昨年の12月から時間をみつけては就職四季報のデータを入力して分析していました。これまでもこのブログで以下のようなないようで分析結果をお伝えしていました。
・平均年収500万以下の会社は早期離職しやすい?
・初任給が高いと社員の定着率は高くなるのか?
・ワークライフバランス推進では離職率は減らない
・ワークライフバランス推進では離職率は減らないPart2
・平均年収と早期離職率の関係(小売業編)
・やっぱりワークライフバランス推進は早期離職対策にならない(小売編)
1月に入っていきなりインフルエンザにかかったこともあって、お恥ずかしいことに分析の作業がまったくといって進んでいません。たまに「なんのために分析してるの?」と聞かれるのですが、はっきり言ってしまえば趣味みたいなものです。このデータそのものを情報として売る気もないですし、そういうのはあまり意味がないと思っています。
作業は進んでいないのですが、データを見ていて気になる点があります。社員の3年以内離職率に未回答の企業が多いことです。就職四季報に掲載されている企業ですので、規模は比較的大きく上場している企業が大半です。3年以内離職は公開の義務はありませんが、ハローワークでも努力義務化されるなど、注目度が高まってきている指標の一つです。ブラック企業を見極めるための一つの指標だという人もいるくらいです。
にも関わらず公表しないというのは、公表できないくらい数字が悪いのか?などとどうしても邪推してしまいます。
3年以内離職を公表していない企業には大きな傾向があって、平均年収も未回答にしている企業が多くなっています。(これはあくまで私がデータを見ての印象です。)また、勤続年数についても未回答のケースが多い印象を受けます。
中には給料が高くて勤続年数も長いことで有名な企業が年収や勤続年数を未回答としているケースもありましたが、多くはありません。
こうなると、勤続年数も年収も3年以内離職も公表できない水準なのではないか?と思わざるを得ません。
就職四季報にはこれ以外にも「月平均残業時間」なども掲載されています。また、掲載していない企業の方が多いですが、25歳、30歳、35歳のモデル賃金も掲載されていて、そこから計算した昇給率も書かれていますので、初任給がやたら高いけどそのあと給料が高くならないという企業を見つけることもできるかもしれません。
日本にあるすべての企業が就職四季報に載っているわけではありませんし、必ずしも真実だけが掲載されているという保証もありません。それでも、就職四季報というのはかなり面白いデータの宝庫だと思います。
最近では就活サークルとか就活のための学生団体などもあるみたいですが、せっかくなら自分たちが聞いた情報を交換したり、ネット上の情報に踊らされたりするだけではなくて、こういった情報の宝庫を手分けして分析して宝探しをしてみるのもいいのではないでしょうか。
何より、一つの仮説をたててその証明のための生データを加工して分析するというのは、文系学生にとっては会社に入ってからでも役立つ貴重な経験になると思うのです。