最近、1on1を導入している企業が増えてきています。
webで「1on1 やり方」と検索すると、同時に「1on1 やりたくない」「1on1 やめたい」「1on1 ムダ」といったネガティブな意見も同時に出てくるようです。
この記事では、1on1の進め方や疑問点について初心者でもわかるように解説しています。
本記事の要約
1on1とは
はじめに、1on1がどのような定義になるのかを確認しておきましょう。
それぞれの組織や会社によって1on1の定義は異なると思いますが、一般的な定義は次のようになります。
- 上司と部下が1対1で行う
- 週一や月一などで定期的に行う
- 評価が目的ではない
- 目標への進捗確認が目的
- 個人的なキャリアの目標も話題の範囲内
1on1を行う頻度は、週一回、最低でも月に一回のペースで行います。
1on1の目的は社員を評価することではなく、目標への進捗確認です。目標には、個人的なキャリアの目標も含まれます。
個人的なキャリアの目標とは、将来的にどういう仕事をしていきたいかということです。
例えば、今は営業部門にいるけれど、最終的には企画部門に行きたいという希望や可能性を含めて話をするのが1on1の大きな特徴です。
1on1の定義について会社や組織によって異なる部分としては、例えば上司と部下が行うという点が、OJT担当と新入社員という組み合わせに変わるのも珍しいことではありません。
ここで挙げた定義は、あくまで一般的なものになります。
(この記事の内容は、こちらの動画でも解説しています。)
おすすめの1on1の進め方
1on1におけるおすすめの進め方について、大まかな流れは次の1〜5のようになります。
- 導入(アイスブレイク)と体調確認
- 目標と進捗状況確認
- モチベーションアップ支援
- 今回のテーマ
- 感想共有や次回へのアクション
まずはじめに、相手の最近の調子などを聞くことから入り、次に事前に決めている目標についての進捗をすり合わせします。
目標の進み具合がうまくいっていれば、さらに個人の目標とうまく関連付けるなどのモチベーションを上げる働きかけをします。
その後、あらかじめ用意しておいたテーマについて意見を求めるなどして話し合います。
最後に、テーマについての感想を共有し、次回へのアクションへつなげて終了になります。
進め方について、1から5の項目をすべてやらなければいけないというわけではありません。
1on1にかけられる時間によって、短ければ1から3までで終了でもよいでしょう。
また1on1に30分以上時間がとれるのであれば、1から5までしっかり話をするというように、状況に応じて使い分けてください。
1on1に適したテーマ
上で述べた進め方で、「今回のテーマ」についてどのようなテーマを使えばよいのかという質問をよく受けます。
1on1におすすめするテーマの例として、次のような話題があげられます。
- チームをより良くするためには
- 業務効率アップのためにできそうなこと
- 他の組織から学べること
大事なことは、相手から意見を聞くということです。テーマについての結論が最後に出なくても構いません。
意見を聞いた中から新しいアイディアを得たり、さらに意見を発展させることができれば十分です。
他の人にも同じテーマについて意見を聞いたものをまとめ、また次回の1on1につなげるという進め方がおすすめです。
1on1初心者が陥りやすい罠
これまでで、1on1の進め方とおすすめのテーマを紹介しました。
ここでさらに、1on1初心者が陥りやすい罠についても紹介します。
初心者が陥りやすい罠には、次のようなものがあります。
- 雑談を恐れすぎる罠
- 雑談だけになってしまう罠
- 問題解決しようとしてしまう罠
それぞれ、その内容を詳しく説明していきます。
雑談を恐れすぎる罠
雑談をした方がいいとわかっていても、1on1という場が設けられていることから、結論を導かなければならない、または雑談で終わらせてはいけないと考えがちです。
単純に1on1にかけられる時間が短いために、雑談ができないというケースもあります。
雑談がなければ、1on1が堅苦しい雰囲気のまま終わってしまうことも少なくありません。
雑談だけになってしまう罠
逆に話すテーマが見つからないため、雑談だけで終わってしまうこともあります。週に1回など、頻繁に1on1を行っている場合によく起こるケースです。
休憩時に自販機の前やカフェルームでもできた話では、わざわざ1on1でやる意味がなくなってしまいます。
問題解決しようとしてしまう罠
上司が真面目な人ほどよく起こるケースです。
部下から悩み相談を受けた時に、その場で問題を解決したい、そのことによって感謝されたい、次に向けて奮起させたいという場合に起こります。
問題解決をしようという意識は大切ですが、必ずしもその場で解決できなくてもよいのです。
長期的な視点でみると、悩みを受けたときにそれをまず一旦受け入れるだけに留めるのが必要なこともあります。
初心者が1on1で陥りやすい罠について3つを挙げましたが、このような罠にはぜひ気をつけてください。
まとめ
1on1は、いわゆる評価面談とは違います。ここが、よく誤解されるところの一つでもあります。
頻繁に評価面談されていると誤解されるので、部下にとっては嫌だ、上司にとっては面倒だと思われがちなのです。
しかし、1on1は評価面談とはまったく異なるものだということが大きなポイントになります。
1on1で悩みを相談されても、その場で問題解決しなくてもかまいません。さらに言えば、毎回悩み相談の時間とするのではなく、時には雑談で終わってしまう回があっても良いのです。
最近の近況や目標までの進捗がわかれば、今日はここまでで終了という時があってもかまいません。
ただし、毎回そのような形になれば対策が必要になります。
1on1での雑談はよいのですが、雑談だけの場ではないためバランスを意識する必要が出てきます。
相手の成長支援や、目標の状況を把握してモチベーションアップを促していくには、その人の内面を知る必要があります。
内面を知る上で、雑談は有効なツールです。1on1の目的によって、雑談の量を調節してください。
もし1on1をやってみたが効果を感じなかったという人は、今の方法を少し変更してみてください。
少し変えるだけでも、効果は良い方に大きく変わることがあります。
どのように変えればいいか悩んだ際には、この記事を参考にしていただければ幸いです。
みなさんの会社がより良くなるために、ぜひ1on1を活用していってください。