「早期離職防止コンサルティングをしています。」と言うと、一定の確立で「日本も雇用の流動性を高めるべきだ」とか「努力しない人間は辞めるべきだ。むしろ、いらない社員をどう辞めさせたらいいか教えてほしい」というような意見をもらいます。

早期離職は良いことなのか、悪いことなのか?
これはなかなか難しい問題です。なぜ難しいかと言えば個別の事情がすべて違うので、一概に「良いor悪い」という判断ができないからです。また、短期的な視点で見るのか長期的な視点で見るのかによっても違う可能性があります。
それでも、なぜか早期離職に関しては二元論で「良いor悪い」の白黒はっきりさせようとする人が多いのは不思議でなりません。

私は、早期離職に関しては現状よりも減らすことができれば、結果的に企業も人も満足感が高まると考えています。理由は簡単で、現状の早期離職は多くの場合が従業員側の不満が原因で退職しており、企業側も退職した人間に対して快く思っていないからです。現状ではどちらも不満の感情を持ったまま退職しているのです。
私が行った早期離職者インタビューでは、早期離職者の約7割が退職企業に対して「不満」と回答しており、「満足」と回答したのは2割でした。さらに、「不満」と回答した方のうち約15%がうつ病などの精神疾患です。早期離職の裏にはうつ病や自殺などの社会問題も関連しています。

「満足していたけど、次のステップに進むために退職しました。」という人ばかりなら早期離職が増えても問題はないでしょう。しかし、現実はそうではありません。
単純に3年で3割という数字だけに目を向けるのではなくて、その具体的な中身にも目を向ける必要があるのです。


早期離職に関しては、最新のデータが厚生労働省から発表されたタイミングでもあるので、11月25日にオンライン授業のSchooで授業を担当します。

11月25日(火)21時~22時

「3年で辞めるのって得?損?早期離職白書の作者が語る若者のキャリアのあり方」
 

オンラインでどこでも視聴可能ですので、是非ご覧ください。