中小企業が採用動画を活用するときに知っておきたい4つのポイント

編集部

採用において動画を活用する企業が増えています。

これまでは採用サイトに社員の写真とインタビュー記事が並んでいることが多かったですが、最近ではインタビュー動画を複数並べている企業もあります。

とはいえ、動画を撮ってWebサイトやYoutubeに掲載しておけば自然と応募が増えるほど甘くありません。 今回は、採用につながる動画の活用方法について4つのポイントに分けてお伝えします。

ポイント1.採用動画はかっこいい動画よりも仕事の様子がわかる動画

1つ目のポイントは「かっこいい動画よりも仕事の様子がわかる動画づくり」を心がけることです。

動画というと、どうしてもテレビCMで見るようなカッコイイ動画を作りたくなりますが、「動画のカッコいいこと」と「採用につながる」ことは別です。

すでに名前が知られている有名企業であれば、かっこいいイメージやアットホームなイメージを訴求するような動画でも採用に繋がるかもしれません。

しかし、中小企業の場合、イメージ訴求のなかっこいい動画を流しても、見ている側にとって「結局なんの会社かわからなかった」と思われたのでは、採用には繋がりません。

採用に効果的な動画づくりにとって必要なのは、「仕事の様子が分かる」ことです。

具体的な動画の内容としては

・インタビュー動画

・実際の営業の密着動画

などが挙げられます。

社員の方の声や現場で働いている方の様子を撮影して30秒から1分程度の動画にすることで、「この会社に入社したら自分がどういう仕事をするのか」「どういう雰囲気で社員が働いているのか」を求職者の方に伝えることができ、求職者の方も知りたい情報を動画から得ることができます。 

実際、キャリタスという求人サイトを運営する株式会社ディスコの調査では、就活生が知りたい情報のランキングは

1位 実際の仕事内容

2位 社風

3位 他者と比べた強み・弱み

という調査結果が出ています。

このような調査も踏まえると、会社で採用のための動画を作成する際には、実際に働いている人の様子や社風、雰囲気が伝わるような動画を作成するのが大切です。 

動画をつくりたいけど、どんな内容が良いのかわからないという方は下記から採用説明会で話すべき内容整理ができるワークシートや、動画制作スタートアップマニュアルがダウンロード可能ですので、是非参考にしてみてください。

・採用説明会を成功させるためのプレゼンテーション力アップ講座 ワークシート

・採用動画制作スタートアップマニュアル

ポイント2.編集をできる限りしない一発撮りがおすすめ

二つ目のポイントは「中小企業は編集をできる限りしない一発撮りがおすすめ」ということです。

インタビュー動画の撮影方法はいくつかあります。

一つは、インタビュー中にカメラを回しっぱなしにし、あとから編集する方法です。

たとえば、映像の制作会社にインタビュー動画の制作を依頼した場合には、この撮影方法で制作することが多いです。社員の方が話している様子を、右と左の両方向から撮影し、その撮った映像の中から編集でカットしてつなげて動画を作成するという方法です。

この方法のメリットは「インタビューされる側が自然体で話をすることができる」ことです。

カメラを回しっぱなしにすることで、次第に撮影されていることが気にならなくなり、自然に話している様子を動画にすることができます。

デメリットは「編集に非常に時間がかかる」という点です。

1分〜2分の動画を作るのに、動画の取捨選択や加工などの作業にかなりの工数がかかってしまいます。

もう一つは、ほとんど編集をせずにインタビューを一発撮りする方法です。

イメージとしては、結婚披露宴で流れる知人や先輩からのメッセージ動画がイメージしやすいかもしれません。新郎新婦に対するメッセージをプロジェクターで流す動画をみたことがある方もいらっしゃると思いますが、そうした動画のようにほとんど編集せずに一発録りで撮影するという撮影方法です。

この方法のメリットは、

・その場で何度でも撮り直しができること

・編集の時間がほとんどかからない

という点です。

デメリットは「話す方が緊張してしまい、うまく話をすることができない」ことです。

また、話し慣れない分、話が短くなってしまい動画の尺が足りなくなってしまうとい う点もデメリットとして挙げられます。

以上を踏まえた上で、中小企業の方に1発撮りでの撮影をお勧めしている理由は、「担当者の負担を減らすことができる」からです。

中小企業の場合、一人ひとりの方が会社で担っている役割が大きく、そもそも動画の作成や編集作業にそれほど時間がかけられない企業が多いと思います。コスト面、時間面などを考慮すると、「一発撮り」での撮影の方がお薦めです。

