この記事では、職務特性モデルについてご紹介します。
部下のモチベーションアップについて、悩んだことはありませんか?
「どうしたら部下のモチベーションアップするのか?」まさに今、悩んでます!という方もいると思います。
今回は、部下のモチベーションアップについて知っておきたい考え方「職務特性モデル」と「モチベーションアップ度計算式MPS」について解説しています。
こちらの記事はYouTubeにて動画解説もしております。ぜひ参考にしてみてください。
本記事の要約
職務特性モデル
「職務特性モデル」とは、部下のモチベーションを上げるために知っておいて頂きたい考え方です。
主に「中核的職務特性」と「重要な心理状態」から構成されています。
「中核的職務特性」は、モチベーションアップに必要な要素を担っており、
一方で「重要な心理状態」とは、「中核的職務特性」が満たされた仕事をすることによってと生まれる心理状態です。
図のように、「中核的職務特性」を満たす仕事をすると、それぞれの「重要な心理状態」が生まれ、モチベーションアップに繋がると考えられています。
当然、モチベーションアップを生み出す要素となる「中核的職務特性」は特に重要です。
それでは、「5つの中核的職務特性」について深堀して説明していきます。
5つの中核的職務特性
中核的職務特性は5つあります。
- 技能多様性
- タスク完結性
- タスク重要性
- 自律性
- フィードバック
それぞれの言葉の意味と、「重要な心理状態」との関連についてまとめました。
技能多様性
仕事に必要とされている能力(スキル・技能)が複雑さや多様性があるかどうか。
例えば、単純作業が多い職場などは「技能多様性がある」とは言えず、仕事の有意義感に繋がりにくいです。
一方、複雑な作業や、スキル・技術を持っていないとできない仕事などは「技能多様性がある」と言えます。
★「重要な心理状態」⇒「仕事の有意義感」
タスク完結性
仕事の全体を一貫して担当しているかどうか。※全体を担当できる方がタスク完結性が高い。
これは「仕事の全て担当させればいい」といった意味ではなく、全体でどのくらいの範囲を担当出来ているのかをしっかり把握していることが重要になります。
★「重要な心理状態」⇒「仕事の有意義感」
タスク重要性
自分の仕事が会社や社会に影響を与えるか。
★「重要な心理状態」⇒「仕事の有意義感」
自律性
仕事を自分の裁量で進めることができるか。→仕事の「裁量権」です。
1~10まで、やることが全て決まっている・決められているなど、裁量権が無い、または少ない状況下では、「自律性」は低くなるため、おのずと「仕事の責任感」も感じにくくなります。
仕事をする上で自分のやり方、好きなやり方で出来る環境では「自律性」が満たされ、仕事への責任感が生まれます。
★「重要な心理状態」⇒「仕事の責任感」
フィードバック
仕事に対する進捗や成果への反応があるか。
1つ注意なのが、フィードバックは上司から部下といったパターンだけでなく、お客様や同僚なども含まれます。
★「重要な心理状態」⇒「結果への知識」
モチベーションアップ度計算式MPS
「中核的職務特性」を利用した、モチベーションを「スコア化」できる計算式があります。
「技能多様性・タスク完結性・タスク重要性」の合計を3で割って、「自律性」と「フィードバック」をかける式となっています。
ここで注目すべきは、「自律性」と「フィードバック」が、かけ算になっていることです。
ご存知のとおり、かけ算は「0」をかけてしまうと、どんなに大きい数字であっても「0」になってしまいます。
それは、この計算式にも言えることで「自律性」もしくは「フィードバック」のスコアが「0」の場合、他のスコアがどれだけ高くても全体は「0」ということです。
それだけ「自律性」や「フィードバック」が、モチベーションに対しての影響力が大きいとされており、これらを理解することが、最重要ポイントといえます。
まとめ
今回は「職務特性モデル」についてお伝えしました。
その中の「5つの中核的職務特性」について、皆さんの職場では満たせていましたでしょうか?
もちろん、業種や職種によっては難しい特性があるかもしれません。
しかし、その場合でも「他の部分で、満たし補うことは出来ているか?」など、様々な観点で職場や仕事を見直してみるのもいいかもしれません。
また、「自律性」と「フィードバック」は最重要項目となります。
自身の部下はどうなのか?この動画を通して考えるきっかけになれば幸いです。