早期離職の三大要因として、「成長予感」「存在承認」「貢献実感」の3つの要素があることはこれまでもブログやメルマガなどでご紹介してきました。

私がインタビューを重ねる中で、最近多いと感じるのが「成長予感」不足による早期離職です。

特にいわゆる優秀層といわれる若手で、大手企業や人気企業に入社しても辞めるタイプの方に成長予感不足は多い印象を受けます。

では、企業はどうすれば若手社員に成長予感を持ってもらえるのでしょうか。

10歳上の先輩社員が新入社員にとっての10年後の姿

成長予感とはわかりやすく言えば、

「この会社で仕事を続けることでなりたい自分になれると思うか」です。

企業側の考える成長と、個人の考える成長の方向性が必ずしも一致しないのが難しいポイントです。

成長予感を持ってもらうためにもっとも重要なのは、若手社員にとってロールモデルとなる先輩社員や管理職の育成です。先輩社員や管理職は、若手社員にとっては「〇〇年後の自分の姿」なわけですから、 その姿が自分のなりたい姿と大きく乖離していれば、成長予感を持ってもらうことは難しいでしょう。

とはいえ、なりたい自分像は個人によって違います。
万人から「あぁなりたい」思われる先輩社員や管理職はそうそう現れません。

成長予感で重要な「多様性」と「インフォーマルな交流」

そこで大切になるのが「多様性」と「インフォーマルな交流」です。

多様性は、社内に様々なキャリアパスを用意すること。

インフォーマルな交流は部署を超えて多くの社員と非公式な交流ができるようにすることです。

多様なキャリアがあることで若手社員は「Aの働き方は無理でもBの働き方はできるかも」と思えるかもしれません。サイボウズの選択型人事制度は多様性のある働き方の中でも有名な例です。

また、いくら多様な働き方があっても、実際にその働き方をしている人との情報交換ができなくては意味がありません。そこでインフォーマルな交流なのです。

最近ではシャッフルランチ、席替え制度、メンター制度など様々な形で部署間を超えた交流が図られています。
若手社員は社内SNSで自由にミーティング設定ができるという会社もあります。

「多様性」と「インフォーマルな交流」は今後重要性アップ

多様性は昨今の働き方改革の流れでもありますし、 インフォーマルな交流は「社内コミュニケーション」の一環と位置付ければ、その重要性が今後さらに増えていくこともイメージいただけるのではないでしょうか。

(2019年2月6日発行メルマガより)

この記事はカイラボのメールマガジンで記載している代表の井上のコラムから転載(一部追加・修正あり)した内容です。カイラボのメールマガジンの登録はこちらから