12月1日からストレスチェックの義務化が始まりました。
従業員50名以上の事業場はすべて対象となります。弊社でもストレスチェックのサービスを提供しているのですが、結果を分析している中でおもしろい現象がでてきました。
ストレスチェックを実施したA社とB社。
健康リスクの値はA社が85(全国平均=100)、B社が90で、どちらも全国平均よりもリスクが低い結果となりました。ところが、厚生労働省の推奨に準拠して高ストレス者を選出したところ、A社は高ストレス者が回答者の約2%だったのに対し、B社は高ストレス者が20%以上となっていました。
高ストレス者は全国平均で全体の10%程度が高ストレス者と判定されるように基準が設定されています。
つまり、健康リスクの値は5ポイント差で、いずれも全国平均よりもリスクが低いとされながら、高ストレス者を抽出すると、A社は全国平均の5分の1に対しB社は全国平均の倍の高ストレス者がいたことになります。
原因は、A社はほぼすべての従業員の健康リスクが全社平均の85プラスマイナス10ポイント程度の中におさまったのに対し、B社は全社平均の90プラスマイナス10ポイント以内に収まっているのは全体の20%程度であり、健康リスクが全国平均よりも20ポイント以上低い人たちが30%近くいる一方で、健康リスクが全国平均を上回る人たちが50%弱存在したのです。
現状のストレスチェックの制度では、個人へのフィードバックを行えば、企業へのフィードバック(集団分析)は必須ではありません。また、多くの外部機関が提供しているストレスチェックのシステムでは、平均値を算出するところまでしかできていないのも実情です。
現実には、上記のB社のように平均値で見れば従業員のストレス状態は適正に見えるものの、細かい分析をするとリスクが浮き彫りになってくるケースというのは少なくないと思います。
ストレスチェックを形骸化させずに、本当に従業員の健康のために実施するのであれば、平均値だけで一喜一憂するのではなくで、細かい分析も加える必要があるのです。
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