インタビュー概要

2022年3月地方私立大学卒業。男性。学生時代は学内のイベント活動に力を入れており、アルバイトでも複数の環境で多様な仕事を経験。
新卒で自動車部品を販売する商社の営業職として入社するが、入社前後の会社との関わりの中で、本社と営業所の連携が取れていないことを実感。このまま働いていると健康面に影響が出てくると思い、退職を決めた。現在は、親戚の会社を手伝いつつ、クラウドソーシングの仕事を受けながら、転職活動を進めている。

退職者情報

職種営業職
最終学歴地方の私立大学
きっかけ休憩中にやらなければならない仕事があったり、ハラスメントに該当するような発言があったりしたこと
決め手人事との面談を通して、本社と営業所が連携できていないことを確信したため

退職企業情報

業界小売業界
規模中小企業
上場有無非上場

インタビュー

学内活動とアルバイトで充実した大学時代

インタビュアー
インタビュアー
本日はよろしくお願いいたします。まずは、学生時代のことを教えてください。
とりあえず、留年しないことを目標に過ごしていました。あとは、大学のイベントスタッフとしてどんどん活動をしていこうと思っていました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
大学のイベントというのは、オープンキャンパスなどでしょうか?
そうですね、そういうのもありますし、地域交流にもつながっていた大学特有のコンサートイベントがあって、そのイベントの総合リーダーとしても活動していました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
なるほど。留年しないということを掲げながらも、大学のイベントには積極的に参加されていたということで、主体的に活動されていた学生生活だったんですね。
私は地域創生学生という立場で推薦入学しました。その地域を盛り上げていく立場の学生として入学したからには、何か一個でも地域のためにやり遂げたいという想いがあったので、主体的に参加していました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
アルバイトはどのようなことをやっていたのですか?
アルバイトは自分なりの考えを持ってやっていました。
大学4年間同じアルバイトという人もいると思いますし、2年間くらいで変える人もいると思うんですけど、私は半年から1年間という比較的短いスパンで働くことを面接の時から話して雇用してもらっていました。アパレルやファミレスでの接客、学校のプールでの水道工事の仕事、バスケットボールチームのコーチもやりました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
いろいろなアルバイトを経験されていたんですね。大学のイベントスタッフをやりながら、アルバイトも短いスパンでいろいろやっていくとなると、大学生活は充実していたような印象を受けます。
はい、ほどよく学生なりに遊びながら、「学生時代に頑張ってきたことはなんですか?」と聞かれても答えられるようなことはやってきたと思っています。
ご本人
ご本人

