※この記事は2020年発表のデータです。2021年秋発表のデータはこちらの記事から
毎年秋に厚生労働省が「新規学卒者の離職状況」に関してのデータを早期離職率の最新データを発表しています。
これは、新卒入社で入社をした方が三年以内に離職した率を
- 事業所規模別
- 産業別
- 最終学歴別(中卒、高卒、大卒、短大卒)
に分類し、まとめられたデータです。
私たちカイラボでは、新卒入社で入社をした方が三年以内に離職した率を「早期離職率」とし、日頃より講演や研修、コンサルティングを実施しています。
今回は
- 2020年秋発表の高卒、大卒の早期離職率に関するデータ
- データからわかること
についてお伝えします。
なお、2019年版のデータについてはこちらからご覧いただけます。
「2019年秋・厚生労働省発表の早期離職率最新データとデータを見る際の5つのポイント」
この記事の内容の動画解説をYoutubeで公開しています。是非、動画もご覧ください。
本記事の要約
2020年秋・厚生労働省発表の大卒・高卒の早期離職率
大卒者の早期離職率は32.8% (前年32.0%)
2020年に発表された大卒新卒者の3年以内の離職率は32.8%です。前年より0.8ポイント高い結果となりました。この数字は3年前に社会人になった世代なので、2017年卒の方々の3年以内離職率です。
厚労省が発表を開始した1987年卒以降の早期離職率の推移をグラフにしたのがこちらです。
このグラフを見ると、
最も早期離職率が高ったのは2000年卒の36.5%
最も早期離職率が低かったのは1992年卒の23.7%であることがわかります。
また、2011年以降はぼぼ32%前後で横ばいの状態であることも見て取れます。
次は高卒者の早期離職率を見てみましょう。
高卒者の早期離職率は39.5% (前年39.2%)
高卒の早期離職率は39.5%で前年よりも0.3ポイント上がっています。こちらも大卒と同様に2017年卒の方々の数字です。
厚労省が発表している高卒者の早期離職率をグラフにしたものがこちらです。
最も早期離職率が高ったのは2000年卒の50.3%
最も早期離職率が低かったのは2009年卒の35.7%であることがわかります。
大卒でも高卒でも早期離職率が最も高いのは2000年卒という点は共有しています。
企業規模や業種別での早期離職率の違い
厚生労働省は毎年、業種別と企業規模別でも発表しています。
厚生労働省がWebサイトで発表している大卒のデータはこちらです。
業種別で見ると、宿泊・飲食サービス業は52.6%と全体平均の32.8%よりも20ポイント近く高いことがわかります。
就職率と早期離職率の関係性
今年の早期離職率の発表においては、例年とは違うデータが厚生労働省から発表されていました。就職率と3年以内離職率の関係です。
就職率が低い=就職が厳しかった年の年代は早期離職率が高くなる傾向があると厚生労働省が公式に発表しています。
過去の厚生労働白書の中でも同様の発表はあったのですが、Webサイトでも公式に発表したことの意味は大きいのではないでしょうか。
早期離職は「今どきの人は根性がないから」とか「ゆとり教育のせいで」というのは間違いであることがこのデータからもわかるのではないでしょうか。