インタビュー概要

2022年4月入社。国学院大学卒。以前から憧れていた航空業界がコロナの影響で採用中止になったため、自分の人生で関わりの深い企業を中心に就職活動を行ない、大手総合エンタメ企業に就職。しかし、人間関係がうまくいかず体調を崩す。会社を休んでいた時期に、複数のエアラインが採用を再開することを知り退職を決意。現在は、航空業界への転職活動を続けている。

退職者情報

職種エンタメ業界 総合職
最終学歴国学院大学卒
きっかけいつも怒っている先輩社員のパワハラ、新人の教育体制が整っていなかったこと
決め手複数のエアラインが採用を再開し、転職活動を行なうために退職を決意

退職企業情報

業界総合エンタメ企業
規模大規模
上場有無上場

インタビュー

コロナの影響で航空業界が採用中止に。教育系のアルバイトを始める

インタビュアー
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本日はよろしくお願いいたします!
まず、学生時代はどのように過ごしていたか教えてください。
もともと航空業界を目指していたので、大学内での業界研究イベントに参加したりしていました。でも2年生の時にコロナが流行りだし、1つ上の先輩たちは採用中止になってしまいました。覚悟はしていましたが、自分たちの学年も採用はありませんでした。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
コロナが流行りだして大変でしたね…。
そうですね。そこで、子どもと接するのが好きなので、3年生から塾講師のアルバイトを始めてみました。不登校や身体的理由で学校に通えない子どもたちを受け持ち、そこでいろいろ勉強させてもらいました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
航空業界への就職を目指していた頃は、スクールに通って勉強していたのでしょうか?
3年生から参加できるエアラインスクールが大学内にあるんですが、コロナの影響でなくなってしまいました。なので、学生時代は学内の研究イベントのみですね。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
大学内の業界研究イベントは1年から参加していたんですか?
学校の就職支援が手厚かったので、1年生から就活したいと言えば、学校側はサポートしてくれる環境にありました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
たしかに国学院大学は就職支援が手厚いイメージがありますね。
ゼミや勉強面はどうでしたか?
英語が好きだったので、海外の法律を勉強するゼミに所属していたのと、航空業界はTOEIC600点が応募基準だったので795点まではとりました。
ご本人
ご本人

「入りたいです!」と熱意を伝えられる企業を中心に就活を行なう

インタビュアー
インタビュアー
ありがとうございます。
就職活動はどんな風に進めましたか?
本格的に始めたのは3年生の10月頃です。それまでもインターンの応募はしていましたが、大手ばかりに応募していたのでダメでした。10月頃に航空業界の22卒採用がないと正式発表があったので、別の業界に目を向けようと気持ちを切り替えて行動を始めました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
そうだったんですね。
インターンにはまったく参加できなかったのでしょうか?
3年生の2月に空港のオンラインインターンに1Dayで参加しましたが、オンラインだったこともあり、ほとんど説明会のような形で、とくに何かすることはありませんでした。インターンはこの一社だけですね。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
就職活動をするにあたり、どんな軸で業界を選んでいましたか?
業界を絞っていたわけではなく、自分の人生で関わりが深かった企業を選びました。志望動機を語るときに、嘘くさいものよりも、思い入れがあって「入りたいです!」と熱意を伝えられる企業を中心に受けていました。
ご本人
ご本人
たとえば、

  • 旅行や通学で使っている鉄道会社
  • 家族と長く乗っている自動車メーカー
  • 子どもの頃から馴染みのあるゲーム会社
  • 好きなアーティストがいた音楽レーベル

などですね。

ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
そうだったんですね。
エントリーシートは、何社くらい出したのでしょうか?
20社弱だったと思います。緊急事態宣言が出ていた時期なので、面接はほぼオンラインで、最終面接だけリアルでした。
内定をもらったのは、自動車メーカーの営業職と総合エンタメ企業です。自動車メーカーの営業職は、全国転勤があるのと、給料面も考えると難しいと感じました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
総合エンタメ企業への入社を決めた理由はなんだったんですか?
面接のときから「本当は航空業界に行きたかった」と伝えていたのに、内定をいただけたからです。この会社なら、自分が嘘をつかずにいられると思い入社を決めました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
ということは「本当は航空業界に行きたかった」と伝えられない会社もあったのでしょうか?
交通インフラ系の会社では、航空業界に行きたかったと言えない雰囲気がありましたね。
たとえば、鉄道業界では「うちの会社では英語使わないのに、なんでこんなにTOEICの点数が高いの?」と聞かれたりしました…。
ご本人
ご本人

