カイラボでは企業の人材育成支援として様々な研修をご提供しています。
今回は三菱総研DCS株式会社様にご提供した、オンラインでの「アンコンシャスバイアス研修」の様子をご紹介します。

ハラスメント対策への意識の高まりから、アンコンシャスバイアス研修のご依頼は増えています。同様の研修では「松竹株式会社様の事例」もありますので、是非ご覧ください。

今回の研修は、女性がより一層活躍できる職場環境を整えることを目指し企画した研修で、その阻害要因の1つとして考えられる”アンコンシャス・バイアス”について、業務アサイン機会の多い課長全員(180名弱)に実施しました。また、お客様のご要望によりケーススタディに重きを置いたアウトプットがメインの研修となっています。
研修の概要は以下の通りです。

【研修概要】
研修時間 :3時間
実施方法 :オンライン(Webexを使用)
受講人数 :1開催につき約30名 × 6開催
受講対象者 :管理職(主に課長クラス)

【研修内容目次】
1.自分のバイアスに気付く
2.バイアスとハラスメントの関係性
3.アンコンシャスバイアスへの対応法
4.ケーススタディ
5.まとめ・振返り

それでは当日の様子を詳しくレポートしていきます。

研修前半:講義


アンコンシャスバイアスとは「無意識の思い込み、偏見」を指す言葉です。
人は誰しもアンコンシャスバイアスを持っており、偏見を完全に取り除くことは簡単ではありません。

カイラボのアンコンシャスバイアス研修では、最初に「バイアス=悪ではありません。ただし、バイアスによって誰かを傷つけてしまうかもしれない。意図せずハラスメントをしてしまうかもしれない。そうならないようにまずは自分のバイアスに気付くところからはじめましょう。」とお伝えしています。

参加者のみなさんにご自身のバイアスを認識していただくために、まずはクイズを行いました。ネタバレになってしまう為詳細は伏せますが、多くの方が見事に「無意識のバイアスに支配されている」ため回答できない結果でした。その結果から自分自身のバイアスに気が付くきっかけにしていただきました。

バイアスとハラスメント

近年は明らかに悪意をもった発言や行動でのハラスメントよりも、意図しない発言や、良かれと思っての行動のハラスメントが増えています。無意識のバイアスによって、「あなたのためと思って」の行動や発言が、相手にとってはハラスメントに感じられてしまうわけです。

ハラスメント予防のためには、まずはハラスメントの種類を知ることが必要です
クイズ形式でみなさんにハラスメントの種類の説明をお聞きし、チャットでみなさんの回答を募りました。「聞いたことはあるけど、解説はできない。」という方もいらっしゃいました。

「相手がハラスメントだと思ったらハラスメント」という方もいますが、それは間違いです。パワハラ、セクハラなどは厚生労働省が定義しています。例えば、パワハラは以下のように定義されています。

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる

①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるものであり、
①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。

(厚生労働省 あかるい職場応援団のサイトより)

前半を終えての受講者の感想のご紹介

「仕事でも日常生活でも、無意識にポロっとでる一言が実は偏見的な感想・考えだったりすることがあるのかなと感じました。言葉には気を付けないと。。。」

「ハラスメントの種類も増えているなかでは、チェックシートなどをつかって無意識にふるまう言動を顧みる機会は大切だと思いました。」

バイアスやハラスメントの種類では初めて聞く用語があり勉強になります。セクハラおやじにならないよう、相手がどう感じているかを引き続き意識しようかと。」

「ハラスメントは注意しているつもりでもだんだん忘れてきていることもあるので、良い見直しになります。」

「日頃の意識、言動を改めて見返し、無意識のうちに行ってしまっていることもあるなと気づかされました。」

研修後半:ケーススタディ

後半は、前半の講義で学んだポイントを意識しながら、参加者の方にハラスメントにならないようなコミュニケーションを実践していただくパートです。
今回の研修では2つのケーススタディを実践していただきました。そのうちの1つをご紹介します。

【ケーススタディ 優秀な男性社員の1年間の育休申請対応】

お題はこちらです。

入社8年目、今年で30歳になった近藤さん(男性)から来年1年間の育休申請の申し出がありました。
あなたの頭の中では「優秀で人望もある近藤さんが1年間抜けるのは厳しい。なんとか3か月くらいで復帰してもらえないか?」という思いが浮かびます。
とはいえ、昨今の社会状況的に言い方には気を付ける必要がありそうです。あなたならどのように近藤さんに伝えますか?

