最近よく耳にする用語、「オンボーディング」。
なんとなく意味はわかるものの、どういったものかよくわからないという人もいるのではないでしょうか。
オンボーディングは、実は若手社員の離職対策に欠かせない考え方なのです。
この記事では、オンボーディングについて詳しく解説しています。オンボーディングや若手社員の離職対策について知りたい人は、ぜひご参考ください。
本記事の要約
オンボーディングとは
そもそオンボーディングとは、どういった意味をもつのでしょうか。
オンボーディングは、「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から派生した言葉です。新しく乗組員が乗船してきた時、操縦の仕方や艦内のルールを覚えてもらい、職場に早く慣れていってもらうためのプロセスを指します。
会社の人事においても、新入社員に向けて職場に慣れてもらうための取り組みを「オンボーディング」と言います。
具体的な内容のイメージとしては、同じ船に乗る仲間や場所に、早く慣れてもらうために実行することです。
例えば艦内の説明を行ったり、仲間たちに馴染んでもらうように飲み会をするなどは、全てオンボーディングに当たるといえるでしょう。
解説動画
こちらの記事の内容は、動画でも解説しています。ぜひこちらも合わせてご視聴ください。
なぜオンボーディングが注目されるのか
それでは、なぜ今オンボーディングが注目されているのでしょうか。多くの企業が人材確保、及び早期戦力化の課題を抱えているためです。
人手不足は、様々な業界で問題になっています。
ベンチャー企業や、特にIT企業の人材不足は以前から危惧されており、人材確保は非常に大きな課題になっています。
さらに、早期戦力化の課題です。例えば、新卒で入社し最初の何年かは雑用をするという、昔の丁稚奉公のような育て方では間に合いません。
今は新入社員にも早い段階で戦力になってもらわなければ、会社としては困るのです。早期戦力化するためには、本人のスキルアップだけでなく、職場に早く馴染むことも大切です。
スキルアップや社会人としてのマインドセットだけでなく、職場に慣れることについても全てオンボーディングという言葉に含まれます。
オンボーディングは企業の人材確保と早期戦力化に欠かせないため、最近ではオンボーディングのサポートサービスが様々な会社から提供されています。
オンボーディングでよく聞くキーワード
オンボーディングの中でよく聞かれるキーワードは、次の4つです。
- 職場への適応
- 能力発揮
- 成長
- 定着
これらは、「オンボーディング」で検索したときに、よく一緒に表示されるキーワードです。
また、サポートサービスの内容にも上のようなキーワードがよく出てきます。サービスの内容は主に、新入社員の職場への適用を促す、能力が発揮できるようにサポートする、成長を促す、定着を支援するなどがあります。
「オンボーディング」というと、横文字に苦手な印象を持つ人もいるかもしれません。
苦手に感じる人は、オンボーディングは上の4つのキーワードに関することを行う、と読み替えてみるとわかりやすくなります。
具体的なオンボーディングの方法例
では、オンボーディングには具体的にどのような方法があるのでしょうか。
例えば、次のような方法があります。
- OJT制度の見直しやトレーナーのレベルアップ
- メンター制度などの新人支援制度導入
- ピアボーナス制度などの導入
新入社員や中途入社の社員に対するOJTの制度を見直したり、OJTの選び方を検討し直すことや、トレーナー自身のレベルを向上するために研修会や勉強会を行うケースもあります。
またOJT制度とは別に、メンター制度などの新人支援制度やピアボーナス制度を導入するのも、広い意味でのオンボーディングといえます。
ピアボーナス制度とは、社員同士で相手にお礼とともにポイントを贈ることができ、ポイントが貯まると何かと交換できるなどの特典がある制度です。
ピアボーナス制度が入っている社内の支援システムや人事労務管理のシステム、タレントマネジメントシステムでは、オンボーディングというキーワードで宣伝しているケースが多くみられます。
実はカイラボの早期離職対策も、オンボーディングの一つです。カイラボの場合は「オンボーディング」ではなく、創業当初から「早期離職対策」という言葉を使用しています。オンボーディングという概念が広まる前からつかっている「早期離職対策」を今もつかい続けているためです。
まとめ
今、オンボーディングの重要性は様々な組織で高まっています。
背景には、人手不足の問題や、早期戦力化していかなければ厳しいという企業の状況があります。
オンボーディングはベンチャー企業だけでなく、いわゆるレガシー企業といわれる大手の企業や重厚・長大産業でも重要視されるようになってきました。
オンボーディングの方法は、会社によって多種多様です。
採用手法がオンボーディングの領域だという会社もあれば、採用そのものだという会社もあります。
人や組織によってオンボーディングの定義は様々なので、細かい定義にこだわるのではなく、職場でオンボーディングをどのように定義するのかが重要になります。
オンボーディングには、様々な対策や施策があります。その組織に適したオンボーディングを選ぶことが大切です。