入社直後に研修なしで配属!新人教育も微妙だった

インタビュアー
インタビュアー
なるほど、ありがとうございます。
続いて、入社前の研修内容について教えてください。
入社前の研修は毎月1回、ほぼ1日オンラインで行ないました。10月までは内定式も含めてすべてオンラインで、11月にリアルで内定証明をもらうイベントがありました。
本来はそのあと2月頃に宿泊研修の予定があったんですが、コロナの影響で4日間のオンライン研修になってしまいました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
入社後の研修はどんな内容でしたか?
研修はなくて4月1日から配属され、配属先で業務を教えてもらう感じでした。そのあと、6月と9月に同期で集まる宿泊研修がありました。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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入社していきなりの配属は、なかなかハードですね…。
そうですね。最初の3ヶ月は研修のイメージがあったので、うまくできるか不安でした。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
続いて、配属後の仕事内容を教えてください。
著作権管理を行なう子会社への配属でした。
主な業務内容は著作権の管理団体との契約関係などが中心でした。イメージとしてはザ・バックオフィスという感じですね。
ご本人
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インタビュアー
インタビュアー
配属先の希望は事前に聞かれたのでしょうか?
配属については、面接時に聞かれたり、研修での適正を見たりして面談での意思確認で最終的に決まった感じですね。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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配属は希望通りでしたか?
法学部出身なので法律関係の仕事をしたいと希望はしていたので、希望通りと言えばそうなんですが、想定していた業務内容とはかなりギャップがありました。
法律関係といえば、知的財産や契約関係など、企業法務にガッツリ携われると思っていました…。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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思ったような業務内容ではなかったんですね…。OJTはありましたか?
まったくなかったです。それまでその部署に新卒で配属されることがほぼなくて、中途の人が大半でした。そのため「なんでできないの?」という、周りからの雰囲気を強く感じました。先輩たちも「一度教えたらできるよね」という感じで、新人教育に慣れている感じではありませんでした。
ご本人
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インタビュアー
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休みや出勤時間など、どんな働き方だったのですか?
完全フレックスで朝が早いことはありませんでしたが、「〇時までには来るように」と時間にうるさい部署でした。退社時には「先輩が仕事をしていたら残ってね」という雰囲気もあり、なかなか帰りづらかったですね。また時期によっては、終電で帰ったり土日に出勤したりすることもありました。
それでも私の部署はまだ良い方で、別の部署に配属された同期は20連勤が当たり前みたいなこともあったみたいです。会社全体として、休みが少ないのかなと思います。
ご本人
ご本人

人間関係の悪さがきっかけで5月頃から退職を考えるようになる

インタビュアー
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かなり忙しい企業だったんんですね。
それでは、退職を考えたきっかけを教えてください。
退職のきっかけは、部署内の「何をするにも常に怒っているような感じの厳しい先輩」です。30代前半で部署内では若い方でした。自分の感情を押し付け、やってないことを「やった」と言って、ミスを押し付けられたこともあります。適切な指導ならわかるんですけどね…。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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それは結構キツいですね。
何月頃から辞めたいと感じ始めたのでしょうか?
5月の頭くらいですね。私は仕事のために出勤しているのに、先輩の機嫌をとるために出勤しているような感じで…。
ほかの先輩に相談しても「あの人はそういう人だから」と取り合ってくれない状態ですし、結局パワハラ的なことが10月まで悪化し続けていました。
ご本人
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インタビュアー
インタビュアー
きっかけは人間関係の悪さだったんですね。
ほかに何かありますか?
同期は「これがやりたい!」という明確な目標があって、一生懸命頑張っているのに、自分は何をやりたいという明確なものがないと感じました。気が付くと「航空業界に行きたいな」と思っていました。
ご本人
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インタビュアー
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そうだったんですね…。
会社を退職するまで、出社し続けていたんですか?
10月後半に例の先輩と揉めて午後休で帰ったのですが、それ以降仕事に行きづらくて出社できなくなりました。11月頃に会社から心療内科を紹介されて、適応障害の診断が出ました。その後はまったく出社していません。
その頃は体にも影響が出ていて、食欲不振や全身じんましん、腹痛など、行きたい気持ちになれませんでした。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
精神的にかなり参っていたようですね…。
例の先輩以外の人間関係はいかがでしたか?
各部署にメンター制度があり、私のメンターの先輩は怒ったりはせず、「気にしすぎなくていいよ」といい意味で適当な感じの人でした。ただ、他の先輩からは「新人なんだからもっと気を遣ってね」と言われることが多かったです。
仕事をするので精一杯でしたし、自分なりに気を遣っているつもりでしたが、何をどうすれば良いのかわかりませんでした
ご本人
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インタビュアー
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お話を聞いていると、先輩たちに教えてもらう機会がとても少なかったような印象を受けるんですが、その辺はどうでしょうか?
そうですね。失敗するとかなり怒られるのに、やり方を聞くとそれはそれで怒られるような状態でした。「自分で考えてね」とか、初めてのことも「どうして自分でやってみないの?」とか言われていました。
先輩からの要求が多く、自分からはなかなか相談しづらかったですね。私の1歳上の先輩も適応障害で部署異動をしています。
ご本人
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休職中に航空会社が採用再開することを知り退社を決意