受講者には、まず個人で対応策を考え、次にグループで検討していただきます。
グループでの検討が終了したら、実際に何名かの方にロールプレイとして実践していただきます。今回は講師の井上が近藤役(育休申請してきた部下)を演じました。

最初に「おめでとう」と祝福の言葉を述べる方もいれば、いきなり本題から入る方もいます。なんとか育休期間を短縮できないかとお願いし倒す方もいれば、ちょっと強引な手法の方もいました。

中には「多分、ハラスメントだと思うけど敢えてこんな感じでやってみたい」ということで、パタハラ覚悟で「育休を1年とったら今と同じ仕事に就くのは難しいかもしれません。もしかしたら異動になるかもしれませんよ。」とおっしゃた方もおられました。

さすがにこの発言に対しては、別の参加者からツッコミが入りました。

「これはパワハラと言われそう・・・。」
「難しいですよね、私の時代も男性が育休って無かったので。」
「育休後に業務が変わる可能性があると脅す感じにとられると危険かもしれません。」
「優しい言い方だけど圧力・・・。」
育休あけてから仕事が変わるかも。はいわゆるパタハラになるのかな?と思いました。
「実際あり得るケースですよね。権利に対し、後々もめごとにならないような伝え方が難しいと思います。

厚生労働省のWebサイトでも「業務上必要な言動」はハラスメントに該当しないとされていますが、労働者の意を汲まない一方的な通告は、ハラスメントに該当する可能性があります
今回のような「1年も育休取ったら戻る場所はない」という旨の発言は脅迫ともとれますので、ハラスメントの可能性が高いといえます

ケーススタディでは現実に起きる様々な状況を想定し、その時に自分だったらどんな対応をするのかを考え実践していただくことで、理論や理屈だけではない、「実務に役立つハラスメント対策」に役立てていただいております。

アンコンシャスバイアス研修の感想のご紹介

今回のアンコンシャスバイアス研修の参加者の感想をご紹介いたします。

「発言などは気を付けているが、バイアスは持っていると改めて認識した。認識できていればよいが、最初の外科医の例など気が付かないケースもあると思うと恐ろしいなと思った。いろいろケースを認識し、気が付ける様にしていきたい。」

「育休の問題はいつも悩むので、引き出しを増やす為にも自社制度をきちんと把握する様にしたい。」

自身のバイアスは比較的強く、客観的な視点で言動に注意する必要があると感じた。
育休の問題など本音と建て前をどのようにバランスを取り、対応していくのは正解が無く、誰もアドバイスをしてくれないので、会社に相談できるような体制があるとありがたい。」

「自分の経験に流されがちなので、会社の制度への理解を深めつつ、バイアスからのハラスメントにならないようフラットな考えを持つようにしたい。」

もしバイアスがかかった発言をしてしまった場合は、きちんと謝罪することが大切です。自分の中のバイアスを意識するだけでも、普段使う言葉が次第に変化します。弊社のアンコンシャスバイアス研修をそのきっかけ作りにして頂ければうれしく思います。


カイラボでは様々な研修を行っています。具体的な研修内容については随時発信していきますので、是非ご参考にご覧ください。

カイラボはお客様のオーダーに応じたカスタマイズ研修をご提供します

今回の研修では、お客さまのご要望から、単なるアンコンシャスバイアスやハラスメントの基礎知識を伝えるだけでなく、実践重視の内容を企画・設計しました。

カイラボの研修はお客様のご要望に応じて、カスタマイズしてご提供しています。教育・研修をご検討の際はお気軽にご相談ください。研修に関するお問い合わせは下記フォームよりご連絡ください。

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