新型コロナウイルスの影響や働き方改革の推進によって、以前は対面で行っていた研修や業務のレクチャーなどオンラインで実施している企業が大変増えてきました。
しかし、対面とオンラインでは環境が異なるため、対面で行っていた研修をそのままオンラインで行っても、なかなかうまくいかないという話もよく耳にします。対面とオンラインでは異なる点が様々ありますが、違う点の一つに「受講者の集中力の持続時間」があるのではないでしょうか?
そこで今回は、「受講者の集中力の持続時間」をテーマにオンライン研修で意識すべきことを紹介していきます。
本記事の要約
「90・20・8の法則」とは?
「90・20・8の法則」を聞いたことがあるでしょうか?
「90・20・8の法則」とは、人材育成の第一人者であるボブ・パイクというアメリカの学者が提唱している研修や講演時における人間の集中力に関する法則です。
それぞれの数字の意味ついて、簡単に解説していきます。
90
90とは、人間が「理解」しながら話を聞けるのは90分が限界であることを表した数字です。
例えば、研修やセミナーは90分で区切っているものが多いですが、90分という数字は、この法則に由来しています。
20
20とは、人間が「記憶」しながら話を聞けるのは20分が限界であることを表した数字です。
例えば、研修で大事なポイントなど話すことがあると思いますが、20分以上話してしまうと受講者の記憶には残りにくいといわれています。
8
8とは、人間が飽きずに話を聞けるのは8分が限界であることを表した数字です。私たちカイラボの研修でも「8分」を意識して研修を組み立てています。8分に一度くらいは、軽いワークをいれています。
たとえば、
・あるテーマについて考えてもらうワークを入れる
・体を動かすワークを取り入れる
・興味がわくような小ネタを挟む
などを8分に1回ぐらいの間隔で入れるような工夫をしています。
記憶しながら話を聞けるのは20分ですが、本当に集中して話を聞けるのは人間8分が限界です。そのため、8分集中して話を聞く時間を設けた後は、ある程度集中力を休ませるような研修設計が大切です。
「90・20・8の法則」はオンライン研修でも適用できるのか?
「90・20・8の法則」を紹介してきましたが、この法則は対面式での研修や講義を前提に考えられています。そのため、オンラインでの研修でもそのまま当てはまるかどうかは分かりません。
ここからは私たちカイラボとしての見解科学的な根拠はありませんが、オンラインでの研修は「90・20・8の法則」より、もっと時間が短くなると考えています。
具体的には、すべての数字を半分にした
「45・10・4の法則」
になるのではないかと推測をしています。
オンライン研修では「90・20・8の法則」より短い時間を意識して設計する
私たちカイラボではオンラインの研修やセミナーなどをいろいろな企業様で行わせていただいていますが、、オンライン研修での90分は、対面研修の90分よりも受講者の体感時間は長くなっている印象を受けます。
そのため、対面で行っていた時間よりも少し短いスパンでワークを変えるなど工夫が大切です。
オンラインの場合、画面越しに講師を見ているため、パソコン画面以外の風景も見えてしまい集中が途切れたり、また目が疲れるということも考えられます。
そのため、本当に大切なメッセージやポイントは8分の半分の4分くらいで伝えることを意識することが大切になってくると思います。
オンラインでも対面でも参加者の学びが最大化される場づくりを
今回ご紹介した「90・20・8の法則」は、対面での研修では是非おさえていただきたいポイントです。
しかし、オンラインでの研修を設計する際に、単純に対面で行っていた内容や法則をそのまま移行するだけでは、うまくいかない点も出てきます。
対面でうまくいっていた研修内容や法則など、オンライン研修に当てはめた際に同じようにできるのかを検証し、PDCAを回していきましょう。
オンライン研修も対面でも研修もそれぞれの良さがあります。
どちらの方法であっても、受講者の学びが最大化が起きるように企画の段階から法則などを活用し、より良い場づくり・より良い人材育成を行ってみてください。