尊敬できる上司が少なすぎる問題 リーダーシップやマネジメントスキルよりも大切なこと

編集部

みなさんが思う「尊敬できる上司」とは、どんな人物でしょうか。

カイラボが行っている早期離職者インタビューの中で 「尊敬できる上司や先輩がいない」という話をよく聞きます。

そこで今回は、「尊敬できる上司が少なすぎる問題」をテーマに、 リーダーシップやマネジメントスキルよりも大切なこと、をお伝えします。

この記事の内容は動画解説でより詳しくご覧いただけます。

早期離職者インタビューでよく聞く退職理由

よく退職理由として「尊敬できる上司や先輩がいなかった」と聞きますが、これはカイラボが考える早期離職の三大要因「存在承認」「貢献実感」「成長予感」のうち「成長予感」に当てはまります。

たとえば、社会人としての10年後自分を、先輩や上司の姿を見て想像をする人が多いですが、その上司や先輩に対して「憧れ尊敬を感じていなければ、10年後の自分を明るく想像することは難しいでしょう。この「成長予感の不足」が退職理由に直結していきます。

ちなみに、「憧れ」や「尊敬」の気持ちを持てなかっただけで、軽蔑していたわけではなく「とても良い人だったけど、尊敬したり憧れる対象にはならかった」と回答している人が多かったです。

人が会社に愛着をなくす理由

ある会社が行った調査「退職した勤務先に対する愛着・エンゲージメントが下がった要因」では、こんな結果が出てきます。

  • 上司との関わりに不満があった・・・・・47.2%
  • 働き方に不満を感じた・・・・・・・・・31.1%
  • 同僚・部下との関わりに不満があった・・27.4%
  • 成長・やりがいを感じられなくなった・・27.4%

1位上司との関わりに不満があった」について、詳細な理由についての調査結果もあります。

  • 上司がビジネスパーソンとして尊敬できなかった・・68.0%
  • 上司からの理不尽な要求が多かった・・・・・・・・52.0%
  • 上司から威圧感を感じていた・・・・・・・・・・・48.0%

約70%の人が「上司がビジネスパーソンとして尊敬できなかった」と回答し、ダントツの結果となりました。

なぜ尊敬できる上司がいないのか?

カイラボでは「なぜ尊敬できる上司がいないのか」について3つの仮説を立ててみました。

  1. SNS発達で比較対象が拡大している・・相対的に尊敬できない
  2. 価値観の多様化と変容・・・・・・・・・考え方の違いから尊敬できない
  3. リーダーの能力低下・・・・・・・・・・絶対的な能力の低下で尊敬できない

仮説ごとにもう少し詳しく解説します。

仮説1・相対的に尊敬できない

現在、SNSの発達により世界中にいる有名人かつビジネスの成功者に簡単にアクセスすることが出来ます。たとえば、ホリエモンこと堀江貴文氏や、元ZOZOの前澤友介氏などが挙げられます。場合によってはコンタクトをとることもできます。

このような状況だと、自分の上司や先輩SNS上にいる有名なビジネス成功者を、つい比較してしまいがちに。

そのため「ちょっと自分の上司は尊敬できないな」と相対的に尊敬ができなくなってしまっているのではないでしょうか。

仮説2・考え方の違いから尊敬できない

ワーカーホリックの人ワークライフバランスの人を例にすると分かりやすいかもしれません。

仕事に重きを置いているワーカーホリックが、仕事と私生活の調和に重きを置いているワークライフバランスに「仕事を楽しく一生懸命やろう!」と熱く語りかけても、ワークライフバランスの人からすると「そんなに仕事を一生懸命やって何になるの?」「仕事はできるし良い人だけど、あんな人生嫌だ」と思われしまいがちに。

やはり価値観や考え方が相違している分、尊敬するのは難しいのかもしれません。

仮説3・絶対的な能力の低下で尊敬できない

これは単純で、リーダーとしての能力が欠けていることで尊敬されない上司の例です。これは本人の資質的な部分もありますが、年齢による能力低下のパターンや、求められる能力が多様化し追い付いていないパターンも考えられます。

たとえば、コロナ禍になってから2年以上たちますが、未だに1人でzoomやteamsの設定ができない、設定はできても画面共有の操作方法がおぼつかない、これが求められる能力が多様化し追い付いていないパターンです。

そんな上司に「じゃあDXだ!」と言われても、若い社員は「???」となるだけではないでしょうか。

上司はどうすればいいのか?

では上司はどうしたらよいのでしょうか。3つの仮説を基に対策をお伝えします。

  • 相対的に尊敬できない 】 ビジョンの発信自分が目指すものを発信する
  • 価値観の多様化、変容 価値観の受容違う価値観を受け入れる
  • リーダーの能力低下 】 ⇒ リーダーこそ挑戦まず率先して自分が挑戦する)

いわゆる「尊敬されている上司」は、上記3つを取り組んでいるケースが多いように感じます。

まとめ

今回は、「尊敬できる上司が少なすぎる問題」をテーマに、 リーダーシップやマネジメントスキルよりも大切なこと、をお伝えしました。

  • 尊敬できる上司がいないと思っている人は多い
  • 上司が尊敬できな人が多い3つの仮説⇒「相対的」「価値観多様化」「能力低下」
  • 管理職やリーダーこそ変わるべき

若手社員の「尊敬できる上司がいない」に対して、考え方を改めるようアプローチするよりも、まずは管理職やリーダーが変わるべきだとカイラボは考えています。

過去の動画では、「リーダーのあるべき姿」についてや「管理職の方に知ってほしい〇〇」などの動画を出しています。ぜひそちらも参考にしてみてください。