昨日のブログで私の研修は我流ですということをお伝えしました。
ただ、この表現はともすると勘違いされてしまう可能性もある気がしましたので、今日は昨日の補足です。

我流といっても、私の研修スタイルはいくつかの系譜が混じっています。
その系譜は大きく3つ。

1.コンサル系
2.個人営業系
3.ワークショップ系


コンサル系は私の社会人のスタートがコンサルティング会社だったためです。ただ、研修はアシスタントとして2~3回関わっただけで、それも企画にはほとんど何も携わらず、完全に当日のアシスタントとして支持されたことをやるという感じでした。そのため、研修そのものというよりは、仕事に対する物事の考え方や情報整理の仕方、資料の作り方を学びました。
今でも覚えているのは、ある時先輩(40代中盤のチーフ)から「井上さんは言葉が粗い」と言われたことがあります。「荒い」ではなくて「粗い」のだと。当時の私は「何事も、まぁなんとかなるでしょう」という態度で、相手の状態や理解度、ペースに合わせて言葉を見つけることができていなかったのです。
こういった社会人としての基礎や、プレゼンテーションの基本はコンサルティング会社にいた2年弱の間に鍛えてもらえたと思っています。

その後、2回の転職を経て個人営業を経験することになります。商材はビジネススクール。数十万円の商品です。
売り方は、体験授業を開催し、参加者に対して後日個人面談を実施、その場で契約書にサインをさせます。ここで学んだの相手との距離感を詰めて懐に入っていく技術。私の上司はこの点に関しては天才的だったと思います。
ただし、コンサルティング会社では体系的な研修もあり、育成担当者制度もあって、厳しいながらも丁寧に一つひとつ考え方ややり方を教えてもらったのに対し、ここでは目で見て盗むというスタイルでした。正直、個人営業のノウハウについて教えてもらった記憶はないし、本で勉強した記憶もありません。ですから、ここからが私の我流スタイルのはじまりかもしれません。

コンサルティングが論理的な話の展開なのに対し、個人営業では論理以上に感情が大切になってきます。20代前半のうちにこの2つを実践を通じて学べたのは私にとっては何よりも大きな財産です。

garyuu


今の私の研修スタイルのベースはコンサル系と個人営業系の2つです。
そのため、研修の資料はコンサル的なつくりかたをしているのに、実際の進行は個人営業系で講師との距離が異常に近いスタイルになっています。時には参加者の方に「ありえないっすね」とか「全然ダメですね」と言うこともあるし、50代の方を下の名前で呼び捨てにしたこともあります。個人営業の手段としては相手との距離感を縮めるためにやることもあるのですが、研修ではほとんどやらない手法だと思います。(ちなみに「今日呼んでほしい名前をつける」というようなことは一切やりません)


そして最近加わってきたのがワークショップ系です。
これは、今年の5月から言っている青山学院大学のワークショップデザイナー育成プログラムの影響もありますし、この一年くらいは「ワークショップ」の名を関しているイベントに積極的に参加もしていたので、その中で見よう見まねで実践してきました。
ただ、ワークショップ系は新しい自分のスタイルというよりも、研修をデザインするときのヌケモレを防止するための視点提供をしてくれているという感じです。


そのため、やっぱり私のベースはコンサル+個人営業というスタイルなのです。
私が我流と言っているのは、このスタイルでやっている人を他には見たことがない(見たことがないだけで、多分他にもいるとは思います。)し、誰か特定の師匠がいるわけではないからです。そして何よりも、何の訓練もしてないのに中学生のときに「人前で話すのうまいよね」と言われるようになり、大学生のときにはパワポの使い方もよくわかってないのに「プレゼンはすごくうまい」と言われるようになっていたという自分の特徴を活かした、他の人には真似をしずらいスタイルをとっていることが“我流”たるゆえんなのです。