福利厚生の充実が離職対策にならない理由 ハーズバーグの二要因理論で考える社員の定着率向上の方法

編集部

今回のテーマは「福利厚生の充実が離職対策にならない理由」です。この記事の内容は動画解説でより詳しくご覧いただけます。

福利厚生の充実は企業によっては有効

離職対策の一環として「福利厚生の充実」に取り組んでいる企業が多くあり、また福利厚生をサービスとして提供している企業が「福利厚生の充実が離職対策として有効」と謳っています。

しかし、カイラボでは福利厚生の充実が離職対策に有効な企業とそうでない企業があると考えます。

その違いが分かるのが、以前よりカイラボが提唱している「ナインボックス」という考え方です。

ナインボックスとはハーズバーグの二要因理論というものをベースにしています。

上記の図でわかるように、職場の満足度の要因として

・「満足を生む要因=動機付け要因」

・「不満足を生む要因=衛生要因」

この2つに分かれます。

「満足を生む要因=動機付け要因」を縦軸、「不満足を生む要因=衛生要因」と横軸にとり、9個に分けたものがナインボックスです。

動機付け要因が上に行けば行くほど満たされており、衛生要因は右に行けばば行くほど不満足を生む要因が少ない状況を表しています。

ざっくりと分けた9表現ですが、カイラボではこのナインボックスを利用して、現在の職場がどういう状況であるかを考えてもらうツールとして使用しています。

では、このナインボックスを使って、今回のテーマ「福利厚生の充実」が離職対策に有効なケース・無効なケースを見ていきましょう。

福利厚生の充実が有効なケース

まず福利厚生の充実=衛生要因の充実向上 になります。

主な衛生要因の内容として

  • 会社や政策や方針
  • 管理監督の方法
  • 給与
  • 詐欺用環境     

これらを踏まえたうえで再度ナインボックスを見てみましょう。

福利厚生の充実が離職対策に有効な組織

先にお伝えした通り、福利厚生の充実=衛生要因の充実向上 ですから、まだ赤枠が右側に行く余地があるパターンの企業は福利厚生の充実が離職対策に有効であると考えます。

福利厚生の充実が離職対策に無効な組織

反対に、赤枠が右側に行き切ってしまっている企業は、福利厚生を充実させても離職対策にはならないと考えます。

なぜなら、この位置にいる企業に多い離職理由は”やりがいの無さ”や”成長予感が無い”といった理由がほどんどであり、充実した福利厚生を用意したところで全く意味を為しません。

大手企業ほど離職対策が福利厚生に偏りがちな理由

働き甲斐の向上対策などに比べて、福利厚生はお金をかければ比較的簡単に充実させることが可能です。お金がかかることとはいえ、社員の手間が特に増えるわけでもなく大きな反対もないため予算が取れやすい傾向にあります。

そのため結果的に、ある程度お金に余裕がある大手企業ほど福利厚生の充実に走りがちと言えるでしょう。

一方で、お金がない、もしくはお金をかけたくない中小企業は、福利厚生の充実よりも社員のやりがい向上に取り組む傾向が強いです。

まとめ

冒頭で、「福利厚生の充実が離職対策にならない理由」とセンセーショナルに書き立ててしまいましたが、全く意味がないと言いたい訳ではありません。

福利厚生の充実が離職対策に有効になる組織とならない組織が存在します。ナインボックスを有効活用し、自分の会社がどちらに当てはまるのか、見極めが重要です。

また、やりやすい離職対策=効果が出る離職対策 とは限りません。やりやすさと効果は別に考えるべきでしょう。

本日紹介したナインボックスについては他動画で詳しく解説をしていますので、ぜひご覧ください。