早期離職防止、定着率向上の研修、講演、コンサルティング

若手社員の離職を防ぐカギは「成長予感」

私たちカイラボでは、これまで数百名のの早期離職者の方へインタビューをしてきた結果から、早期離職の三大要因として以下の3つを挙げています。

1.存在承認の不足

2.貢献実感の不足

3.成長予感の不足

この中でも、カイラボでは若手社員の離職防止のためには「成長予感」が大切だと感じています。今回は成長予感の不足とは何なのか、そしてその対策についてご紹介します。

成長予感とは?

「成長予感」という言葉を今までに聞いたことがありますか?あまり聞き馴染みのない言葉だと思います。

成長予感とは、今の会社で仕事を続けることでなりたい自分になれるかどうかです。

たとえどれだけ福利厚生が整っている会社であったとしても、その仕事を続けていく先に自分のなりたい姿が見えければ、成長予感は低い状態です。

成長予感を感じるためには、社内にロールモデルが必要です。つまり、憧れるような先輩社員がいるか、この会社にキャリアパスがあるか、この先のキャリアがイメージできるかどうかといったことが成長予感を高めるには重要になります。

「成長予感不足」の事例

実際にカイラボがインタビューした、「成長予感不足」の実例を紹介しましょう。

1.「こんな風になりたい」と思える先輩がいなかったAさんの事例

あるIT企業に新卒で入社したAさんの事例です。

Aさんが入社したのは、就職人気ランキングでは毎年上位に来る、誰もが知る人気企業です。Aさんも入社当初は仕事にのめりこみ、やりがいを感じていました。しかし、あらためて周りを見渡してみると、あることに気づきました。

30歳前後の先輩で「こんな風になりたい」という姿の人がいなかったのです。Aさんの言葉を借りれば「30歳のときになりたい自分に近い先輩がいなかった」そうです。

結局、Aさんは2年ちょっとで大手企業を退職し、当時は名もないベンチャー企業へ転職します。当然、収入は大きく下がりました。Aさんは転職先で活躍し、現在、転職したその会社は成長著しいベンチャー企業の一つとして頻繁に名前が挙がる会社となりました。

2.憧れの存在がいなかったBさんの事例

Bさんは大学卒業後、大手の信用金庫に入社しました。大学の同期も金融系に就職する人が多く、「文系男子の就職先といったら、とりあえず金融系」という感覚で就職したそうです。

Bさんの周りの上司や先輩には、優しい人や仕事がある程度できる人は数多くいましたが、その人自体に憧れるような人はいなかったと言います。悪い人ではないけど、強いあこがれを抱くわけではないし、この人みたいになりたいと思えるわけでもなかったのだとか。

信用金庫を退職後は、一時は無職となったBさん。日本一周の旅や他国での仕事を経た今は、フリーランスとして活躍されています。 Bさんのように、能力の有無以前に、人として憧れられる上司や先輩がいなかったことが退職の原因となるケースも少なくありません。

3.キャリアパスの限界を感じたCさんの事例

Cさんは、都内の有名大学を卒業後、出身地の信用金庫に就職された女性です。

その地域では、女性の信用金庫への就職はエリートコースとされています。

その信用金庫では大卒は男女問わずに総合職で入社しますが、実際には男女で業務内容が異なっていたそうです。入社当初は全員が個人に対しての営業や訪問をしますが、しばらくすると、男性は企業の融資担当、一方で女性は個人への信託の販売の担当となります。

信用金庫の花形は融資担当という雰囲気がある中、女性はどれだけ活躍しても融資担当にはなれないのが社内の実態でした。

Cさんは、女性であることが理由で自分のキャリアパスが限定されること、信用金庫の花形と言われる仕事に就く可能性が閉ざされていることに納得ができませんでした。「この会社で定年まで勤めるイメージができなかった」と言うCさんは、その後、信用金庫を退職しました。 地元を離れて、大学時代に手伝っていたNPOに職員として就職したCさんは、今はイキイキと働いています。

成長予感不足の原因と対策

さきほど紹介した三つの事例は、退職理由はそれぞれ異なりますが、いずれにも共通しているのは「成長予感」の不足が退職の原因となっていることです。

では、成長予感不足が起きる原因は何なのでしょうか?

成長予感不足の原因は以下の二つに大別されます。

キャリアパスの限界

Cさんの例が表すように、その会社におけるキャリアの限界を感じることが「この会社でなれる私はここまで」と成長予感を低下させます。 このような課題は、制度上、もしくは慣習的な問題であることが多いため、社内制度の改革が必要となります。

目指したいと思える上司や先輩の不在

今回の記事で特にお伝えしたいのは、こちらの原因です。

AさんやBさんの事例が示すように、新入社員の周りの上司・先輩の、振る舞いや言動、仕事ぶりが、新入社員の「成長実感」に大きく影響しています。

カイラボでは、新入社員の周りの上司や先輩に対しての研修を多く提供しています。そこで受講した方(つまり上司や先輩)から寄せられる悩みがあります。れは、「最近の若手社員のモチベーションの源泉がわからない」ということです。

そんなときには、こう聞きます。「では、上司であるあなたの仕事のモチベーションは何ですか?」と。

残念なことに、この質問に対してうまく答えられない上司・先輩の方が多くいます。仮に答えられたとしても、給料のため、ローンの支払いのため、という方が多いと感じます。

自分が新入社員だった時に、家のローン支払いのために働いていると話す先輩に憧れるか?ということを自らに投げかけてみてください。

新入社員の成長予感不足を招いているのは上司・先輩たちの成長意欲が無い、もしくは少ない状態です。新入社員に接する社員が、自らの成長意欲や働きがいを言葉にして説明できるようになっておくことが非常に大切なポイントです。

「成長予感」を高めるために変わるべき人は今いる社員

今回は、「成長予感」についてお伝えしました。

成長予感の話になると、キャリアパスの設計をすればよい、年齢と共に年収が上がっている状態を作ればよい、というハード面に焦点を当てる方がいます。

確かにそれも大切で、一定数の離職は防止できるかもしれません。

しかしながら、ハード面としての社内制度だけではなく、ソフト面としての上司や先輩社員に目を向ける必要があります。上司や先輩を見て、10年後、20年後はこうなりたいと思える。そういった実感が、若手社員の成長予感に繋がるのです。

若手社員の「成長予感」を高めたいのであれば、まずは今いる社員が変わる。 変わるべき人たちは誰なのかを企業として真剣に考え、それをきっかけに定着率の向上にぜひ取り組んでみてください。

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編集部
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早期離職対策の株式会社カイラボ 編集部です。
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