歌舞伎をはじめとした演劇や映画の製作・配給・興行のほか、不動産事業や新規事業なども手掛ける松竹グループ様にて、松竹グループ全従業員を対象にした、アンコンシャスバイアス研修(オンライン・90分)を実施いたしました。
 研修の実施を決めた理由や、研修中、研修後の様子などを松竹株式会社の松尾様と猿田様にお伺いしました。

1.教育の基本方針とアンコンシャスバイアス研修を企画した理由

井上:松竹では人材育成に力をいれているとお聞きしていますが、教育方針があれば教えていただけますでしょうか?

松尾:まず、会社としては社員に期待する行動として3つの人物像を定義しています。
 ・挑戦する人
 ・価値を最大化する人
 ・組織力を最大化する人

 この3つの能力を強化するために、まず前提として、少なくとも人事から無理やり研修の押し付けはしないように心がけています。現場と経営者の目線、その時々によってそこに存在する課題や求められるテーマは異なるのですが、さまざまな声に寄り添う形で構築できるように心がけています。

 今回のアンコンシャスバイアス研修は、毎年開催しているハラスメント防止セミナーの一環として位置付けています。これまでは定期的に基礎編として展開していましたが、「もう少し踏み込んだ内容を知りたい」「具体的な場面を想定して話を聞きたい」など、より詳細にフォーカスを当てた方が、受講者にとっても価値がある時間になると考えて、アンコンシャスバイアスをテーマにした研修を開催することにしました。

 希望者が参加する形式なのですが、募集開始時から申込者が多く、例年は100人前後の参加者なのに対し、今回は約300人の応募があり驚きました。

井上:テーマとしてアンコンシャスバイアスを選んだ理由は何ですか?

松尾:職場におけるハラスメント防止の切り口として有効だと思ったからです。最近だとアンコンシャスバイアスのコマーシャルも放送されているので、きっと社員も「ああ、あれね」と思って、理解しやすいテーマだと思いましたし、全員が当事者意識で聞けると考えたからです。

2.カイラボに研修を依頼した経緯と理由

井上:ハラスメント研修やアンコンシャスバイアス研修を提供している会社は多いと思いますが、その中でカイラボの研修に決めた理由を教えてください。

松尾:他の研修もお願いしているTACさんにご相談したところ、カイラボの井上さんをご紹介いただきました。

 最初の打合せ(井上も同席)の段階で「いいな」と思いました。初回の打ち合わせでカリキュラム案についても詳細にご説明いただき、エッセンスがわかりやすかったです。井上さんのキャラクターも今回のテーマに合っていると思いました。ハラスメントやアンコンシャスバイアス等のテーマを取り上げる際は、堅苦し過ぎてもいけないけど、かといって面白おかしくやり過ぎてもいけないと思うのですが、打合せの雰囲気からそのあたりをバランスよく研修をやって頂けそうだと考えました。

 また、チャットを活用して講師と社員の双方向のコミュニケーションを図りながら進めていただけるという話しもあったので、その点も安心しました。講師の話を一方的に聞いて終わりだと社員は「じゃあ、その先はどうしたらいいの?」と思ってしまうテーマなので、実際にチャットを使った会話のキャッチボールの実践があったのはよかったですね。

3.YouTubeを見ているようなテンポと受講者に寄り添う姿勢が良かった(事務局視点の感想)

井上:オンラインで約300人が参加する研修でしたが、事務局として様子を見ていかがでしたか?

松尾:最初、約300人の申し込みがあったときは松竹グループ全体として「ハラスメントに対する正しい知識を得たい」と思っている社員が増えていることに驚きました。それだけ期待されている中での開催で、プレッシャーを感じていましたが、実際に研修をやってみて満足でした。

 他の講師の方とは違う点として、井上さんの研修はYouTubeを見ているようなテンポのよさで、まず飽きませんし、チャットでの発言もすべて受容してくれるので、講師というよりカウンセラーとしゃべっている感覚になります。一方的に学術的、定義的だけ聞かされるのではなく、寄り添って頂ける姿勢が良いと思います。

 チャットの盛り上がりも良かったですね。ハラスメントに関して、注意喚起ばかりのセミナーも多い中、実践的な内容を入れて頂いたので楽しめましたし、一方的に聞くより、参加型の方が考える癖がつくので良いと思いました。

井上:私もチャットがあそこまで盛り上がるとは思いませんでした。会社によってはチャットが必要最低限しか活用されない場合もあるのですが、松竹さんは社員の方々の発想も豊かなので、色々な意見が飛び交っていて、話している方としてもチャットを見ていて楽しかったです。

4.満足度94%・理解度96% 好評だったオンライン研修

井上:参加者の声やアンケートの結果なども可能な範囲で教えていただけますでしょうか?

猿田:研修後に行った社員のアンケートでも、講師の満足度91%、講義の理解度96%、研修の有用度93%、全体の満足度94%が大変満足という結果でした。全部が90%以上満足の研修は大変珍しいです。

 参加者の声として、「今まではハラスメントが怖くて指導ができませんでしたが、どこからがハラスメントなのかクリアになり指導しやすくなりました。」という意見が多数ありました。井上さんの研修では、一般的な事例ではなく弊社との共通点が多い事例を挙げてくださるので、自分事として捉えやすく勉強になります。

 他の声として、「誰もが無意識に偏見を持っているという点が恐ろしいと感じました。思い込みや自分の価値観、自分の認識から改めたいです。」という意見もありました。「勉強になりました。」で終わらずに、自分の改めるべき行動を述べた感想が多かったのも印象的です。

5.実践的な内容を増やして人材教育にますます力を入れていく

井上:今後、人材育成をどんな風に進めていきたいか、計画があれば教えてください。

松尾:今回の研修で分かったことが、ZOOMを使い慣れていない人も多く、チャットや画面共有ができない社員がいることもわかりました。そのあたりはオンライン研修をやるときには基本スキルを揃えておく必要がありますね。

 当社グループは複数の事業体があるため、社員の働き方も多様です。それぞれの状況に応じて最適な教育機会の提供が大切だと思います。今回、アンコンシャスバイアスは好評だったので、他のテーマでも実践的な内容を増やしていきたいと思っています。

6.参加者の声

カイラボのアンコンシャスバイアス研修に対するアンケート回答の一部をご紹介します。

【講師に対しての感想】
・90分は長いかなと思っていたが、堅苦しくない講師の方で飽きることなくしっかり聴くことができた。
・とても分かり易く、松竹に沿った内容も盛り込んでくれたころで自分の中に落とし込むことができた。
・今回は最新の情報もきちんとアップデートされていて話し方も工夫されていてよかった。
・おもしろくて理解も進む。今までの人事部のセミナーで一番優良な講師と思った。

【セミナーの内容に関しての感想】
・自分が意識していなくても、知らぬうちに人へバイアスをかけている事もあるのかと、少し怖くなった。
・日々「これは?」と思う事があった際にも、境界線が明確になり参考になるセミナーだった。

【チャットを使ったフレームワークに関しての感想】
・挙手で意見を出すよりも発言が多く非常に良かった。
・講師の方がタイムリーに参加者とコミュニケーションを取りながら進めている研修はとても新鮮だった。
・オンラインで聞くだけになりがちなところ、チャット等で積極的に講義に集中できた。

松竹株式会社のご紹介

会社概要
社名:松竹株式会社
代表:代表取締役社長 社長執行役員  髙橋敏弘
所在地:〒104-8422 東京都中央区築地4丁目1番1号 東劇ビル
設立:1920年(大正9年)
webサイト:https://www.shochiku.co.jp