平均年収と早期離職率の関係。
気になる方も多いのではないでしょうか。
私も気になっていましたがデータとして示している内容はなかったので、少しだけ自分で調べてみました。

データのもとは東洋経済の就職四季報。
1000社以上のデータをすべてまとめるのは至難の業でしたので、今回は掲載されていたうちの「通信・ソフト業界」についてまとめました。いわゆるIT業界です。

就職四季報に掲載されていた「通信・ソフト業界」の企業は103社。そのうち平均年収と早期離職率(就職四季報では定着率で記載)の両方が記載されていたのが68社でした。
そして、年収別の企業数と早期離職率をまとめたのが下のグラフです。

年収と早期離職

 

キレイに年収が上がるほど早期離職率は下がっています。
私は当初、一定の年収までは早期離職率は下がるけど、その後は少し上昇するのではないかと考えていました。いわゆるアップオアアウトの企業が多いと考えたからです。
しかし、実際には年収が高いほど早期離職率も低いという結果です。

また、年収500万円未満の早期離職率の高さが際立って高いという結果にもなりました。
年収500万円というと、正社員の全国平均とほぼ同じ水準です。今回の調査対象企業の平均年収は647万円ですから、今回のデータで500万円の持つ意味は平均値ではないのですが、年収500万が早期離職率を左右する一つの基準なのかもしれません。


今回は「通信・ソフト」業界に限ったことであり、また就職四季報に掲載されている比較的な大きめな企業が対象です。加えてサンプル数も多くないため、必ずしも真実を表しているとはいえません。
それでも、年収と早期離職の間に一定の関係性がありそうなこと、平均年収500万円が一つの区切りになりそうなことは今後の一つの研究材料にあると思います。

ちなみに、今回就職四季報に掲載されていた「通信・ソフト」業界の早期離職率の平均は11.9%です。これは厚生労働省が発表しているデータに比べると低い水準となっていますが、ある程度大手の企業が多いためだと考えられます。


しばらくはこちらのブログで早期離職と関係ありそうな要因についてお伝えしていきます。