就職の口コミサイト「みんなの就職活動日記」から最新の就職人気ランキングが発表されました。

昨年1位だった電通は過労死の問題が影響したのか、23位と大幅ランクダウン。
また、メガバンクも軒並みランキングを落とすなど、今年は変動が大きくなっています。
「働き方改革」の影響は就職人気ランキングにも及んできているのかもしれません。

みんなの就職活動日記「2018年卒 就職人気ランキング」 → https://www.nikki.ne.jp/event/20170413/?l-id=pc_top_ctb_20170413

 

就職人気ランキングでは上位の常連、10位以内は入っていて当たり前という電通が23位というのは、それだけ過労死の問題が影響したのだと思います。とは言え、あれだけバッシングされても23位にとどまり、トヨタ自動車や日本テレビよりも上位にいるのはさすが電通ともいえます。

 

一方でジャンプアップした企業で主だったものは以下の通りです。
味の素 7位 (15位)
オリエンタルランド 5位 (13位)
カルビー 98位 (225位)
※()内は昨年順位

 

全体的にはサービス業が順位を落とす一方で、製造業が順位を上げている印象があります。
特に金融機関は軒並み順位を下げています。ベスト10には三菱東京UFJ銀行が9位に入っているだけです。
私が就職活動をしていたときは金融機関は人気が高かったことを考えると、10年で就職への考え方も変化してきたのかもしれません。

 

ジャンプアップした味の素、オリエンタルランド、カルビーはいずれも働き方改革で注目されている企業です。
味の素は労働時間の短縮や最終退館時間の繰り上げなどで社長がメディアにもよく取り上げられています。社長が全面に出てアピールすれば会社としての働き方改革の本気度伝わりやすく、露出も増えるため学生からの人気も高まったのだと思います。

 

オリエンタルランドもアルバイトスタッフを含めた労働組合の立ち上げなどの働き方改革が注目されています。加えて、ディズニーランド関係のビジネス書が増えてきているのも理由ではないかと思います。

 

カルビーは働き方改革だけでなく、人事制度の改革で利益率を大きく上げた事例として有名です。外資系で社長経験もある松本会長兼CEOが成果主義を導入して成功というと、日本的ではない気もしますが、成果主義にするのが目的ではなく、みんなが働きやすくするための成果主義の導入で成功しています。

 

学生の就職人気ランキングなので、年収が高い、BtoCで知名度が高い、といった要素が上位にくるのは仕方がないことですが、その変遷を見てみると、意外と学生も短絡的に考えているわけではなく、就職人気ランキングも世相を映す一つの要素なのだと思います。

 

(このブログの内容は2017年4月19日のカイラボのメールマガジンに掲載したものを一部加筆修正して掲載しております)