インターンシップと企業説明会で同じことやってませんか?人事が学生向けインターンシップを企画するとき注意すべきこと

編集部

最近は就活生向けのインターンシップを実施している企業が大変多くなってきました。

インターンシップといってもその内容は様々で、ほとんど会社説明会と変わらない内容を行っている企業があるのも事実です。そういったインターンシップは学生からの評判も良くありません。学生からの評判が悪ければ、当然、採用に向けてはマイナスです。

今回は、インターンシップと企業説明会との違いを解説しながら、

・インターンシップを成功させるためには何が必要なのか

・インターンシップを企画するときに抑えるべきポイント

をお伝えします。

会社説明会とインターンの違いとは?

インターンシップと会社説明会は、目的や趣旨も違えば、参加する学生の意識も異なります。しかし、「インターンシップ」と「会社説明会」の違いを曖昧にしたまま、インターンシップを実施している会社も多いのが現状です。

よくあるのは、「1dayインターンシップ」として学生を集めながら、会社の説明や座談会など会社説明会と同じような内容で行っているケースです。

インターンシップを通じて、会社で実際に働く経験が出来ると思っていた学生にとっては期待外れな内容となり、そのまま応募を取りやめる就活生もいるようです。

こうしたことを避けるためにも、インターンシップと会社説明会の違いをしっかりと理解しておくことが大切です。

では、「インターンシップ」と「会社説明会」は何が違うのでしょうか?

会社説明会は、文字通り、会社のことを就活生に説明する場です。

就活生に向けて、会社の理念や強みまたは仕事内容や働いているメンバーの様子などを説明する場です

一方、インターンシップは、学生に就業体験を通じて企業や仕事への理解を深めてもらう場です。インターンに対する考え方は人や企業によって様々ですが、インターンシップは「会社の説明をする場」ではないことは前提として押さえておいてください。

ここからは、インターンシップを企画するときに大切なポイントについてお伝えします。

注意点1 インターンシップ実施の目的を明確にする

インターンシップ実地の目的は企業によって様々ですが、例えば、

・自社とのマッチング度合いをはかりたい

・業界や会社のことを理解してもらう、よく知ってもらうため

・学生たちの成長の機会を提供するため

などがあります。インターンシップ実施のゴールをどこに設定するかで、当然ですが内容は大きく変わってきます。

自社とのマッチング度合いを測りたいのであれば、実務を一緒にやってもらった方が良いでしょうし、業界理解をしてもらいたいのであれば、学生が楽しみながら取り組める業界研究のワークショップを開催した方がいいかもしれません。
目的に応じて企画の内容は変わります。

みなさんの会社では、インターンシップの目的はどこに置いているでしょうか?

1dayインターンや半日のインターンを行っている企業の多くは、「採用に繋げたい」というのが本音の目的ではないでしょうか。

仮に、採用に繋がるインターンシップを企画するのであれば、

説明会とインターンシップの違いは、何か?説明会とインターンシップは、それぞれどんな目的なのか?について、インターンシップを企画するメンバー間で認識を共有しておく必要があります。

注意点2 企画は人事だけで完結せずに他部署の社員も巻き込む

2つ目のポイントは「人事だけで完結せずに社員も巻き込む」です。

人事担当者以外とほとんど接点が持たないで終わってしまうインターンシップを行っている会社の話をよく耳にしますが、人事の方だけが学生の前に出るのではなく、現場で働いている社員の方も積極的に巻き込んでいくべきです。

なぜなら、現場で働いている社員の方が実際に仕事をしている姿を見せることや、その方自身の言葉で、仕事のやりがいや大変な点などを伝えることで、より企業や仕事への理解が深まるからです。また、就活生にとっては実際に働いている方から業務のレクチャーを受けることで、入社後の姿をイメージしやすくなります。