インタビュアー
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新入教育の体制が整っていない部署だったんですね。
それでは、退職の決め手は何だったのでしょうか?
11月頭までは部署異動を希望していましたが、11月後半に航空会社が採用再開すると知り、とりあえず受けてみようと思いました。その後、大手エアラインも採用を再開したので、休んでいるタイミングで応募できるのはチャンスだなと。選考に集中するために、まずは一旦辞めてみようと思いました。
ご本人
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インタビュアー
インタビュアー
ありがとうございます。
退職するまでの流れを具体的に教えてください。
会社の保健師の人とは週1回面談を行なっていました。人事と保健師の人に部署異動して辞めないでほしいと言われたのですが、1週間考えて「やっぱり辞めます」と伝えたら、すんなり手続きに入りました。それが12月頭くらいで、12月いっぱいで退職しました。
ご本人
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インタビュアー
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辞めるにあたって会社の人や家族に相談しましたか?
自分の中で辞めると決めていましたし、部署に相談したいと思える先輩がいなかったので、会社の人には相談しませんでした。
家族には「辞めようと思っている」と伝えたのですが、最初は「もったいないよ」と言われて、納得してもらうまでに時間がかかりました。友達も言いづらかったですね。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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そのほか、誰かに相談しましたか?
仕事を辞めるにあたって、職歴が空くことで航空業界への選考に、どの程度悪影響があるのかが懸念点だったので、大学で就職支援をしてくれた職員さんに相談をしました。
「あまり気にしなくても大丈夫」ということだったので「じゃあ、いっか」という感じで。背中を押してもらうために相談しに行った感じですね。
ご本人
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現在は航空業界の選考中!教育やSDGsなどさまざまな面から航空業界に携わりたい

インタビュアー
インタビュアー
ありがとうございます。
現在の就職活動の状況はどうですか?
エアライン系の会社を3社受けて、そのうち1社は一次選考に通っている状態です。狭き門なので、チャンスがあれば書類を出し続けていこうと思っています。
ご本人
ご本人
インタビュアー
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募集は「第二新卒」になるんでしょうか?
第二新卒枠のケースもあれば、新卒でも既卒でも受けられるという形式にしている会社もあります。会社ごとに違いますが、中途枠の会社の方が多いですね。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
ありがとうございます。
最後に今後の展望を聞かせてください。
ずっと客室乗務員(CA)をやり続けるのもありだと思いますが、社内で採用や教育に携われるのであればやってみたいです。
航空会社によっては、教育やSDGsに関連する事業に力を入れているので、そういう面にもかかわってみたいと思っています。
CAになりたいと思った理由は、サービス面よりも安全を守りたいという部分が大きかったので、安全教育にも興味があります。
ご本人
ご本人
インタビュアー
インタビュアー
さまざまな面から航空業界に携わりたいということですね。出張で飛行機に乗る機会があるので、またお会いできることを楽しみにしています!
本日はお忙しい中、お時間いただきありがとうございました。