早期離職防止、定着率向上の研修、講演、コンサルティング

ラインケアに対する3つの勘違い -管理職なら知っておきたいメンタルヘルスケアの基本-

 

今や管理職にとっては必須となったメンタルヘルスケアの知識。

多くの情報が錯綜するために、難しく考え過ぎてしまったり、逆に簡単に考えて甘くみてしまったり。様々な企業の管理職の方々と接するとまじめに勉強しているがゆえに勘違いをしてしまっている方もいます。

この記事では「ラインケアに対するよくある勘違い」をご紹介します。

 

管理職の方が自分の職場をケアしていくラインケアにおいて、大きな勘違いをしているケースがあります。その中でも、特に大きな勘違いを3つは以下の通りです。

  1. 部下の悩みを解決しなければならない
  2. メンタルダウン(病気)は上司と職場の問題である
  3. ストレス耐性の高い人にケアは不要

この記事では、これらの勘違いについて詳しく解説します。また、ラインケアにおいて管理職の方に何が求められているのかについてもお伝えします。

ぜひ、日々のラインケアにお役立てください。

この記事はこちらの動画を基に執筆しています。

勘違い①部下の悩みを解決しなければならない

まずは「部下の悩みを解決しなければならない」という勘違いについてです。

部下の悩みは解決できなくてもOK

結論から言うと、部下の悩みは必ずしも解決できなくても大丈夫です。管理職の方は医者やカウンセラーではなく、治療をしたり完全に治したりすることは難しいからです。

それは決して「悩んでいる部下を放置していい」ということではありません。相談に乗ることはとても大切。しかし、こちらが手を尽くした上で、解決できないケースもときにはあります。

このようなときに管理職ができることは、企業内の産業医や保健師、いわゆる専門スタッフと連携を取ることです。

うまく連携を取るためには、普段から専門スタッフとコミュニケーションを取っておくことが非常に大事です。部下に何かあったときや相談に乗ってうまくいかなかったときだけ、突然コミュニケーションを取るより連携がスムーズにいくでしょう。

部下の普段の様子を把握することが大切

変化に気付くためには、普段の状態をしっかりと把握しておくことが大切です。それができるのは、専門スタッフではなく管理職の方です。

産業医や保健師が常駐しているケースは少ないですし、常駐していても近い距離で仕事をしている訳ではありません。

普段どのように働いているのか?が一番わかっているのは、いつも近い距離で仕事をしている管理職の方なのです。そして、普段とは違う部下の変化にいち早く気付くことが、管理職の方に求められることだと言えます。

勘違い②メンタルダウンは上司と職場の問題である

二つ目は「メンタルダウン(病気)は上司と職場の問題である」という勘違いについてです。

職場以外の要因がメンタルダウンの原因にもなる

管理職の方によっては、自分の職場でメンタルダウンの部下が出たことを深く考えすぎる場合があります。メンタルダウンの原因は、上司や職場の原因だと言われがちですが、必ずしもそうではないのです

例えば

  • プライベートで借金がある
  • 離婚協議中である
  • 家族に大きな病気や事故があった

など、上記のような状態であれば、誰しもストレスを感じるのではないでしょうか。

仕事自体は普段通りこなしていても、プライベートで大きなストレスを抱えていることにより、メンタルダウンを起こしてしまうというケースも当然あります。

事業所以外の要因があることは、NIOSH 職業性ストレスモデルでも言われていることです。

NIOSH 職業性ストレスモデルとは?

NIOSH 職業性ストレスモデルの図を簡単に解説します。

疾病の大きな要因は職場のストレスの原因(ストレッサー)であり、ストレス反応が出て疾病=メンタルダウンするという形です。大きな要因として職場のストレッサーがありますが、その他にも以下のような要因が存在します。

  • 個人的要因(性格や価値観)
  • 仕事以外の要因
  • 緩衝要因(相談に乗ってくれる人)

このような要因が絡み合い、最後は病気=メンタルダウンに行き着くと言われています。

したがって、必ずしも上司のあり方やか職場だけが問題ではないケースもあります。しかし、本当に職場や上司・管理職の振る舞いに問題なかったのか、一度内省することはとても大切です

そのため、「うちの職場の問題じゃない」と切り捨てるのではなく、ときにはこのようなケースもあるということを知っておいていただきたいと思います。

勘違い③ストレス耐性の高い人にケアは不要

三つ目は「ストレス耐性の高い人にケアは不要」という勘違いについてです。

ストレス耐性だけでメンタルダウンは決まりません。ストレス耐性の高い低いは個人差があると言われていますし、私の経験上、確かに個人差があると感じています。

しかし、ストレス耐性はさまざまな要因の中の一つであり、大きな要因ではありません。先述した「NIOSH 職業性ストレスモデル」の中で、ストレス耐性は個人要因に当てはまります。あくまでも要因の一つという位置づけです

そのため、単純に原因をストレス耐性の高い低いだけに求めるのは、非常に危険な考え方だと言えます。なぜならば、どれだけストレス耐性が高い人であっても、職場のストレス状態が非常に高ければ、メンタルダウンする可能性はあるからです。

まとめ

管理職の方だけで部下の悩みを解決する必要はありません。医者やカウンセラーではない管理職は、産業医や保健師などの専門スタッフと連携を取ることが大切です。うまく連携を取り、専門スタッフを頼りましょう。

専門スタッフと連携するためには、「普段の状態と変化した状態」を把握して相談する必要があります。このように相談できるのが、いつも近い距離で働いている管理職の強みです。

また、メンタルダウンはさまざまな要因が絡み合って起こります。職場や上司だけではなく、個人的な要因もあるのです。

以上、今回お伝えしたことを基本の知識として押さえておいていただければと思います。

カイラボでは、この動画以外にも「ラインケア」「ストレス対処法」などの動画を用意しています。ぜひ動画を見て、みなさんの職場でストレスが少ない、みんなが元気で楽しく働ける職場を目指していただければと思います 。

投稿者

編集部
編集部

早期離職対策の株式会社カイラボ 編集部です。
採用、育成、定着の3つの観点から様々な情報をご提供します。