オンライン研修を行うときの注意点

編集部

最近は新型コロナウイルスの影響や働き方改革の推進など、社会情勢もあり、今まで対面で行っていた研修をオンラインで実施しなければならない状況に迫られている企業も多いのではないでしょうか。

オンライン研修といっても、

 ・講師が話している動画を視聴するタイプ (従来のE-ラーニング)

 ・講師と受講者が対話しながら進めるタイプ (リアルタイムで講師と受講者が会話する)

の大きく2つのタイプがあります。

講師が話している動画を社内のE-ラーニングシステムやyoutubeなどで視聴するだけの研修であればそれほど問題はありませんが、リアルタイムに講師と受講者が双方向で会話をしながら研修を行う場合には、いくつか注意点があります。

私たちカイラボでも、オンラインでの研修を実施したことが何度かあります。事前に準備をしっかりとすればオンラインであっても高い効果を出せますが、準備が不足すると、思わぬところでストレスを感じてしまうのもオンライン研修の特徴です。

そこで今回は、講師と受講者が対話しながら進めるタイプの研修をオンラインで行う際の注意点についてお伝えします。

こちらの記事の内容は動画でも解説しています。動画も併せてご覧ください。

初めてのオンライン研修で起こりがちなトラブル

まずは、はじめてオンライン研修をおこなう際に起こりがちなトラブルをご紹介します。社内にオンライン研修の経験がある方がいれば防げるミスばかりですが、意外と見落としがちなポイントです。

1.一人ひとの受講環境が異なり、雑音が大きくなって聞き取れない

受講者の中には、自宅の部屋は映したくないので近くのカフェやファミレスで受講する方もいらっしゃいます。その際、雑音が入ってしまい他の方が話している声が聞こえなくなるケースがあります。
また、小さな子どもがいて鳴き声が入る、家族が見ているTVの音が入るといったことも起こります。会議室に複数の受講者が自分のPCをもって集まるケースだと、マイクがハウリングしてしまうケースもあります。

こういったときは、ほとんどのオンライン配信しすてむに備わっている「ミュート機能」を使いましょう。講師や発言者以外が全員ミュートにすれば、みんながストレスなく人の話しを聞くことができます。

2.ミュートを解除することを忘れたまま、話し続けてしまう

便利なミュート機能ですが、操作方法に慣れていないと、ミュートを解除せずに発言をしてしまうことがあります。発言している本人はミュートにしていることに気付きにくいので、自分の話しを周りが無視しているように感じてしまうかもしれません。

また、話の途中で気付いてミュートを解除しても、結局最初からすべて話をしないといけないため、余計な時間がかかってしまうことにもつながります。便利な機能だけに、聞くときはミュート、発言するときはミュート解除のルールをみんなが慣れるまで少し時間がかかります。

3)ビデオ通話ツールの操作方法がわからない

最近はビデオ通話のツールも数多くあり、機能も多彩です。一方で、機能が多すぎるがゆえに操作が慣れていない方には大変な面もあります。ミュートボタンや画面共有のボタンがどこかにあるのかわからない、設定の仕方がわからなくなってしまうのです。そのため、複数人で受講する場合には、はじめの設定だけで多くの時間を使ってしまうこともあります。

特に、最近はPC用とスマホ・タブレット用で画面のデザインが異なることもあり、PCを見ている人が「○○の右側の三角形のボタン」と言っても、タブレットの方の画面にはそんなボタンが存在しないこともあるのです。

そのため、事前に操作方法をレクチャーしたり、研修前にテストでオンラインで会話したりするなど準備をしておきましょう。

初めてのオンライン研修で準備するべきこと

ここまで、初めてのオンライン研修で起こりがちな事例についてお伝えしました。双方向でのオンライン研修を行う場合は、講師側だけでなく受講者側も含めた環境の整備が大切です。
ここでいう環境の整備は、ビデオ通話ツールの使い方のレクチャーはもちろんのこと、PCやWi-Fiなどハード面でのサポートなども含みます。

とりあえずは、以下の3つを意識してみてください。

1.PC、Wi-Fi

最近ではスマホがあれば十分なので、自宅でPCを持っていないという方もいます。また、急遽自宅で研修を受けることになった場合、個人のPCを仕事で使用することに抵抗感がある方もいるかもしれません。

PCは本人に用意してもらうのか、それとも会社が支給するのかについて考える必要があります。特に、内定者研修などのケースは会社が「必ずPCを用意してください」とも言えません。

また、自宅で受講する際には、受講者のネット環境について注意が必要です。場合によってはポケットWi-Fiを支給しなければならないケースもあります。

事前に受講者にPCやネット環境についてヒアリングするなどして確認し、準備を進めましょう。

2.イヤホン・ヘッドホン (Webカメラ)

イヤホンやヘッドホンなどもオンラインで研修を受ける場合には必要になるアイテムです。会社で準備をするのか、それとも個人で準備してもらうのかについて確認する必要があります。

PCについているマイクとスピーカーだけだと、受講環境によっては聞こえにくかったり、雑音が入ったりするのでおすすめしません。

また、場合によってはWebカメラが必要になることもあります。最近はノートパソコンでもWebカメラが内蔵されていることが多いですが、ない場合には用意しましょう。

3)研修で使用するテキスト

研修で使用するテキストについても事前に印刷・製本したものを郵送するか、PDFデータで共有するかなど事前に検討しましょう。

オンライン研修の場合、テキストはPDFで受講者に共有するケースもあると思います。この際、注意が必要なのは、ノートパソコンだとPDFデータと講師の画面を両方画面に出すと、テキストが小さくなり見づらくなってしまうことです。
そのため、ディスプレイを用意して対応するのか、または事前に印刷物を送って対応するのか決めておく必要があります。

ここまでお伝えしたとおり、オンライン研修も通常の研修同様に事前準備が非常に重要です。対面の研修とはまた違った、オンラインならではの受講者一人一人の環境を整える準備が大切です。

オンライン研修では講師側の環境だけでなく受講者側の環境を整えることが大切

オンライン研修は、今後ますます広がっていくでしょう。そのため、PCやWi-Fiなどのハード面のサポートはもちろん必要ですが、「初めてのツールを使いこなせるか不安」とか「オンラインでの研修に抵抗感がある」などの心理的な不安を抱えている方のサポートも大切です。

どうすれば受講者の方がストレスなく研修に集中できるかを考え環境を整えていくことで、オンライン研修でもしっかりと成果を出せます。

最近では無料で使えるビデオ通話ツールも増えてきています。そういったツールも活用しながら新しい教育研修のやり方や新しい人材開発を試行錯誤しながら、よりよい方法を見つけてみてください。