この記事は2018年7月18日のメルマガ内容を編集しなおしたものです。カイラボのメルマガ登録はこちらから。


 

採用難の時代にあって、早期離職防止への注目度も高まっていると感じます。
確かに離職率を減らすことは企業にとっても大切なことですが、私はもっと大切なのはネガティブ離職を減らすことだと思っています。

 

早期離職白書2013をつくった際、100人の方へインタビューとアンケートを行いました。
その時、退職した企業に対する満足度を調査しています。労働条件、福利厚生、人間関係などの各項目に加え、総合満足度も聞いています。このときの総合満足度で満足だったものをポジティブ離職、不満足だったものをネガティブ離職と定義しています。

 

100人のアンケートでは、7割がネガティブ離職、2割がポジティブ離職でした。
(1割は「どちらでもない」の回答)

 

さらに、ネガティブ離職とポジティブ離職で大きく差が出た項目が「上司・先輩」についてでした。
上司からの指導や、先輩社員とのコミュニケーションなどがネガティブ離職かポジティブ離職かをわける大きな要因といえるかもしれません。

 

就職も転職も口コミサイトが数多く存在し、SNSの拡散力も強い近年において、ネガティブ離職が増えることはネガティブな口コミを増やすことにもなりかねません。
また、ネガティブ離職が起きてしまっている時点で、残っている他の社員も同じように不満を感じている人はいるかもしれません。

 

一方、見かけ上は同じように早期離職だったとしても、ポジティブ離職の場合であれば悪い口コミが広がる可能性は低いでしょう。もしかしたら、知り合いを社員として紹介してくれるかもしれませんし、出戻りもあるかもしれません。退職後も社員同士の個人的なつながりなどがあれば、転職先の企業と協業の可能性もあるかもしれません。

 

ネガティブ離職とポジティブ離職をわける要因は、先ほども書いた通り「上司・先輩」のかかわりが強いと思われます。
特に、上司や先輩が活き活きと働いているかという点は非常に重要だと思います。

早期離職が気になる企業の多くは採用や新人研修に力をいれます。それは非常に重要なことですが、上司や先輩社員に対するサポートは不足しているケースも多いと感じます。

早期離職を減らしたいのなら、まずは今いる社員を大切にすることからです。

 


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