本記事の要約
電通に家宅捜索というニュース
従業員の過労死自殺が問題になっていた電通に家宅捜索が入りました。過労死自殺の例として有名な「電通事件」を過去に起こしているだけに、労働局も黙っていられないということなのかもしれません。
家宅捜索で明らかになった内容が一般に公表されるかどうかわかりませんが、本気で長時間労働を是正し、過労死を撲滅したいのなら、内部で起きた出来事だけでなく、深夜残業しなければ対応できないような要求をしてきた顧客企業がいないのか、その企業はどこなのかというところまで調べて公表してはどうでしょうか?。むしろ、それくらいしなければ今の日本の労働時間の改善が進むとは思えません。
深夜残業をしなければならない要求というのは、例えば19時にメールで「明日の朝9時までにお願いします。」という内容のメールを送ってきたなどです。メールの履歴や担当者の携帯電話の着信履歴などを調べれば、追跡は可能だと思います。電通のクライアントとなると大企業が多く、中にはワークライフバランス推進企業として有名な企業もあるかもしれませんが、自社の社員を残業させないために外注先の従業員に残業を強要するようなことになっていないのか?という問いかけを世間にするのです。
深夜残業を要求する企業を公表してから長時間労働がなくなるまでの流れ
要求をしてきた企業を公表するのは、嫌がらせではなく長時間労働をなくすための有効な手段だからです。私は以下のようなストーリーを考えています。
長時間労働・深夜残業の原因になる注文をする企業を公表
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過労死の社員の会社だけでなく、注文をした企業の責任も追及
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長時間労働をしている会社と取引することはリスクだという認識の拡がり
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長時間労働している企業の取引が減少
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大企業の下請けの中小企業も長時間労働が是正
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さらに中小企業から仕事を請けている零細企業の長時間労働も是正
中小企業の従業員が変わらなければ、日本の長時間労働は変わらない。
日本の企業の99%が中小企業で、従業員の約7割が中小企業で働いているといわれています。長時間労働の是正は大企業だけでなく、中小企業で実現しなければ意味がありません。
実際に深夜残業の原因となる要求をしてきた企業を公表することが可能なのかどうかはわかりません。履歴が消されているかもしれませんし、法律的な絡みもあるかもしれません。
でも、本気で過労死をなくそうとしているなら、それくらいやりましょう。