リーダーに必要なコミュニケーションの3つの力

編集部

コミュニケーション力は、上司・部下の立場に関わらず非常に重要なものです。

社内研修でもよく求められているのが、コミュニケーション講習なのです。

特にリーダーは部下をマネジメントする立場から、高いコミュニケーション力を求められます。リーダーに求められる本当のコミュニケーション力とは何なのでしょうか?

この記事では、リーダーに必要なコミュニケーション力について解説します。

リーダーのコミュ力問題

企業研修のご依頼で、社内にどのような研修が必要かヒアリングすると、コミュニケーションに関する研修の要望をよく伺います。

過去に、管理職の研修プログラムを設計するためにアンケートを実施した時も、コミュニケーションに関する悩みが非常に多くみられました。一方で、やはり部下から上司に対してもコミュニケーション力をもう少し磨いてほしいと回答されています。

このように、今、コミュニケーション研修に対する需要は非常に多くなっているのです。

そこで今回は、リーダーのコミュニケーション力にスポットをあててお伝えします。

(この記事の内容は、こちらの動画でも解説しています。)

リーダーに必要なコミュ力3つのチカラ

リーダーに必要とされるコミュニケーション力は、次の3つのチカラです。

  • 伝える力(話す力・プレゼン力)
  • 聴く力
  • 話すのを我慢する力

1つ目、2つ目の伝える力・聴く力については、すぐ理解していただけるでしょう。

しかし3つの力で最も大切なのは、3つ目の「話のを我慢する力」だと考えています。

次から、それぞれについてさらに詳しくみていきましょう。

伝える力(話す力・プレゼン力)

一般的にコミュニケーションと聞いてイメージするのは、「相手に何かを伝える」ということでしょう。

コミュニケーション力が高い人は、感情表現が豊かであったり、語彙が豊富で言葉の使い分けが優れていたり、その場に即した言い回しを使うのが上手です。

また、話のスピードや間の取り方などが巧みです。例えばプレゼンが上手な人は、話にうまく間を取ったり、話す速度に緩急をつけたりしています。

伝える力は、コミュニケーションに必須です。感情豊かに伝えたり、豊富な声色を使い分けながら相手に合わせた語彙を選び、話のスピード感を相手によって調節するといった気遣いは相手に伝えるために必要な技術であり、大事なスキルなのは間違いありません。。

聴く力

いわゆる「傾聴力」と呼ばれるものです。

傾聴には、ロジャーズの三原則と呼ばれる「共感的理解」、「無条件の肯定的関心」、「自己一致」が大切だといわれています。この中で最も大事なのは、「自己一致」ではないでしょうか。

相手の話を聴く中で理解できないことがあっても、わからないままにしないことが重要です。

ひたすらに、わかるよ、あなたの言うとおりだとただ全肯定して聴くのは傾聴ではありません。わかっていないのにわかったふりをして聴くのは、傾聴とはいえないのです。

自分がわからないのであれば、素直に自分の本心と一致させて、今言われたことを理解しきれていないことを正直に伝え、もう1回聞いてもいいか尋ねるというようなコミュニケーションを取るべきです。

話すのを我慢する力

これはつまり、話しすぎない、押しつけすぎないということです。

目立たないけれど、非常に重要な力だといえます。

経験豊富な人ほど、相手に教えたがる傾向にあります。また、頭のいい人ほど相手のミスを指摘したがるため、ミスしたところに気づいたらすぐ指摘し、ミスしそうだと感じるとつい口出ししてしまいます。

さらに真面目な人ほど、相談を受けたときに問題を解決しようとがんばりすぎてしまいます。

例えば、1on1にあてられている15分や30分ほどの時間で相手の悩みが解決したとしたら、これはすごいことです。この短時間ですぐ悩みが解決するなら、世の中から悩みなどなくなるに違いありません。

しかし、マネージャーやリーダーとして真面目な人ほど、この場でなんとか解決しなければいけないと考え、一生懸命話続け、つい相手に対して大丈夫?解決した?という聞き方を最後にしてしまいます。

聞かれた部下としては、解決しましたとしか言えないため、結局リーダーだけが悩みを解決できて満足する、というような状況がしばしば起きます。

話すのを我慢するのは、聴くことにも近い行為です。

相手が少しミスをしそうでも我慢して見守ったり、一から十まで全て教えるのではなく、八、九まで教えたら後は任せるということも場合によっては必要です。もしくは、相手から答えが出るのを待つこと。これもコミュニケーションには非常に大切です。

まとめ

リーダーに必要なコミュニケーションの3つの力とは、「話す力」、「聴く力」、「話すのを我慢する力」です。

中でも相手の話を聴くには、自分が話す時間を減らす必要があります。

例えば、同じ30分でも相手により多く話してもらうためには、自分が話す時間を減らさなければなりません。

これには、自分が話すのを我慢することが必要になってきます。

話すのが苦手な方は、話すのを我慢する力が高い可能性があります。

よくコミュニケーションが苦手だという人がいますが、それは実は、話すとか伝えるのが苦手だということだけを指している場合が多いのです。

逆に、コミュニケーションにある程度自信を持っている人は、話すことや伝えることだけが得意で、話を聴いたり自分の話を我慢するのは難しいということがよくあります。

話すのが苦手だと悩んでいる人は、実は話すことを我慢する力が高いのかもしれません。コミュニケーションでは、その力を自分の特性として活かすことを心がけると、自分の強みが活きてくるでしょう。

リーダーに必要な3つの力を、みなさんも普段のコミュニケーションでぜひ意識して実践してみてください。