社員に限らず、「内定者」の方を巻き込むのも効果的です。

内定者の方はまだ実際に働いてはいませんが、就活生にとっては参考にしたい先輩たちです。内定者の方に、

・どのような決め手で会社を選んだのか

・インターンシップではどんなことを意識したか

入社後の目標

など話してもらうことは、会社にとっても就活生にとってもプラスになるはずです。

また、会社によってはインターシップの企画を外注するケースもあると思います。外注する際にも、人事の方だけで完結しないことが大切です。

外注先の会社との打ち合わせや企画の検討などを人事だけで行うのではなく、必ず現場で働いている他の部署にも参加するようにしてもらいましょう。

注意点3 説明会と同じ資料やスライド、映像は絶対NG

企業によっては、資料作成など人事の方が一人で抱え込んでしまい、就活生に見せるスライドや映像が説明会とインターンシップでほとんど同じになってしまうケースもよく耳にします。

「説明会と同じ資料やスライド・映像」は絶対NGです。

先ほどもお伝えしましたが、インターンシップと企業説明会は目的が異なります。

目的が異なるのにもかかわらず同じ資料を使っていることは、「うちの会社はインターンシップに力を入れていません」と言っているのと同じです。

注意点4 説明会では「伝える」インターンシップでは「気付きを促す」

会社説明会では、企業の思いや社風などが伝わるように、実際に働く社員の方々との座談会を行ったり、インタビュー動画を流したりするなどして「就活生に必要な情報を伝えること」が大切だと思います。

一方、インターンシップでは「伝える」よりも「本人の気づき」が大切です。

なぜなら、インターンシップの場合は、まだその会社への就業意欲がそれほど高まっていないタイミングで行うことが多いため、会社の強みや理念などを説明しても、なかなか伝わらないのが現実だからです。

そのため、伝えるのではなく、「伝えたいことを気付かせるための仕掛け」を考えるようにしましょう。

「気付かせるための仕掛け」とは例えば、

・業界内での自社のポジションを気付いてもらうために業界研究のワークショップを行う

・技術力の高さやこだわりに気付いてもらうために、現場での作業体験を入れる

・魅力のある社員が多いことを気付いてもらうために、実務を一緒にやってみる

などが、あります。

また、どんな内容であったとして、最後に振り返りの時間を設けることが重要です。

他にも伝えたい内容によって様々な企画があると思いますが、ただ、伝えるのではなく、本人たちの気づきを促すことをポイントにしてみてください。

注意点5 インターンシップ参加者のBeforeAfterを想像して企画する

一つ目の注意点「インターンシップ実施の目的を明確にする」とも関連しますが、自社のインターンシップを通じて就活生がどのような変化を期待するのか具体的に想像することが大切です。

例えば、

Before:物流の業界についてあまり興味がなかった

After:物流に興味を湧き、リクナビの検索キーワードを変わる

Before:営業職についてそれほどいいイメージがなかった

After:営業職に就職した先輩に話を聞きにいくようになる

など、具体的に描いてみてください。

このようにインターンシップの前と後での変化をイメージしてみることで、目的や企画がさらに深まると思います。また、具体的な変化が想像できていない状態でインターンシップを実施しても、ただ会社の説明をするだけで終わってしまい、逆に評判を落としてしまうことがよく起きています。

インターンシップの企画を考える際には、実施前と実施後でどのように変化して欲しいのかを、できるだけ具体的に考えてみてください。

企業にとっても就活生にとっても有意義なインターンシップでないならやらなくていい

今回は、「インターンシップを企画するときに企業が注意したいこと」についてお伝えしました。

繰り返しになりますが、会社説明会とインターンシップは全く違います。

これからインターンシップをやろうと思っている企業の方、もしくは内容を見直そうと思っている人事の方は、説明会とインターンシップの違いを把握した上でしっかりそれぞれの目的設定をしましょう。

そして、企業にとっても就活生にとっても有意義なインターンシップをみなさんの会社でも実施できるよう取り組んでみてください。