就職活動では地元で営業職を探していた

インタビュアー
インタビュアー
就職活動について教えてください。どういう業界に行きたいなどの考えはありましたか?
ぶっちゃけなかったです。ただ、コミュニケーション能力は優れていると自信があったので、どの業界に行ったとしても、スタートダッシュでコミュニケーション絡みでつまずくことはないだろうと思っていました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
就職活動の進め方はいろいろな形があると思いますが、どのような条件を掲げて進めていましたか?
これに関しては、細かくお伝えすることができます。
まずは、住んでいる県で働けることです。家族の関係で借金もあり、県外に出てしまうと返金のメドが立たなくなってしまうと考えました。それに加えて、家族のことを大切にしたいという考えもあったので、通勤時間を「自宅から1時間圏内」と絞り込み、会社を探していました。
当時は視野が狭くて、「文系でコミュニケーション能力を活かすとしたら営業職なのかな」と思い、就職活動をしていました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
「文系でコミュニケーション能力を活かすとしたら営業職なのかな」というのは、わかりやすい絞り込み方ですよね。営業職であれば比較的多くの会社が候補になったと思うのですが、入社された会社以外にも受けていた会社があれば教えてください。
営業以外の仕事は受けていませんでした。不動産会社の営業職にも内定をもらっていたのですが、平日休みという条件が自分の望むものではなかったので、内定を辞退しました。
あとは、業務改善事業をやっている会社の説明を受けましたが、「今年は新卒採用しません」ということを言われたので、選考に進むことができませんでした。3社目で前職の会社を受けました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
数十社の会社を受ける学生もいる中で、受けたのは3社のみという認識で合っていますか?
そうですね、少なかったと思います。合同説明会にも行きましたし、地元では比較的大きい会社の説明も聞いたのですが、企業理念には響きませんでした。その時に前職の会社と出会い、企業理念にも共感したので、「ここに受かったらここにしよう」と決めていました。
私自身も就職活動では何十社も受けると思っていたので、比較的スムーズに進んだのかなと思っています。
選考には進まなくても、就職活動では多くの会社説明を聴いていました。オンラインの良いところでもあり悪いところでもあると思うのですが、企業側の話ベースで進むので、何社の説明を聞いたか覚えていないくらいの会社説明を聞きました。広く情報を集めた上でエントリーしたのは3社で、前職の会社から比較的早めに内定をもらえたので、そこに決めたという流れです。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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多くの会社説明を聞けたのは、コロナ禍の就職活動ならではですね。入社の決め手はありましたか?
決め手はありました。
県内で営業職として働けることと、企業理念に共感していたことに加えて、新卒を今年から採用し始めるということでしたのでなおさら「頑張りたい」という気持ちがありました。
1期生として入社して、成長した上で次に入ってくる新入社員の子に優しい先輩として寄り添ってあげられたら良いなと思っていました。社会人生活は不安もありますから。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
就職活動の開始時期と、内定をもらった時期について教えてください。
4年生の4月から就職活動を初めて、夏から秋にかけての時期に内定をもらいました。「就職活動は4年生になってから始める」という考えがあったので、一般的な解禁時期より前には活動をしていませんでした。今思うと、もったいないことをしたなと思います。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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そうすると、就活を始めて2~3ヶ月くらいで入社する会社が決まったということですね。同期は何人くらいいたのですか?入社前の研修はありましたか?
全部で5人いて、1人が事務職でした。入社前の研修もありました。社内で使っているソフトなどの説明があったり、パートナー企業が実施する研修があったりしましたが、業務に関する研修はありませんでした。
8月くらいから研修が始まり、月1回くらいのペースで対面の集合研修をやっていました。1月に実施した最後の研修では、配属先を決める1対1の面談がありました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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なるほど。配属先を知ったタイミングはいつだったのですか?
入社式の前日でした。営業所の所長から電話があって、「明日からうちの営業所だけど知ってる?」という話がありました。
本来は入社式のタイミングで配属先を知るという流れだったのですが、入社式のことを所長が把握していなかったこともあり、私には前日に所長から電話が来たんです。この段階で、本社と営業所で連携が取れていないのかもしれないということを感じていました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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入社後の研修はどのようなものでしたか?
営業所への出勤と本社への出勤で最初の1週間が過ぎました。
本社での研修では実務に関わる研修を実施していましたが、営業所では研修体制が整っておらず、配属初日には事務員の方に営業所内の説明を受けたり、他の人の業務を見ながら「何かやらせていただけませんか?」という声掛けをしていました。配属2日目には、営業所の所長からピッキングの仕事を任されました。ちなみに、辞めるまでの期間で営業の先輩に同行するなどの仕事はありませんでした。
ご本人
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辞めようと思ったキッカケは休憩時間に仕事があったこと

インタビュアー
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辞めようと思ったキッカケの話を教えてください。
営業所配属2日目の昼休みに、会社を辞めたキッカケになる出来事がありました。
12時から50分間がお昼休憩なのですが、12時30分になったらお得意様のところにパーツを取りに行くという仕事もやっていました。お昼休みにやらなければならない仕事があるということで、労基違反じゃないかということを考えていました。
先輩にも「休憩時間が取れてないですよね?」という話をしたら、「運転中が休憩中みたいなものだからね」と言われて、仕事の価値観が違うなと思いました。それに加えて、ハラスメントに該当するような発言もあったので、辞めようと思いました。
ご本人
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インタビュアー
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今の話が辞めるキッカケだったと思うのですが、辞める決め手はどのようなものだったのですか?
決め手は明確にあります。
社長の弟さんが人事をやられていて、新卒のフォローも担っていました。本社研修の時、その方に「お話があります」と声を掛けて、「休憩が取れていません」という話をしました。まず言われたのは、「休憩を取っていいよ」ということでした。前々から営業所には「それはダメだよ」という話をしているようだったのですが、改善されていないという事実が判明しました。
入社前に所長から電話があった件と今回の件が重なり、「本社と営業所の連携が取れてないんだな」と確信しました。
営業所の人員もギリギリでしたし、先輩たちは愚痴しか話さないので、「この会社にずっと居続けていいのかな?」と考えていましたが、人事の方とのこの面談が決め手になりました。
ご本人
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母に相談して、入社1週間目の土日で退職を決意