また、「一発撮り」の具体的な動画制作の流れとしては

  1. 話をする方に、「1分間で話してください」と伝える
  2. 話をする方は、15分程度で話す内容を原稿にまとめる
  3. まとめた原稿を添削したり、話す練習をする
  4. 一発撮りで撮影する
  5. 動画をアップロードする

という流れで撮ると比較的短い時間で撮影を完了することができます。このように一発撮りであれば、工数がそれほどかからずに動画を作成することができます。

大企業の広報の方の場合、話をすることに慣れていることもあり、1時間のインタビューの中で、求職者・就活が知りたいことを意識しながら話すことができる方が多いと感じています。

一方で、中小企業の現場の社員は、カメラの前で話すことに慣れている方が少なく、人事担当の方でも求職者や就活生が知りたい内容を伝えられる方は多くないという印象をもっています。

そのため、カメラを2つ使って1時間ほど撮影をしても、使える場面が少なかったということが起きてしまいます。一発録りであれば、こうした事態も避けることができるため、普段から撮影慣れしていない方には、一発録りお薦めをします。

ポイント3.動画の時間は最大3分、できれば1分以内の短めで

3つのポイントは「動画の時間はできるだけ短くする」ということです。

イメージとしては、最大3分、できれば1分以内が理想的です。

なぜ、1分〜3分程度が動画の時間として適当かというと、「求職者が手軽に見ることができる」からです。
短い時間の動画であれば、ちょっとした時間でも視聴することができるため

・面接の前に改めて会社の考えを頭に入れるために動画をみる

・動画を見ながら自分が話すことや質問事項を整理するために視聴する

・電車の待ち時間などで動画を開いて見る

という使い方をすることができ、より多くの求職者や就活生に動画をみてもらうことができるはずです。

反対に1時間の動画の場合、視聴するのに時間も労力もかかってしまい、再生されづらくなってしまいます。

また内定者や求職の方に動画を送る場合でも、1分から3分程度の動画であれば送りやすく、見る側もすぐに見ることができるという利点もあります。

ポイント4.サイトに貼っておくだけでは誰も見ない!動画は継続的につくって流す

四つ目のポイントは「動画は継続的につくってたくさん流す」ことです。
作成した動画を自社のサイトに載せておくだけ、またはYoutubeに上げておくだけでは、多くの方に見ていただくことは難しいです。

より多くの方に見ていただくためのポイントは、

・動画を継続的に作り続ける

・LINEやメール、SNSを通じて多くの人に動画の存在を知らせる

より多く、高い頻度で動画を発信するためには、1本の完成度の高い動画をつくるよりも、完成度は多少低くても、コンスタントに動画を作成し発信する方が効果的です。特に、動画をつくりはじめたばかりの頃は、定期的な発信を心がけましょう。

ことが大切です。

また、その動画をLINEやSNSなどを通じて、拡散したり送ったりすることでさらに多くの方が動画を見てくれるはずです。

動画活用で内定辞退率を大きく下げた事例

ある会社の事例ですが、「動画を活用することで内定辞退率を大きく下げた」会社があります。

こうした事例からもわかる通り、採用に動画を活用する際には、たくさん動画を作成しておいていろんな角度から自分の会社の魅力や雰囲気を紹介する方法が効果的です。

その会社では、内定者の方に2週間に1回程度のペースで動画を撮影し、簡単なメッセージを付け加え、動画を内定者のグループラインで送っていました。動画を定期的に発信するというこの取り組みによって、内定を辞退する方がかなり減ったそうです。

さいごに:継続的な動画発信のため動画制作の内製化を目指す

動画制作をしたいといっても「動画制作の知識がない」「社内に動画をつくれるスタッフがいない」という企業の方もいらっしゃると思います。

しかし、最近では動画制作の経験がない方でも使える様々なツールがあります。たとえば、無料で使用できる「iMovie」という iphone・ipodに元から入っている動画編集ソフトや有料のアプリでも数百円から使えるアプリもあります。

また、われわれカイラボ では、1分以内の動画を簡単に一発撮りできるHinome(ヒノメ)というアプリも開発をして、2019年の8月からサービスの提供をしています。

・採用動画制作アプリHinome

今の時代、動画制作に使えるアプリやツールが数多く流通しているため、外部の制作会社に外注するよりも内部で内製化して動画を作ることをおすすめしております。

そして、ツールやアプリを活用しながら

・自分の会社であれば、どういう動画が効果的か

・雰囲気や社風は、どのような動画であれば伝わるか

・仕事内容は、どういう場面を撮影した方がいいか

などを試行錯誤しながら、自分の会社に応じた動画の活用方法を見つけていってください。