近年、多くの企業で実施されているのが1on1です。
上場企業のうち、1on1を月一回以上実施しているのは約75.0%、そのうち週一回の頻度で実施している企業は約31.4%というデータもあります。(Fringe81株式会社『1on1ミーティングに関する実態調査』2021年)
大きな効果が期待できる1on1ですが、注意点もあります。今回は、1on1における「陥りやすい罠」について解説しています。
この記事の内容は動画解説でより詳しくご覧いただけます。
本記事の要約
1on1とは
1on1とは、上司と部下が定期的に1対1で話し合う場のことです。1on1ミーティングとも呼ばれます。いわゆる評価面談とは異なり、評価が目的ではなく、部下の成長促進が目的です。また、部下の業務に関する内容だけでなく、部下のキャリア全般に関する悩み相談を含むことも特徴です。
1on1(面談)で陥りやすい3つの罠
広く普及してきている1on1ですが、上手く実施できていないケースも少なくありません。1on1がうまく行かない場面で起きている3つの罠をご紹介します。
雑談を恐れすぎてしまう罠
1on1の場では雑談が必要と思っていても、業務上の面談だからといって、雑談を最小限にしようと思ってしまうことがあります。しかし、アイスブレイクや信頼関係の構築において、雑談は効果的です。雑談をうまく活用することで、今後の関係や仕事のコミュニケーションに好循環を生み出せるでしょう。
ところで、皆さんはどのように雑談を進めていますか?
1on1を行う上司に知っておいてほしいポイントは、「雑談の引き出しは多いほうがいい」ということです。例えば、趣味の話をする際でも、聞き出し方や細かい内容で話の流れが大きく変わります。より効果的に行うためには、雑談の引き出しの多さが重要です。
雑談だけになってしまう罠
一つ目とは真逆ですが、雑談のように気楽に1on1行おうとするあまり雑談だけで終わってしまう場合もあります。雑談は重要な一方で、当然、雑談だけでは意味がないため、適度に本題に移る必要もあります。この場合は1on1の頻度が多すぎることが原因です。具体的な悩みがない場合に雑談だけで終わってしまうことがあるのです。
一年に数回程度、雑談だけで終わる回がある分には問題ありません。ただ、雑談だけの1on1が続くようであれば、頻度の見直しが必要です。
問題解決しようとしてしまう罠
真面目な管理職にありがちなのが、部下の悩みをその場で解決しようとすることです。
1on1の時間だけで、上司が無理に問題解決しようとしてしまうと部下は本音を話しにくくなってしまうことがあります。また、場合によっては「自分の意見を上司が論破しようとしている」と感じてしまう危険性もあります。
すべての悩みや問題がその場で解決できるとは限りません。無理に解決策を見出そうとする場合、前者では部下との信頼関係が構築されていればよいのですが、後者では部下からの信頼が薄れてしまうこともあります。
問題があると、解決しなければならないと考えがちですが、1on1は「ガス抜き」の場としても重要です。解決しなくても、一歩近づけば成功と捉えることが大切です。
まとめ
1on1は多くの企業で導入されていますが、うまくいっている組織ばかりではありません。
上手くいかない要因を見つけ、日々改善することが求められます。雑談だけが続くのは1on1の意義が失われてしまいますが、雑談が全くないことも避けなければなりません。
問題解決に固執しすぎず、必ずしも全ての問題を解決する必要はないと考えることが重要です。
【お役立ち動画】
【人手不足対策・定着率向上に役立つメールマガジン】