新卒が3年以内に3割辞めるのは仕方がない?

「新卒の3割が3年以内に辞めるのは20年前から変わってないんだから、本当に3割が3年で辞めることが問題なのでしょうか?解決すべきことなんでしょうか?」

 

先日、セミナーに参加いただいた会社へ訪問した際にお客さまから発せられた質問です。

 

最近では早期離職の問題がニュースなどでクローズアップされることも増えており、今回のような質問をされる機会は減りましたが、私が起業した5年前は多くの方に言われた質問です。

 

「組織には人材の流動性が必要だから辞める人間がいるのは当たり前だ」

「昔から3年で3割辞めているのだから、対策するだけ無駄」

「定着率を高めるよりも、辞めさせたい社員が辞めてくれないことの方が問題だ」

 

創業当初は、そんな言葉を毎日のように言われました。

 

早期離職が良いことか悪いことかは、極論、どうでもいい

新卒の3割が3年で辞めることが悪いことなのかどうかについて、私の考えは「わからない」です。

 

けれども「わからない」から放っておいて良いかというと、違います。

 

私が数百人の早期離職者の方々に直接お会いし、アンケートを取った結果、早期離職者の7割がネガティブな離職でした。
また、ネガティブな離職の方のうち2割以上がうつ病などの精神疾患になっています。日本のうつ病の有病率は5%程度と言われているので、2割という数字は高いのではないでしょうか。

 

3割が3年で辞めることが悪いかどうかはわかりませんが、ネガティブな離職はなくすべきですし、なくせると私は思います。だから、早期離職対策なのです。

 

企業にも社会にもメリットがあるネガティブ離職の減少

ネガティブな離職を減らすことは企業側にも多くのメリットがあります。

例えば、以下のようなものがあります。
・辞めた社員からの社員の紹介などがある。
・辞めた社員経由で仕事がつながることがある。
・出戻り社員になることがある。
・(ネガティブ離職がいるときよりも)精神疾患の発症確率が低い

 

逆に、ネガティブ離職が多い場合には、
精神疾患の発症リスクや採用の口コミサイトでの悪評などが考えられます。

 

20年以上前から新卒の離職率には大きな変動がありません。
でも、だからと言って何もしなくても良いということにはならないのです。

 

ネガティブ離職を減らすことは、企業にとってのメリットはもちろんのこと、社会全体としても大きなメリットがあると私は思います。だから、カイラボでは早期離職対策を行うことで、ネガティブ離職を減らすお手伝いをさせていただいています。

 

※このコラムはカイラボのメルマガの内容に加筆・修正をしたものです。

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