インタビュアー
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辞めるとなると、収入の部分も気になると思うのですが。周りの方には相談しましたか?
今の悩みは社会人として普通のことなのかどうかもわからなかったので、独断での判断はマズいと思い、母に相談しました。母は「それは当たり前かもしれないけど、休憩中に仕事をするのは労基違反だね」ということを教えてくれました。
追加で母から言われたのは、「うつになる前には辞めなさい」ということです。辞めた後に母から、「あのまま働いていてもうつ病になっていたと思うから、そうなる前には辞めさせようと思っていた」という話を聞きました。
母との相談を経て、人事には「すぐに辞めます」という言い方ではなく、「辞めようと考えています」という言い方で相談しました。会社の規則として、辞める1ヶ月前に言わないといけないということは理解していたので。
ただ、人事からは「今すぐ辞めてもいいよ」と言われました。「土日でちょっと考えます」と伝えて、週明けに辞めるという話をしました。会社を辞めたのは、入社して2週間目のことでした。
ご本人
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インタビュアー
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辞めることに対する不安はありましたか?
辞めると決めた時は、切り替えようという気持ちだったので不安はありませんでした。入社先はまだあるだろうと思っていましたし、背負っているものもあるので、転職活動してすぐに働こうと思っていました。
ただ、今思うと浅はかな決断だったなと思いますし、後悔が残っています。
ご本人
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早期離職がネックとなって体調を崩すが、母の支えもあって転職活動を再開

インタビュアー
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辞めてから現在に至るまでの流れを教えてください。
会社を辞めた4月から6月の上旬までは、意欲的に転職活動をしていました。
ただ、6月半ばで心が折れました。理由は明確で、11日間で前職を辞めたというのがネックとなり、面接まで進むことができなかったんです。就職サイトを見ていると気分が悪くなる日が続きましたし、アニメやゲームが好きだったのですが、全然楽しいと思えなくなりました。この状態が7月半ばまで続き、自分の状態がダメだと認識したので、このタイミングで母に相談しました。
これを機に親戚のところで働き始めて、クラウドソーシングの仕事も社会復帰の一環としてやり始めました。
今は特に、インタビューのような仕事を受けさせてもらっています。8月頃から、改めて転職活動を始めています。意欲的に転職活動をしていた6月までは営業職で探していましたが、母から「視野が狭い」と言われて、他の仕事もあるということを学びました。母が製造系で働いているのもあって、今は製造系の仕事を探しています。
ご本人
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インタビュアー
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精神的につらい日々でしたね。今後の展望や目標について教えてください。
短期的にはまず、再就職をすることが目標です。趣味で植物を育てているのですが、メルカリで良い値段で取引されていることを知りました。長期的には、育てた植物を販売することも考えていまして、副業的な感じでやりたいです。
あとは、30代前半までには借金を返済したいです。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
11日間で会社を辞めたというのは不利になってしまうので、そこは乗り越えないといけないと思いますが、面接でしっかりと説明すれば、わかってくれる会社はあると思います。最後に、早期離職に対しての印象や思うことを教えてください。
今は上の世代が若い人に合わせようとしてくれていますが、会社自体は変わっていないことが多いなと思います。すごいブラック企業ではなくて、ゆるいブラック企業が多い気がします。
たとえば、仕事は楽だけど休憩時間が守られていないなど。そこを解消しないと、本社はしっかりしているけど営業所はダメというケースはなくならないと思います。会社のローカルルールなどは見直した方がいいなと思っています。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました!