2020年の働きがいのある会社ランキングが発表されました。
良い会社ランキング、働きがいのある会社ランキングなど、似たような名称のランキングが様々な団体が行っていますが、今回ご紹介するのは、世界的に有名な「GPTW(Great Place to Work)働きがいのある会社ランキング」の2020年版の結果です。
社員数別に大企業部門、中企業部門、小企業部門と分けているので、有名企業ばかりでなく中小企業の方々にも参考になるランキングです。
本記事の要約
GPTW 働きがいのある会社ランキングとは?
GPTW(Great Place to Work)働きがいのある会社ランキングは、調査対象の会社に対して、社員アンケートと会社へのアンケートの二つの結果から、ランキングや働きがいのある会社認定を行っています。
アンケート項目の詳細は明かされていませんが、評価基準はホームページにも掲載されています。
評価基準の構成は以下の通りです。
特徴としては、社員同士の信頼関係と社員一人ひとりが持っている力が最大限発揮できているかの比重が85%と非常に大きいことです。
働きがいのある会社の定義
GPTWでは働きがいについても定義しています。
その定義は、評価項目でもある「信頼」「能力の最大限の発揮」「価値観」「リーダーシップ」「イノベーション」そして「財務的な成長」という言葉をつかい、以下の通り説明されています。
マネジメントと従業員の間の信頼関係などとともに、財務的な成長も働きがいのある会社の定義の中に入れているのが、一つ大きな特徴です。
なお、私たちカイラボでは早期離職者へのインタビューを通じて、早期離職の三大要因を「存在承認」「貢献実感」「成長予感」と言っていますが、GPTWのいう信頼関係や最大限の能力発揮とも共通する部分があるように思います。
働きがいのある会社ランキング
さて、GPTW働きがいのある会社ランキングでは大企業部門、中企業部門、小企業部門という3つの部門別にランキングが発表されています。
大企業部門 働きがいのある会社ランキング
それでは2020年版で発表されたランキングをご紹介します。まずは大企業部門です。大企業部門は社員1000人以上の会社が対象となっています。
大企業部門ランキング
1位 セールスフォース・ドットコム
2位 ディスコ
3位 シスコシステムズ
1位のセールスフォース・ドットコムは世界的にも有名なIT企業です。
2位のディスコは半導体製造装置などを製造しているメーカーです。
3位のシスコシステムズもIT企業です。
大企業部門では上位3社のうち1位と3位がITの会社という結果でした。4位以降の順位についてもGPTW働きがいのある会社ランキングのWebサイトに掲載掲載されていますが、全体的にIT系の企業が多い傾向があります。
中企業部門 働きがいのある会社ランキング
続いて、中企業部門のランキングです。ここでは社員100人~999人までの会社が対象になっています
中規模部門
1位 コンカー
2位 サイボウズ
3位 ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ
1位のコンカーという会社名は聞いたことがない方も多いかもしれませんが、世界的なIT企業SAPの系列のIT会社です。出張や経費管理のクラウドシステムを販売しています。
2位はサイボウズです。同社は働き方改革の事例としても取り上げられることが多いので、知っている方も多いかもしれません。ここまでのIT企業はいわゆる外資系企業が多かったですが、サイボウズは日本のIT企業です。
そして3位がケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ。こちらも聞いたことのない方が多いかもしれませんが、コンサルティング会社です。
中企業部門でも大企業部門と同じようにIT企業が上位にランクインする結果となりました。
小企業部門 働きがいのある会社ランキング
最後に小企業部門のランキングです。小企業部門は社員数25人~99人の会社が対象となっています。
小規模部門
1位 スタメン
2位 現場サポート
3位 難病の子どもとその家族へ夢を
1位のスタメンは愛知県のIT企業です。この会社の特徴は、つくっているITシステムが働きがいのある会社づくりを促進するサービスであること。社員のエンゲージメント向上を支援するクラウドシステムの会社です。
2位の現場サポーは鹿児島県にあるIT企業です。建設現場で働く人々をサポートするシステムを販売しています。
そして第3位が公益財団法人難病の子どもとその家族に夢を。この組織は公益財団法人というのが、これまでご紹介した企業との大きな違いです。今までご紹介した企業はすべて株式会社でしたが、この団体は公益財団法人として医療・福祉分野に取り組んでいます。GPTWでは、株式会社以外の公益法人なども対象としているのが特徴的です。
働きがいのある会社はIT企業ばかり?
ここまで大企業、中企業、小企業、それぞれの部門のランキングを発表しました。それぞれの部門の上位を見ていただくと、そのほとんどがIT系企業です。
大企業部門では製造業1社、中企業部門ではコンサルティング会社が1社、小企業部門では財団法人1社入っていますが、他はすべてIT企業でした。
GPTWは、もともと海外発祥なので外資系の会社が多く、さらにIT系の会社が多い傾向が強いのが特徴です。とはいえ過去には人材系の会社や学習塾などがランクインされていたこともあります。
働きがいのある会社になるためにランキングや表彰制度を積極的に活用する
働きがいをどう定義するのか、働きがいをどう測定するのかについては、様々な考え方があると思います。どのランキングが良くて、どのランキングが悪いというものではありません。
せっかく、こうしたランキングがあるのであれば、自社を良くしていくためにランキングの評価項目を自社の改善に活用してみるなど、参考にしてみることはおすすめです。
場合によっては、こういったランキングや表彰制度に積極的に応募してみることも良いでしょう。GPTWの場合、調査をしてもらうのは無料できるそうです。
自分の会社を働きがいのある会社にしたいと思いながらも、「働きがいのある会社ってどんな会社だろう?」「働きがいをどう定義すればいいんだろう?」と悩んでいる方は、今回ご紹介したGPTWはじめ、いろいろな会社の社員満足度調査、社員意識調査、ランキング、などを参考にしてみてください。表彰制度などは、都道府県が表彰しているものもあります。
例えば、「東京都 ライフ・ワーク・バランス 認定」というキーワードで検索すれば、東京都のワークライフバランス認定制度がでてきます。
是非、会社の所在地や業界の中で応募できるものがないか調べてみてください。