早期離職対策には必須の知識:若手社員がやる気をなくす言葉ランキング

編集部

皆さんは日々、若手社員にどんな言葉をかけていますか?

今回は、若手社員が言われるとやる気をなくす言葉のランキングをご紹介します。 新たな環境で一生懸命頑張っている新入社員や若手社員にとって、上司や先輩からかけられる言葉の影響力は大きいです。

それだけに、言われるとやる気をなくしてしまうような言葉をかけることはできるだけ避けたいものですが、上司や先輩社員の方々が無意識にそういった言葉を発しているケースもあります。

この記事を参考にしながら、普段の声がけに注意を払ってみてください。 今回は、二種類のランキングを紹介します。

養命酒酒造によるランキング

ランキングの一つ目は養命酒酒造による調査です。
2018年に行われた「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査」というものがあります。
対象は一都三県在住で、東京都で働く 20 歳~59 歳の ビジネスパーソン 1,000 名の有効回答を回収したものです。

それでは、ランキングを紹介しましょう。
今回は第3位からカウントダウン形式で発表します。

第3位「まだ終わらないの?」/「仕事遅いね」(21.0%)

仕事をしているときに、「そんな仕事まだ終わらないの?」や「仕事遅いね」と声をかけられると、若手社員は「一生懸命取り組んでいるのに、なぜそんなことを言われるのか?」と反発心を持ちます。

こういう言葉をかけてしまうということは、裏を返せば、人材育成や管理体制がうまくいっていないとも言えます。

もしかしたら、この言葉をかけられた若手社員は上司や先輩の教え方が悪いと思っているかもしれません。「自分のことを棚に上げてよく言うよ」と感じている若手社員もいるかもしれないのです。

第2位「前にも言ったよね?」(23.9%)

この言葉は、つい口から出てしまったという経験のある方も多いのではないでしょうか。 「前にも言ったよね?」と言われるのは、たとえそれが事実であったとしても良い気分はしません。
若手社員は「そんなこと言われた覚えはない」と感じているかもしれません。 また、前に言われたことを直してないということは、若手社員は前に言われた内容に納得していないのかもしれません。

そこに追い討ちをかけるように、再び納得できないフィードバックをしてしまっては、何の進展もないばかりか、お互いの信頼関係も崩れていってしまいます。

第1位「常識でしょ」/「当たり前でしょ」(24.4%)

この言葉も、かけられて良い気分がする方はいないでしょう。
今は多様性の時代です。人によって色々な考え方があることを認識しなければなりません。 自分にとっての常識が他の人にとっても常識とは限りません。

それがあたかも万人に通用するものかのように「常識でしょ」と言われても、「そんな常識は知らない」と思ってしまう人もいます。

「常識でしょ」「当たり前でしょ」となんて言ったら、嫌われるのは常識でしょ?

なんて言われたら、いい気分はしないですよね(笑)
最近のマネジメントの考え方として、指示や指導をする際、指示の背景や理由も丁寧に説明する必要があると言われます。「常識でしょ」は、こういった風潮と正反対の言葉でもあるのです。

ソニー生命によるランキング

もう一つのランキングはソニー生命による調査です。
2019年に実施された「社会人1年目と2年目の意識調査」というアンケートの中で、1,000人の新社会人に「やる気が奪われてしまう言葉は何ですか?」と聞いています。

こちらもカウントダウン形式でご紹介していきます。

第3位「ゆとり世代だなぁ」(23.7%)

以前と比べると「ゆとり世代」という揶揄は聞かなくなった気もしますが、 何かあるごとと、「ゆとり世代だなぁ」と言いたくなる方もいるでしょう。

言われた本人からすると、「ゆとり世代」と一括りのレッテルを貼られて、良い気分はしません。
上司や先輩社員としては、「私とは世代が違うね」といった軽い意味で使ってしまう方もいるかもしれませんが、やはりこれはNGワードです。

第2位「やる気ある?」(25.5%)

多くの人は「やる気ある?」と言われた途端、やる気がなくなるのではないでしょうか?大なり小なりやる気があるからやっているのに、こんな言葉をかけられたらやる気がなくなります。

上司のあなたの一言がやる気を失わせていることすらあるかもしれません。 上司や先輩社員としては、若手社員の奮起を促す意味でかけている言葉かもしれませんが、受け取る側の視点に立って考えて見ましょう。

第1位「この仕事向いてないんじゃない?」(31.0%)

これも先ほどの「やる気ある?」と同じように、「この仕事向いていないんじゃないの?」と言われてやる気が出る人はほとんどいないでしょう。

声をかける側としては若手社員の奮起を促しているのかもしれません。もしくは、他の仕事の方が向いているのではないかということを諭しているのかもしれません。 いずれにしても、その真意を伝えずにこの言葉をかけることは危険です。

一度グッと我慢した上で、適切な声がけを心がけよう

ふたつの「若手社員がやる気をなくす言葉ランキング」をご紹介しました。

今回ご紹介したような言葉が思わず口から出てしまいそうになった時、私たちはどうすれば良いのでしょうか?

まず、言葉をかけそうになった自分に気付いたときには、一度グッと我慢することです。一説では「怒りの感情は7秒我慢するとおさまる」とも言われています。思わず何か言いたくなっても、心の中で7秒ゆっくりと数えれば、冷静になれるかもしれません。

そして、言葉をかけることによって、誰にメリットがあるかを考えましょう。自分にも言葉をかけられる若手社員にもメリットがないのであれば辞めるべきです。なにかを伝えたいのなら、他に適切な声がけがあるはずです。

若手社員・新入社員の方にとって、上司や先輩社員のちょっとした言葉でも心や頭に残っているものです。自分の一言には大きな影響があるのだと認識した上で、若手社員の方々に声をかけてください。

今回ご紹介したような言葉をかけてしまいそうになった時は、こういったランキングがあったことを思い出してください。少し間を置いて、適切な言葉をかけられるきっかけとなれば幸いです。