主任・係長クラスが辞めていく組織の管理職が陥る3つの勘違い

編集部

これまでカイラボは、主に若手社員をメインとした早期離職対策の支援を行ってきました。最近では、若手社員だけではなく「主任・係長クラスが辞めてしまう」等の相談も少なくありません。
そこで今回は、管理職のみなさんが意外と知らない「主任・係長クラスが辞めていく組織の管理職が陥る3つの勘違い」をテーマにお伝えします。

この記事の内容は動画解説でより詳しくご覧いただけます。

最近急増?主任・係長クラスの離職に悩む企業

これまで主に、若手社員を対象として、離職率の改善や定着率の向上など、いわゆる早期離職対策の支援を行ってきたカイラボですが、最近多く寄せられる相談があります。

それは、「主任・係長クラスの離職」「優秀な社員の離職」

会社によって差はありますが、主任・係長クラスの多くは20代後半~30代前半が多く、ある程度、一人前として独り立ちをしており、次期管理者候補として期待されている優秀な人材です。

「若くて優秀な人材が流出するのは企業としては避けたい・・」ということで、早期離職対策の支援を行っているカイラボに相談をいただくケースが増えています。

今回は、主任・係長クラスの離職について、管理職や人事の方々に知っておいていただきたい、よくある3つの勘違いについて詳しく解説します。

管理職や人事が陥る3つの勘違い

カイラボが考える、管理職や人事が陥る3つの勘違いは以下の通りです。

  1. うちの会社を辞めても良い転職先なんてない
  2. 特殊な業務内容なので転職市場で評価されない
  3. やむを得ない理由があるなら仕方ない

それでは1つずつ解説してきます。

勘違いその1 いい転職先なんてない

先述した通り、主任・係長クラスは20代後半~30代が多いです。

ある程度の社会経験を積んでいることもあり、転職を受け入れる側としても「即戦力」として迎え入れやすい、とても人気のある年齢層です。にもかかわらず、管理職や人事は以下のような勘違いをしてしまいがちです。

  • マネジメント経験がなければ良い条件はない
  • うちの社員が競争を勝ち抜けるはずがない
  • うちの社員は安定重視だから辞めない
  • 転職すると年収が下がるから辞めない

残念ながら、必ずしもそうとは限りません。

実は、中途採用が難しくなっている昨今、年収を高めに設定して求人を出している企業も少なくないため、場合によっては年収アップが期待できる転職先も存在します。

たしかに、マネジメント経験がないと良い求人情報に巡り合えないことは多々ありますし、安定志向の社員が転職をためらう傾向にあることも現実問題としてあります。

しかし、現代において、20代後半30代の転職市場は一番のボリュームゾーンです。求人自体はたくさんあるため「うちの会社よりもいい転職先などない」と管理職が考えるのは危険です。

勘違いその2 転職市場で評価されない

2つめの勘違いは「求人はあるかもしれないが、そこで評価されることはない」です。

もちろん、転職先や本人の頑張りによっても左右しますが、30歳前後でのキャリアチェンジは十分可能です。

たとえば、以下のようなキャリアチェンジは実際の例がいくつもあります。

  • 管理部門   ⇒ 営業
  • 営業サポート ⇒ 営業
  • 営業     ⇒ 人事

ただし、キャリアチェンジに関しては、年収が大幅に上がるケースは少なく、むしろ下がることも十分ありえます。しかし、それでもいい!と思い切ってキャリアチェンジを選択する人も少なくなく、そこで活躍している人もたくさんいます。

また、営業系の職種は、人材が不足している傾向にあるため採用されやすく、ベンチャー企業であれば、管理部門が不足傾向にあるため、前職が違う畑であっても転職しやすい状況となっています

勘違いその3 やむを得ない退職理由

退職理由の大原則として「上司に本音は言わない」と思っておく必要があります。理由は簡単です。本音を話すメリットがないからです。
退職理由の本音を聞くのはテクニックも必要です。疑い過ぎるのが良いとは言えませんが、相手が言ったことを全てを鵜吞みにするのも危険です。
退職者の本音を聞くためには退職者インタビューも効果的です。退職者インタビューのコツについては下記の記事で詳しく説明しています。

退職理由の背景を考える

陥りやすい勘違いを3つ、紹介しましたが、相手が発した言葉の表面上だけを受け取るのではなく、その理由の先、背景に何があるのか?を想像し、見定めることが重要です

たとえば

  • 「どうしてもやりたい領域の仕事がある」⇒ 今の仕事に意義や将来性を感じない。
  • 「もっと成長できる環境に移りたい」  ⇒ 尊敬できる上司・先輩がいない。
  • 「勤務時間や給料の問題」       ⇒ 業務改善が進まない組織への不満。

言葉を深堀していくと、その人が抱えている悩み、本当の退職理由が隠れていることが多いです。

優秀な人材の流出を出来る限り阻止したいのであれば、企業としてしっかりと対策を講じていく必要があります。

まとめ

今回は、管理職のみなさんが意外と知らない「主任・係長クラスが辞めていく組織の管理職が陥る3つの勘違い」をテーマに解説しました。

主任・係長クラスは、育成コストもかかっていることや、稼ぎ頭かつ、将来の幹部候補として活躍が期待される優秀な人材であることから、離職は会社にとって重大問題です。
主任・係長クラスを統括してる管理職の人たちの多くが転職活動をしたことがないそしきや、転職活動をしたのは10年以上前の人ばかりなどの場合、転職市場のことを正しく理解できなていない可能性があります。そういう職場では今の転職市場がどうなっているのか、アップデートをしていく必要があります。

また「上司には本音を話さない」ことを前提にしながら、相手の言葉の裏側に隠された本当の意図や本音を見抜くことが重要です。

転職市場など働く人を取り巻く環境を知るのには、セミナーや研修の実施も効果的です。
相手の本音を見抜くことは経験も必要になるため、単発の勉強会やセミナー、研修だけで身につくものではありませんが、心理学的な知見などを交え、さらに事前に部下からの転職相談のシミュレーションをしておくことで、トレーニングは可能です。

カイラボでは、企業のご状況に応じて、セミナーや研修の企画提案を行っています。事例を知りたい方は下記より事例をご覧ください。