつから始めたんですか?
6月くらいからです。YouTube広告経由で、マイナビ転職とかに登録し始めました。コンプライアンス違反に対して反省はしていましたし、その時は「絶対に転職する」という気持ちではなかったので、軽い気持ちで転職サイトに登録して転職活動をしていました。
ご本人
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インタビュアー
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どんな会社を転職先として考えていたんですか?
証券会社をメインで受けていたんですけど、人事評価の話を聞いていくと、成果主義だけでなく減点主義の風潮もあるというのは人事の方との話で感じたので、証券会社に対する意志も弱くなっていきました。最終的には給料を優先して、県内の企業を探していました。最も優先した条件は給料で、休みの条件や他のどんな条件よりも、給料を優先して探していました。
ご本人
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インタビュアー
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その条件で決めたのが、建設業界の人事だったんですね。
地元の中では結構大きい建設業の会社です。経営者の方と話した時に、「残業し放題で残業代は全部出す」と言われました。人手不足の状況だったので、「人をたくさん採用してくれるんだったらたくさんお金を払うよ」という話もありました。社員の方と話していても、残業代は全部払ってもらえることは確信できましたし、400万円後半から500万円くらいまではもらえると思ったので、この会社に決めました。人事は未経験でしたが、過信というか、「自分ならいける」と思っていましたね。ただ、その過信が前職ではコンプライアンス違反に繋がったんだと思ってるので、それは良くないところだと思ってます。
ご本人
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インタビュアー
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コンプライアンス違反がなかったら辞めてなかったですか?
コンプライアンス違反がなくても、1~2年で辞めていたと思います。働いてもインセンティブがないので、どこかのタイミングで切れていたかなと思います。営業成績が良くてもボーナスが上がるわけではないので。営業成績は同期の中では毎月上位にいましたけど、給料は年齢のテーブルによって決まってましたし、営業成績が良くても悪くても1万円くらいしか変わらない状況でしたね。
ご本人
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インタビュアー
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興味本位なのですが、そこまでインセンティブにこだわったり、若いうちから金銭面にこだわる理由を教えてもらってもいいですか?
学生時代にバイトで成果を出してたくさん収入を得ていたにも関わらず、稼ぐ以上にお金をたくさん使ってたので、お金がない状況が続いていたという経験があったのが理由だと思っています。幼い頃からお金をほしいと思っていましたが、頭が良くてプログラミングができるとかではなかったので、「自分の能力で一番稼げるのは何か?」ということを考えると、「営業としてインセンティブをもらえるようになるしかない」という結論に至りました。
ご本人
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インタビュアー
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そう思うようになった背景とか、何か思い当たる節はありますか?
父親が会社の経営者なので、家庭としては裕福な部類だったと思います。自分が大人になったら、自分の子どもには自分と同じくらい自由な暮らしをさせたいと思っていました。にも関わらず、自分の現在の収入が300万円とかだったので、理想と現実のギャップを感じるようになりました。なので、もっと稼げる環境に行こうと決意しました。稼がないと、親に投資してもらった分が申し訳ないですから。
ご本人
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インタビュアー
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銀行時代に「この人優秀だな」という先輩や上司はいましたか?
30歳くらいの男性の先輩で、すごい尊敬できる方がいました。知識量が豊富で、感じも良く臨機応変にお客様に合った対応をしている姿を間近で見ていたということもあり、とても尊敬していました。ただ、その先輩も若い方にコンプライアンス違反をしていて、同じ年代の中では評価は低かったみたいです。そういうところにも、企業体質が出ていたと思います。成績も優秀だったんですけどね。
ご本人
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インタビュアー
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辞めるときに誰かに相談しましたか?
グループ会社の証券会社で仲の良い先輩がいたので、その方に相談をしました。辞めることを話したら、先輩は笑顔で「いいじゃん」と言ってくれました。私のことをよく理解してくれている先輩だったので、自分の決断を尊重してくれました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
最後に、今後の展望を聞かせてください!
今は採用をやっていますが、めちゃくちゃ採用できているわけではないので、この仕事が向いているのか向いていないのかもわからない状態です。最低でも4~5年くらいは働いてみて、その後にどうするかを考えようと思っています。まずはこの会社で、採用の仕事を頑張ろうという状態です。仕事と別に、投資もしているので、不労所得を得ながら仕事をしながら会社で出世していければいいなと思っています。営業の仕事とか『働くこと』は好きなので、仕事を辞めたいとは思ってないです。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
ありがとうございました!非常に良い話が聞けました。