みなさんは自身の勤め先が行っている人材育成についてどう思いますか?
大半の企業は入社後の新人研修からはじまり、年次別研修や昇格者研修があったりするなど、人材育成に力を入れているイメージを持たれてる人も多いかと思います。
しかし、日本生産性本部が行った 「勤め先の教育機会」に関するアンケートでは、 “満足していない”が過半数以上を占めるという結果に。
そこで今回は、「日本企業は人材育成に無関心なのか?」をテーマに、 「企業で起きる人材育成の二極化」を含む 「企業の人材育成」についてお伝えします。
ぜひ、最後までご覧ください。
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本記事の要約
勤め先の教育の機会に満足か?
以下は、日本生産性本部が行った 「勤め先の教育機会」に関するアンケート結果です。
この結果から、教育の機会が十分に与えられていないと感じている人が多いのが分かります。
今後伸ばしたいスキルは?
教育の機会が十分に与えられていない、と感じている人が過半数を超えていましたが、実際に伸ばしたい具体的なスキルが気になるところです。
こちらも日本生産性本部のアンケート結果があります。
- 1位・・特にない
- 2位・・ITを使いこなす一般的な知識・能力
- 3位・・チームワーク、協調性・協働力
- 4位・・コミュニケーション能力、説得力
- 5位・・専門的なITの知識、能力
先のアンケート結果と合わせると「教育の機会が不十分だと感じている が 伸ばしたいスキルは特にない」となり、少々違和感を感じた人もいると思います。
「教育の機会が不十分だ」は、スキル的な話ではなく、仕事の進め方などの「〇〇を教えてもらってない」といった部分でのことかもしれませんが、矛盾を感じざるを得ない結果となりました。
仕事能力向上を実感したきっかけ
「教育の機会が不十分」と感じている中で、“仕事能力向上を実感したきっかけ”についてのアンケート結果があります。
- 1位・・仕事能力向上を実感したことがない
- 2位・・仕事に関して学んだことを、実際に活用できた
- 3位・・従来よりも、レベルの高い業務を担当した
- 4位・・従来とは、分野の異なる業務を担当した
- 5位・・昇進や昇格を経験した
こちらも先のアンケート結果たちと合わせると「伸ばしたいスキルは特になく、仕事能力向上を実感したこともない。しかし教育の機会が不十分だと感じている」となり、まさしく現在の日本企業の状態が表れていると感じました。
会社側が「しっかりと社員教育をしよう!」と思っていても、肝心の社員側の学ぶ意欲や姿勢、危機感があまり無いのが実情。主な原因としては、社員たちは自分が仕事をしている中で、成長している実感だったり、新しいチャレンジをしている感覚がなく、モチベーションに直結していなことが挙げられます。
企業で起きる2種類の人材育成の二極化
これまでカイラボでは、ありがたいことに様々な企業と関わってきました。
その中で感じるのは「人材育成の二極化」です。
二極化には2種類あると考えています。
企業間の二極化
企業間の二極化は、人事育成に「コストをかけられる企業」と「かけられない企業」です。
人材育成にコストをかけられる企業は、OJTを含むたくさんの研修を行います。幹部候補などの将来を期待された社員に対しては海外のMBAに留学させるなどの制度を設けいている企業もあるほどです。
一方で、人材育成にコストをかけられない企業は「人材育成に関するコストは0円」なんてところもあれば、「コスト0」まではいかないものの、必要最低限のコストしかかけてこなかったため、現状の人材育成にかかる金額相場を理解していない企業もあります。
このように、人材育成にお金をかけられる企業と、かけられない企業の二極化が進んでいると感じています。
年次による二極化
年次による二極化とは、同じ企業内で教育の機会が厚い年次と薄い年次があるということです。
たとえば、どの企業も新入社員の教育機会は多い傾向にあります。しかし2年目以降からは全く研修の機会がなく、次の教育の機会は、数年から数十年後に幹部候補になってから・・といったケースが少なくありません。
この年次による二極化が起きると、社内で新しい情報をキャッチアップできている社員とできていない社員が出てきたり、また、新人研修以降ずっと教育の機会がなかった社員が新入社員と仕事をする際、今の新人たちがどのような研修を受けてきたのかが分からず、新入社員からは「実際現場に入ると、研修で聞いていた仕事内容と違う」といった違和感や不安を持たれがちになります。
まとめ
今回は「日本企業は人材育成に無関心なのか?」をテーマに、 「企業で起きる人材育成の二極化」を含む 「企業の人材育成」についてお伝えしました。
- 働く人の過半数は会社の教育機会に不満
- 一方で、伸ばしたいスキルがないという人も多い
- 企業間、企業内で起きる教育機会の二極化
もし、みなさまの働く会社で上記のような課題がある と感じているのであれば企業としてどのような対策をとるのか、ぜひ一度考えてみるのも良いかもしれません。