新卒採用・中途採用での情報発信を考える際、「採用の競合はどこなのか?」を考えることは非常に重要です。
そこで今回は、
- 採用競合とは何か?
- 採用競合を考えるときのポイント
をご紹介します。
本記事の要約
採用競合とは?
採用競合とは、求職者が同時に志望する企業群のことを指します。
近い言葉に「競合企業」がありますが、一般的には競合企業というと同じ業界の企業や、顧客属性が同じ、顧客への提供価値が同じ企業を言います。例えばパソコンメーカーの場合「競合企業」は「パソコンを作っている他の会社」になります。
採用競合の場合は少し事情が異なりますので、事例をあげて説明していきます。
「人が好き」という動機から見る、採用競合が別業界となる例
私たち人材業界を志望する学生の方の中には「人が好きだから、人に関わる仕事がしたいです」という方がいます。
「人が好き」という軸で就職先を考えているこの方は、ほかにどんな会社を志望する可能性があるでしょうか?
人に関わる仕事として、「人事」の職種を考える人もいます。他にも「人材業界の仕事」を検討する人もいます。さらに、人材業界と一言に行っても「人材紹介業」「人材派遣業」「求人広告の営業」など、様々な企業があるのです。
さらに、「人が好き」という軸から「接客業をしたい」という人もいます。接客業にも小売業や飲食業など様々な業種があります。
実際、就活生の中には小売業の会社と人材派遣の会社と求人広告の会社を同時に受けている人もいます。決して、片っ端から応募しているわけではなく、学生本人は「人が好き」という軸を持って就職活動をしていますが、応募している業界はバラバラです。
採用競合とはまったく違う業界の可能性もあるのです。
採用競合を考えるときのポイント
自社にとっての採用競合を考える際には、
- 学生や求職者が自社をどの様に見ているか?
- どのような理由で自社を受けに来ているか?
を把握しなければいけません。けれども、これらは自社内や人事、採用担当だけで検討していてはわからないケースもあります。
自分たちだけでわからないのであれば、実際に応募してくれた方にヒアリングを行うことで採用競合を検討する上での材料とするのが有効です。
ヒアリング対象:新卒や中途で入社した方や内定者
採用競合を考えるときにヒアリングの対象として最初にあがってくるのは
- 新卒もしくは中途で入社してきた方
- 特に外部から求人広告を見て求人情報を見て応募してきた方
- 入社が決まっている内定者
などが挙げられます。こういった方々に対して「なぜ入社したのか?」「どのような経緯で入社したのか?(入社を決めたのか?)」「ほかにどんな企業を受けていたのか」を聞いて、情報を整理することで、採用競合を考えるヒントになります。
ただし、採用面接中に聞いてしまうと本音をうまく引き出せないかもしれません。面接後に人事の方との座談会のような場を設定して「選考とは一切関係ない」ことを約束したうえで聞き出すなどの工夫が必要でしょう。
ヒアリング対象:内定辞退者や選考辞退者
新卒や中途で入社した、内定者に関しては、入社した人や入社を決めた方々です。そのため、あまり会社の悪いことは言えないというバイアスがかかる可能性もあります。そこで、内定辞退者や選考辞退者にヒアリングしてみることもおすすめです。
- なぜ、うちの会社を受けたのか?その理由
- なぜ、選考途中で辞退したのか?(内定を辞退したのか?)
- 他にどの様な会社を受けているのか?
- なぜうちの会社ではなく他の会社にしたのか?選んだ会社をの魅力に感じている点
などの情報を可能な限りヒアリングしてみるとよいでしょう。より深く採用競合を検討する事が出来るようになります。
また、ヒアリングは表面上の情報だけを拾うのではなく、深堀して情報を聞き出すことも大切です。例えば「やりたいことが他の業界だったため」という辞退理由のとき、「やりたいことについて具体的に教えてもらえますか?」という風に深堀りしていくことが大切なのです。
内定辞退者や選考辞退者に教えてもらうためには、辞退者との信頼関係がなければ教えてもらえません。内定はもらったけど会社に対して不信や不安があったから辞退したという方の場合、ヒアリングには協力してくれないかもしれません。そのため、選考途中でのコミュニケーションと信頼関係づくりが大切です。
採用競合分析を自社の採用に活用する
採用競合を考えるうえで特に大切なのは、
- 自分たちの会社が学生や求職者からどう見られているのか?
- どんな理由で応募してきてくれるのか?
の2つの把握です。
ヒアリングなどを通じて、是非、人から選ばれる会社づくりに役立ててください。
学生や求職者が採用競合と比較し自社を選んでもらうためにどのように打ち出していくべきか?といった内容は、以下の記事にまとめておりますので、あわせて参考にしてください。
採用PR講座 求人情報に載せる会社のメインメッセージのつくり方
https://kailabo.com/corporate-site/soukirisyoku/measures/recruit/9318