一昨日、昨日と就職四季報のデータからお金と早期離職の関係についてお伝えしてきました。
本日は残業時間と早期離職の関係についてみていきます。
残業も原則的には残業代が支払われるので、お金と早期離職の関係の一員と言えそうです。ただ、残業は人によってしたい人としたくない人のどちらもいるわけですが。。。

 

今回も「通信・ソフト」業界に限った話で恐縮ですが、残業時間と大卒新卒者の3年以内定着率の関係を表したのが以下のグラフです。

残業代と離職率

横軸が月の残業時間、縦軸が定着率ですので、もし残業時間が少ないほど定着率が高い(=離職率が低い)のであれば全体的に右肩下がりに点が分布しているはずです。
グラフを見ていただいてわかる通り、右肩下がりにはなっていません。近似直線を描いたらむしろ若干の右肩上がりでした。もっとも、この直線は昨日のブログでも書いた通りR^2の値が限りなく0に近いため、ほとんど意味のないものになってしまっていますが。。。

3年以内定着率が100%の会社は月の残業時間が25~30時間の値で最も多くなっています。月に25~30時間の残業ということは、週休2日だとすると1日につき1時間~1.5時間程度ということになります。この残業時間を多いと感じるか少ないと感じるかは人によって差があるかと思います。

今回のデータでは少なくとも残業時間と早期離職との間に関係性があるとは言えませんでした。

最近ではワークライフバランス推進が重要とされ残業時間の削減に取り組んでいる企業もあります。また、ワークライフバランスを推進する団体の方々の中には「ワークライフバランスの推進は社員の生産性向上と離職率低下にも効果があります」と言っている方もいます。でも、それってなにを根拠に言っているんでしょう?少なくとも、今回のこのデータではわかりませんでした。

このように、各社から発表されているデータをまとめるだけでも、真実であるかのように言われていることがもしかしたら嘘かもしれないという可能性がみえてきます。これから就転職を考えている方々には、是非こういった情報を知ってもらいたいです。